第32話 奈落十九層でレベル上げ!
翌日、正式にパーティを組んだフィオナと奈落の探索を再開した。
今回は途中で寄り道もする必要がないので、五倍速ダッシュ&エンカウントなしですいすい探索を進めていく。十層ボスも一ヶ月の討伐判定が残っているので、足止めを食うこともない。
とはいえ、道中に落とし物がないか確認することも忘れない。
(聖火炎竜団はレファーナさんの大切な人たちだ。見逃さないようにしないとね)
探索は前回よりもスムーズに進められたので、三日目の午前中には十九層まで戻ってくることができた。だがこのままボスに挑むには少し心許ない、そのため私たちはここでレベル上げをすることにした。
余裕をもって二十層に挑むのであれば、もう少しフィオナを強化しておきたい。
だが今回伸ばすのは第一才能の魔法剣士ではなく、第二・第三才能の氷・風魔術師のレベルだった。
才能レベルは1上げることに3のスキルポイントを得ることが出来る。であれば伸び幅のある才能レベルを伸ばし、たくさんのポイントを獲得させておきたかった。
そのため今回はフィオナには、属性魔術師として後衛に立ってもらっている。
「フィオナさんは攻撃魔術を打ち込んだ後、ステルスフードで気配を隠してください。その後は私が即死を入れるまで待機で」
「わかった」
いまのフィオナは分厚いフルメタルアーマーを脱ぎ、レファーナに借りたステルスフードを被っている。
前回のレベル上げは一層の魔物が相手だったので、即死が入らなくても
だが十九層の魔物相手ではそうもいかない。
そのため低レベル化したフィオナへの攻撃を逸らすため、ステルスフードをあらかじめ借りておいたのだ。
ちなみに十九層にはヒュドラ以外に、以下の稼げる魔物が出現する。
名前:マザー・アルラウネ
ランク:S
盗めるアイテム:万能粉
盗めるレアアイテム:アルラウネの唾液
名前:ガニュメデ・トータス
ランク:S
盗めるアイテム:亀の甲羅
盗めるレアアイテム:クリスタルアーマー
名前:サイクロプス・ウォリア
ランク:S
盗めるアイテム:骨棍棒
盗めるレアアイテム:不死身の兜
いずれも強力で大型の魔物ばかりだが、レッドドラゴンの二倍近い経験値を獲得できる。レベルアップ効率は一層の比じゃない。
戦術としてはフィオナに先制で攻撃魔術を打ち込んでもらい、私が即死狙いの『強奪』を繰り返す。
もちろん盗めるレアアイテムも希少価値の高い物ばかり。特に全属性に耐性を持つクリスタルアーマーは、フィオナのためにもひとつは手に入れておきたい。
そうしてスティールアンドアウェイを駆使したレベリングを繰り返し――八時間。
フィオナのレベルは以下のように成長した。
☆☆☆
名前:フィオナ・リビングストン
第一才能:魔法剣士(レベル:73)
第二才能:氷魔術師(レベル:35→68)
第三才能:風魔術師(レベル:22→66)
残りスキルポイント:48→279
☆☆☆
やっぱり伸びしろのある
だがお金もスキルポイントも溜めてばかりでは意味がない。これらは使ってこそ初めて意味がある。
だから私はフィオナと話し合いながら、どのような性能に仕上げるか相談するつもりだったのだが――
「スキルポイントはリオの意に沿うような形で振ってしまって構わない」
「いいんですか? すると火力に極振りさせてもらう形になりますけど……」
「構わない、私はリオの
ということで、フィオナのポイントは以下のように振り分けることにした。
☆☆☆
習得スキル:
・氷魔法剣【LV:6→9】
・氷魔法【LV:6→9】
・風魔法剣【LV:5→9】
・風魔法【LV:5→9】
・武器両手持ち
・回復薬効果上昇【LV:3】
・魔力自動回復【LV:5】
・挑発
・捨て身の一撃
・横薙ぎ一閃
・受け流し
・
・
・攻撃力上昇【LV:2→10】
・防御力上昇【LV:2】
・魔力上昇【LV:2→6】
残りスキルポイント:279→9
☆☆☆
持っていたポイントはすべて火力関係のモノに突っ込んだ。
こうして改めてスキル一覧を見直すと、過去の不要なスキルがやや気になる。振り直しの救済措置もあるけど、必要クリルが高いんだよね……
ゲームだったら振り直すより、新規キャラを勧誘して育て直してしまう。が、この世界のフィオナはオンリーワンだ、替えなんて利くはずもない。
削るとしたら『挑発』『回復薬効果上昇』『受け流し』はなくす方向で考えている。フィオナにはムキムキしててもらえればオーケーです!
ちなみに今回のレベル上げで、私もしっかりと成長している。
☆☆☆
名前:リオ
才能:盗賊(レベル:96→100)
残りスキルポイント:535→547
☆☆☆
ついに盗賊レベルがカンストしてしまった。私がこれ以上の成長するためには、レベル上限の解放をするか別の才能を獲得するしかない。
とはいえ、すぐにできることはないのでとりあえず放置。
あふれた経験値もレベル上限を解放した時に反映されるので、無駄になることはない。
スキルポイントもだいぶ余らせているが、後々のことも考えて多めにプールさせておく。第二才能になにを取るかも決めてないからね。
「リオはついにレベル100か……。本当にそのような極地に昇りつめる者が現れるとは……」
「なに言ってるんですか、次はフィオナさんの番ですよ。むしろ三才能全部100まで上げるつもりなんですから、そのつもりでいてもらわないと」
「……リオのことだから、それは本気で言っているんだろうな」
「当然です。あっ、それより見てくださいよ! レベル上げの途中でしっかりクリスタルアーマーも盗めたんですよ!」
私はポーチに収納していたクリスタルアーマーを取り出し、フィオナの前にずいと突き出す。
「これは……なんとも洗練された素晴らしい造形だな」
「ですよねっ! 次の戦闘からフィオナさんはこれを着て戦ってくださいね」
「私が装備してしまっていいのか?」
「もちろん! 回避盾の私は身軽な方がいいですから!」
それに高貴な佇まいのフィオナにこそ、クリスタルアーマーは相応しい。ちなみに今回のレベル上げで盗めた品は以下の通りだ。
竜のキバ×22
強壮の血液×3
万能粉×30
アルラウネの唾液×4
亀の甲羅×44
クリスタルアーマー×3
骨棍棒×18
不死身の兜×1
この中で他に使えるのヒュドラから盗んだ、
これは飲んだ者の体力と魔力を全回復させるという、有能回復薬だ。
不死身の兜も硬くてまあまあ便利だが、素早さが下がるというデメリットがある。
それに無骨なデザインなので、あまりフィオナには似合わない。ニコルに戻った時に売ってしまう予定だ。
他に手に入ったのは錬金素材に使われるようなものばかり。とりあえず保管はするけど、錬金術師と出会う機会がなければこれも売ってしまおう。
思えばマジックポーチを買うための4000万クリルを集めてから、アイテムの売却には行けていない。
現在の手持ちは1318万クリル。手持ちの不要品を全部売ったとしたら、一体どのくらいの金額になるのだろう?
そのことを考えると、今から楽しみだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます