後編

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 卓球が好きで、毎日が楽しくて楽しくてたまらなかった。

 ずっと小学校を卒業するまで出来る。

 そして、たくさん大会に出て、優勝して賞状や盾をもらって、先生や親に褒めてもらう。


(わたしはもっと強くなるんだ!)


 そう思ってた。

 そう決めてたんだ。


 だけど、小学3年の終わり、4年生になろうとした時期、わたしは卓球を辞めなければいけなくなった。

 卓球が自分の全てになっていたわたしは、深いどん底に突き落とされた気分だった。

 ショックで頭がおかしくなりそうだった。

 今まで3年間卓球を教えてくれた少年団の顧問で、わたしのクラス担任の先生が別の小学校へ転勤になったのだ。


 大好きだった先生。

 一番大好きになった大切な卓球。

 仕方ないことだけど、一瞬でわたしは大切なものを失ったのだ。


 わたしが大泣きしたのは、その時だけだった。


 返してください。

 わたしの3年間を返してください。

 卓球に使ったわたしの時間を返してください。


 ずるい、ずるいよ。

 わたしは卓球をこんなにやりたくても出来ないのに、普通に卓球をやってる人が憎い。

 卓球なんて知らなきゃ良かった。

 真面目にやらなきゃ良かった。


 そうだ、そうだよ。

 卓球というものを好きになったわたしのこの想いをわたしの中から消してください。





 - END -

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