第48話 サクッと魔王狩り
「おい、三下。驚いている暇はないぞ。死ぬ前に俺はおまえに訊いておきたい。なぜマオを捨て駒にしようとした?」
「ハハハハッ! 下等な獣を我が飼ってやったんだ。むしろ感謝してもらいたいくらいだ」
「いま、マオのことを獣っつたか?」
「ああ、なんどでも言ってやろう。あんなのは畜生だ! 我々魔族の家畜だ! あんな下等生物は我々魔族が飼ってやらねばならんのだよ。それよりもだ……貴様、我を三下と呼んだか?」
「呼んだな。それがどうした? すまんな、三下では上等すぎたか。三下に三下と真実を告げて、何が悪いんだ? 俺のまえで三下のおまえが三下でないとちゃんと証明してくれよ。証明できなければおまえはゴミ虫確定。いやなら便所虫でも構わんぞ!」
「貴様! ぜったいに生かして帰さぬから、覚悟しておけ!」
「覚悟? おまえ相手に? ククク……笑わせてくれる。笑い過ぎて、死にそうだ。スゴいな、おまえは素晴らしい、なにせ人を笑わせて殺気を消されるデバフをかけられるのだからなぁ!」
「我をどこまで愚弄する気だ!」
「すまん、すまん。愚弄する気はなかったんだ。ただちゃんと実力というものを認識してもらいたかったのだよ、アズライールくん」
俺は【
「に、人間ごときが魔王を舐めるなっ!」
「ククク、俺が舐めるのは女の
ぽっ♡
「ノルドさまぁぁ……魔王を倒したあとは……ベッドで私のあそこを……」
「エリーゼ、危ないから下がっていろと言っただろ!」
俺がエリーゼに気を取られたところにアズライールが
【ひれ伏せ魔を統べる王の膝元に】
を使用してきて、攻撃力、魔導力、回復力、精神ダメージ、即死回避確率などすべてのステータスを下げられてしまった。
「フハハハハハハハハハハ!!! 人間! 我を愚弄し、油断するからデバフを食らうのだ! いまの貴様は下等なゴミ虫以外の存在! 我に勝てるはずがないっ!」
ふ~ん。
アズライールは勝ち誇ったように高笑いを上げていたが、油断してるのはおまえもそうだろ、と俺はツッコミがてら無詠唱で魔導を放った。
俺の放った魔導はきっちりアズライールに当たる。
どうやら俺がデバフの効果に悦に入り受け止め、効かぬわムーヴを決めたかったらしい。
「かはっ!!!」
アズライールの右肩の根元から削り取られ、まるっとなくなっていた。
「な、なぜこんな力がまだあるんだ! なにか
「ククク……人間、人間とうるさい奴だ。ツェン国民を奴隷にした罪で死ぬことが確定したおまえに教えてやろう。俺の名はノルド・ヴィランス。おまえが何度転生しようとも俺には絶対に勝てぬ相手だということを魂に刻んでやる」
俺がゆっくりとアズライールに足を向けると恐怖したのか、アズライールは後ずさりしていた。
「おっと質問に答え忘れていたな。さっきのは【
「ば、バカな……あり得ん……闇耐性のある我が最弱魔導に、人間ごときが我を上回る力など……」
「俺は天才だ。加えてほんの僅かたが凡人が行うという努力なるモノを嗜んでみた。するとどうだ? まるで魔王のおまえがゴミザコのようにすら思えてくる」
「き、貴様ぁぁぁーーー!!!」
「マオがどれほど苦しんだか分かるのか?」
「オゴォォォォォォッ!!!」
俺は【常闇の波動】でアズライールの四肢を削いでいった。
「弱すぎる。魔王を名乗るものだからもっと強者を想像していたが、実にがっかりだ……」
「バカなっ!? 我が人間ごときに……」
ま、どちらを攻めていても、おまえは生き残れなかったと思うけど。
魔王をガリアヌスで屠り鞘に納めるとエリーゼは俺の股間を凝視しながら恥ずかしそうに身体を艶めかしくくねらせ、指をもじもじさせていた。
「あ、あの……ノルドさまの大事なところも、あの黒くてたくましい剣のようになかで伸びて、私を可愛がってくれるのでしょうか?」
は?
俺は魔王を倒したことをすら忘れて、ポカンと口を開けていた。
この娘はどんだけそっち方面の想像力が豊かなんだよ!!!
ごぼっ……ごぼっ……。
「ノルドとか言ったなぁ! 覚えておけ! 我は魔王のなかでも最弱! 我の仇は残りの6柱の魔王が取ってくれ……る」
「笑わせてくれる。魔族を名乗りながら、仲良しごっこの仇討ちなどと……」
魔王アズライールの亡骸を闇に帰すと、エリーゼが駆け寄ってきて……、
んっ!?
不意打ちで俺の唇を奪っていた。聖女のくせしてなんて情熱的なキスを……。
んんん……。
離れようとしても頭と背中を抱えられて、エリーゼが俺を離してくれない。エリーゼの豊満な胸が俺に触れて、彼女の鼓動と体温が伝わる。
「ぷはぁ……。ノルドさまがご無事で良かったです。もしなにかあれば私もノルドさまのあとを追う覚悟でした……」
「俺が死ぬ? つまらぬ心配を。それよりなんともなかったか?」
「ノルドさまが私の心配をしてくださるなんて……」
「俺はおまえがちゃんとした聖女になれるか心配したたけだ。おまえを失えばアッカーセンは大打撃だからな」
「それでもうれしいです!」
太陽のような明るい笑顔を俺に向けるエリーゼが眩しくて、俺は目を逸らした……。
「助かったぞ!」
「もしやあなたさまがアズライールを!?」
俺が魔王を狩ったことで地下牢の封印が解けたのか、ぞろぞろと獣人たちが髑髏の間(勝手に命名)に集まってくる。
その中には白い毛並みで尻尾に縞模様の獣人もいたのだった。
―――――――――あとがき――――――――――
エリーゼの想いが爆発しちゃったw
捕虜が入ってこなければ、ノルドは押し倒されていたかも( ´艸`)
エリーゼとマオの正妻争いが
作者、雑魚いのでオーバークロックが進めず、インクたんからメスガキムーヴかまされ……はぁはぁ♡しております。
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