後編
.
卓球が好きで、毎日が楽しくて楽しくてたまらなかった。
ずっと小学校を卒業するまで出来る。
そして、たくさん大会に出て、優勝して賞状や盾をもらって、先生や親に褒めてもらう。
(わたしはもっと強くなるんだ!)
そう思ってた。
そう決めてたんだ。
だけど、小学3年の終わり、4年生になろうとした時期、わたしは卓球を辞めなければいけなくなった。
卓球が自分の全てになっていたわたしは、深いどん底に突き落とされた気分だった。
ショックで頭がおかしくなりそうだった。
今まで3年間卓球を教えてくれた少年団の顧問で、わたしのクラス担任の先生が別の小学校へ転勤になったのだ。
大好きだった先生。
一番大好きになった大切な卓球。
仕方ないことだけど、一瞬でわたしは大切なものを失ったのだ。
わたしが大泣きしたのは、その時だけだった。
返してください。
わたしの3年間を返してください。
卓球に使ったわたしの時間を返してください。
ずるい、ずるいよ。
わたしは卓球をこんなにやりたくても出来ないのに、普通に卓球をやってる人が憎い。
卓球なんて知らなきゃ良かった。
真面目にやらなきゃ良かった。
そうだ、そうだよ。
卓球というものを好きになったわたしのこの想いをわたしの中から消してください。
- END -
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます