エピソード2 最悪、再び
入学式からもうすぐ2ヶ月がたとうとしている今日は6月2日、僕にはこの約2ヶ月の間で新たな友達ができた。
一人は佐藤雄一、もう一人は吉川善太郎。
どっちも僕と京介と同じくフラワーズガーデンのファンでアニメなども好きなヲタク仲間である、因みに僕と、雄一、善太郎は白黒百合推しで、京介は星鈴蘭(ほしすず らん)を推している。
「そういえば皆は今月末のライブチケット当たったのか?俺は外れたからな…」
「あ~それか、俺も見事に外れたぞ」
「俺もだな」
「優仁は、どうなんだ?」
そんなのもちろん………
「僕も外れたよ…今回は久しぶりに
「そうだよな~倍率何倍なんだったんだよ…」
気になったので調べて見ると15倍だったらしい
「15倍だってさ」
僕がそう伝えると『そりゃ無理だわ~』とみんなで苦笑いしていると担任の青葉先生がやってきて帰りのHRが終わる。
今日は京介達は部活らしく僕だけが帰宅部なのでさっさと帰ろうと思っている。
「じゃあまた来週」
土日は引きこもる予定なので次に会うのは学校でだろう
「「「おう」」」
京介達が返事したのを聞いて僕は教室を出る。
途中階段で誰かとぶつかってしまったので『ごめんなさい』と言って立ち去ろうとすると
「おい。お前堀口優仁だよな」
と、呼び止められてしまった…僕は嫌な予感がするので
「人違いです」
そういって逃げ出そうと動き出したときには制服の襟を捕まれて階段でぶつかった男子生徒とどこからか出てきた男子学生に連行されていった…
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僕が連れていかれたのは校舎は裏だった、しかもここはあまりま立たなさそうな位地で近くにはボロっちい体育倉庫ぐらいしかなかった。
そして、こういうパターンには慣れている。これから起きることも少しは予想できる…
その気になれば
まぁ、刃物とか向けられたなら話は別だけど…
「よぉ、堀口~いやこういってもらった方がうれしいか?『身内殺しのお兄ちゃん』www」
『身内殺しのお兄ちゃん』?なにを言っているのか分からなかった。そもそも何で僕はお兄ちゃんって今言われたんだ?僕は一人っ子なのに…
「……何を言っているのか分からないって顔だな…これを見たら分かるんじゃねえか?ああ?」
そういって彼はスマホを僕に向けてきた
そこに写っているのは12歳ぐらいの子供が顔はぐちゃぐちゃに、大量の血液と内臓を撒き散らしながら倒れている写真だった。
そばには僕らしき人物と自転車、そして離れたところに止まっている大型トラックも見えた。
「………誰だよこの女」
「クククッ、アハハハハッ!噂ほんとだったみたいだなぁ。」
僕はこの子供のことを知らない、だから当然の疑問のつもりだったのだが…どうやら違うらしい。
「この写真の
「は?」
意味が分からない。俺に妹なんていないのに。
「本当なことなんだがなぁ。お前、堀口優仁は実の妹の堀口琴美を自転車で跳ねた。そして吹っ飛ばされたお前の妹は通りかかった大型トラックに頭を潰されて即死した。お前が殺したんだよ。どうやらお前は中学ではこれが原因でいじめられてたらしいじゃねぇか。ククッこれをばらまかれたらお前の高校生活はどうなるかなぁ?www」
俺が、殺した、ことみ?
………琴………美……!
「あああああああああああああぁぁぁぁぁ!」
「違う違う違う俺じゃない俺じゃぁ、俺はやってない俺はやってない」
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その日は珍しく雪が積もっていた日だった。
もうすぐ琴美の誕生日だったので琴美が欲しがっていた本を買ってあげるために琴美と出かけていた。
「おにぃ、いくらまでだったら買って言い?」
「そうだな、とりあえず3000円分までな」
「はぁーい!」
3000円までなら大丈夫だろう…
ふと100mほど先から大型のトラックがきているのが見えた。琴美が車道側を歩いていたから何かあったら危ないと思い歩道側を歩いていた俺と場所を入れかえた。
「琴美危ないからこっち側歩いて」
「うん、きゃっ――――――――」
何かがぶつかった音がした。反射的に琴美がいた方を見ると、自転車が倒れていて、俺と同い年くらいの男子が知りもちをついていた。
琴美が見当たらない。
『ゴンッ、』
背後から、車道から何かと車がぶつかった音が聞こえた。
「えっ、!?」
ふと車道を見るとさっき見えた大型トラックが変な向きで止まっている。事故だろうか、
それより琴美はどこに。
「あっ、」
トラックの少し先。しんしんと舞い落ちる雪が積もる道の一部が鮮やかな赤色に染まっている。その血液は誰のだろう、なぜだろう目がおかしいのかな水滴でもついたかのようになって良く見えないや、何で俺は跪いているんだろ。
救急車の音が聞こえる。誰かが亡くなったのかな。
僕のなかの何かがバラバラと崩れ落ちていく。すでに塗られていた
その日。
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