第6話 おちっこ拭き拭き

 はっとなにかを思い出したように妹は俺に訊ねてきた。


「お兄しゃま、お兄しゃま! まだしゃれてるのれすか?」

「俺が寝坊だと? 俺ほど勤勉かつ有能な男はいまて」


 俺がとりあえず「おはよう」と返そうとすると、相変わらずノルドは胸を張り偉ぶって幼女に返答していた。


 にも拘らず、幼女の反応は意外なもので驚く。


「うん! まりぃ、お兄しゃまがこの国でいちばんの男の子だと思ってる」

「ういやつめ!」


 ぽーんと俺の胸に飛び込んできた幼女は頭をなでて欲しそうに上目づかいで見つめている。


 恐る恐る幼女の頭をなでるとにぱーっと満面の笑みを浮かべ俺の胸をひしと抱いていた。


「まりぃ、お兄しゃま大ちゅき!」


 目に入れても痛くないとはこんなかわいい妹のことを言うんだろう。


 メイナさんが優しげな瞳で俺たちの仲睦まじい兄妹愛を見守っていたのだが、いまだに上半身はヌードのまま……。


 じーっ。


 幼女はメイナさんの露わになった乳房を訝しげに見つめる。


 なんだやっぱり10歳にもなっておっぱいを吸うなんて、おかしなことだったんだなと安心した一方、雰囲気に流された自分が恥ずかしくなった。


 しかし、俺の想いはメイナさんのひとことで覆される。


「マリアンヌさまもお吸いになられますか?」

「うん! メイナのおっぱい、まりぃ大好き!」


 いや、おまえもかーーーーーーーーーーーーい!


 満面の笑みでメイナさんに抱きつくマリィだったが、まるで我が子のようにメイナさんはマリィを抱っこして微笑んだ。


「私の乳房は優しさでできておりますので、どうぞお二人で召し上がってください」


 結局俺たちはメイナさんのお言葉に甘えん坊して、ちゅぱちゅぱと兄妹で二つのおっぱいを仲良く分け合ってしまった。


「馳走になった」

「ちじょになっら」


 俺の真似しようとしたマリィの言葉に吹きそうになる。幼女の頃から女の子のおっぱいを吸うのが好きなんて、将来はどんな子に育つのか想像ができない! 


 それこそ『痴女になった』とかシャレになんないぞ。


 メイナさんは食事の用意をしてくるということで一旦俺たちの下を離れた。


「お、お兄しゃま……」


 二人きりで部屋にいるとマリィの顔が真っ青になり、俺は焦る。


「どこか悪いのか?」


 小さい子はとにかくちょっとしたことで体調が変わりやすい。病院に行こうにも、まともな医療設備なんて……いやそもそもエロゲ異世界にそもそも病院があるのかすら分からない。


 エリーゼは回復術師だったから、魔導でなんとかなりそうではあるが……。


 どう対処すべきか、頭のなかがぐるぐる回っているとマリィは気が抜けることを言ってきた。


「あのねあのね、お兄しゃま……まりぃね、こわくておトイレに行けないの……」

「またか?」

「またまたなの……」


 ノルドの話しぶりからして、どうも良くあることらしい。つか昼間なんだけど……。


 ただこんなかわいらしい子を放っておけるわけもないのだが、ノルドから意外な言葉が出る。


「仕方ない。この俺がついていってやろう。存分に感謝するがいい」

「うん、お兄さまは最高のお兄さまなの! まりぃだいしゅき!」


 なっ!?


 まさか悪役御曹司のノルドにこんな一面があったなんて……。もっと悪辣極まりない奴かと思ったら、案外妹想いというか面倒みの良いところがあるのか。


 まあノルドは主人公じゃないし、ほとんどが主人公のケイン目線だから分からなくてもおかしくはないんだけど……、


 とにかくギャップがすさまじいな!


 マリィはとことこ歩いて、ノルドの部屋にあるお手洗いの前で立ち止まった。もといた場所から20メートルも離れてないと思うんだが、小さなマリィにはその程度でもダメらしい。


「お兄しゃま……なかに怖いなにかいないか、見てほしいのれす」

「俺が開ければどんなモンスターですら、瞬時に逃走するからな、任せておけ!」


 なにこのノルド……ちゃんとお兄ちゃんしてるじゃん!


 俺はバーンとドアを開け放つとまん中に陶器製の便器があった。よく分かんないが青い釉薬でモザイク模様がされてある他は便器の形など至って普通の洋式で俺が元いた世界と大差ない。


 マリィはなにもないことに安心したのかそのまま便器へ向かい便座に座った。スカートを下ろし始めたので俺はドアをしめようとしたそのときだった。


「らめなのれす! お兄しゃまはマリィを見捨てるのれすか!?」


 見捨てるって、そんな大げさな……。


 とか思ってるとマリィはスカートもかぼちゃみたいなおパンツも脱いでしまい下半身はすっぽんぽんになっていた。


 幼女とはいえ、まる見え……。


 むしろとんでもなくいけないことをしているように思えてくる。


「出し終わるまで見張っててくらしゃい」

「分かった、早くだせ!」


 マリィから弧を描き、便器の水溜まりに落ちる黄金色の乙女の聖水。


 おしっこを兄に見られないとできない妹って……。


 チョロロロ……。


 背徳感を覚えながら、妹のおしっこを見守っているとようやく終わろうとしていた。


「お、お兄しゃま……おちっこ、拭いてほしいの」

「あ、ああ……」


 さすがにロール状のトイレットペーパーはなかったが、ティシュのような白い紙があったので俺は覚悟を決め、紙でマリィの股間に触れようとしたときだった。


 ぶんぶんと激しくマリィは首を振り、「違う、そうじゃない」と言いたげ。


「お兄しゃま、いつもお口で拭ってくれてるのに今日はらめなの?」


 はぁっ!?


 なにしてんだよ、こいつら!


 い、いやここはエロゲ異世界……。あまり常識に囚われてはいけない。


「この甘えん坊め! 俺の舌技に震えるがいい!」


 このあといっぱいマリィを身体をペロペロして拭いて差し上げた俺……。


「あーがと、お兄しゃま!」

 

 そりゃこんな家庭にいれば、ノルドの女性に対する価値観、倫理観が歪んでしまうような気がした。


 ただ意外だったのは悪辣なノルドが彼の部屋の中だけのコミュニティだけなら、えっちではあるものののマジ優しい世界なんだよな。どうも悪役と言うより、頭痛の痛い兄妹にしか思えなかった。


 って、二人に絆されて、完全にエロゲ世界にはまりそうになってしまったけど、それどころじゃない!


 そろそろ、エリーゼとケインの馴れ初めとなる出会いの日が近づいてきている。俺はエリーゼとケインが無事結ばれるよう影のキューピットに徹するつもりでいた。


―――――――――あとがき――――――――――

申し訳ありません、マジぎりぎりっす……。

おしっこ我慢しながら執筆してるから。

作者攻めてると思われた読者さまはまた消えないうちにフォロー、ご評価してくださるとうれしいです。いや冗談抜きで運営さまから本編に警告来たんだよぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーー(≧Д≦)

作者頑張れとミリでもマイクロでも思われたら、よろしくです。

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