手紙
風凪ぎ煙草と硝煙漂う花消し香りの漂う水面
驕ると奢るを離し切り出し黒波蠢く世の理と
梯子啄む嘴僅かに排除するべく罠に掛けたら
三千少しと線の蓋が開くと一緒に解き放たれて
記憶の動詞は〖で始まり遮る言のは無意識際ない
瓶の中には焦げた充電器があった
8粒取り出した。飲み込んだ。
眠くなる……
「その程度?」
「まだ序の口に…決まってんだろ」
二人の手には黒い直剣が握られていた。互いが互いを見つめ、今か今かと隙を伺っている。
余裕そうな金髪の彼は、マントを靡かせ、膝を着く黒髪の少年に剣の切っ先を向けた。
「だったら早く立てよ、手っ取り早く強くなりたいって言ったのはお前だろ?」
「言われなくても……ッ!」
斬りかかった直剣を軽くいなし、金髪の彼は柄を黒髪の腹に打ち付ける。
小さな嗚咽が漏れたあと、混濁する意識を振り払いもう一度。
何度かかち合う金属音が鳴り、しかして戦況は黒髪の劣勢だった。
瓶の中にはぬいぐるみの死体があった
16粒取り出した。飲み込んだ。
眠くなる……
いつまで経っても変わんないな、世界は。
2000年越えてから色々進歩はあったけど、かと言って身の回りが変わるって事はそんなに無くて、いつまで経っても職は見つからないし外には出たくないし。たまには外に出ろなんて言われるけど、ちっちゃな自尊心って言うか、人の言いなりになりたくないってプライドが邪魔をして結局出れないまま。
こんなのが良くないって分かってはいるけれど、結局そのまま、また10年とか20年とか。親が死ぬまで…死んでもかな……。
なんて思った午前2時。ふと缶コーヒーが飲みたくなって外に出た。3月と言えどまだ外は寒くって、もう少し厚着してくれば良かったとか小さい失敗を何時までも。
田舎だから空気は澄んでて、空を見上げると色んな星が良く見える。
かと言って星座とかは知らない。学ないし。
ふらっと立ち寄った。知らないビルの横にある自販機。
何も知らない私は、少なくとも知っている部分の頭を使って、自販機に小遣いの150円を入れた。
静かな冬の終わりの真夜中に、ガコンと強い音が鳴る。
どうせ当たらないルーレットを横目に、小さな期待が途方に暮れながら缶コーヒーを飲み始めた
瓶の中には小さな頃があった
32粒取り出した。飲み込んだ。
眠くなる……
「んーでさ、私は作ったんだよ。この世界を」
「大胆なことするね」
「だってそうでしょ?つまんないところに居るぐらいなら、自分で作っちゃえばいいんだよ!」
「でも、それって大変じゃない?」
「大変だよ。全部が全部自分で作らなきゃいけないんだもん」
「やっぱそうだよねー……」
「でも、私達一人なんだもん。どうにかなるって」
「どうにかなった試し……あったっけ?」
「事例が無いね」
「これから作ればいいんだよ」
瓶の中には瓶があった
64粒取り出した。飲み込んだ。
眠くなる……
瓶の中にはボールペンが入っていた。
128粒取り出した。飲み込んだ。
瓶の中にはハサミが入っていた
256粒飲み込んだ
中には丸まったティッシュペーパーが入っていた
512粒飲み込んだ
暖かい涙があった
1024粒飲んだ
2048粒手に取った。
4096粒飲み込んだ。
8192粒手に取る。
16384粒飲ませたその手は。
32768粒取ったその手は、
本当に自分の手だったのかな。
手に取った
__者よ」
「勇者よ…… 」
……えぇ?
「勇者よ……聞こえますか」
…だ、だれ?
「貴方はこの世界、ディフェレントに召喚さ……」
さ…?
「あ、すいません間違えました__
え?ちょ、何?
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