第54話 魔法戦対策、アイ

 アイのプレイヤースキル向上の次の相手はゴブリンメイジだ。

 ゴブリンメイジは炎壁の魔法を使った。

 アイは石を投擲する。

 石弾と石の撃ち合いになった。

 ゴブリンメイジは動かないのにアイはステップを踏みながら攻撃。

 当然、被弾率はアイの方が低くなる。

 だが10匹をノーダメージで切り抜けるのはなにか工夫が必要だ。

 ローリンみたいに運任せだと時間が掛かる。


「うーん、炎で見えないのが嫌らしい。ほとんど動かないけど、たまに動くんだよね」

「散弾でも被弾することはあるだろうな」

「だよね。散弾は溜めないと威力がないから。溜めるには避けまくらないと。避け投擲士なんだから、これぐらいの距離は避けれないと」


 アイは避ける練習をするらしい。

 俺は要らないな。

 魔道具を作ろう。

 ええと味クイズの改良版だ。


import random


i=random.randint(1,4)

if i==1:

  s1="ミカン"

  s2="みかん"

  s3="蜜柑"

if i==2:

  s1="りんご"

  s2="リンゴ"

  s3="林檎"

if i==3:

  s1="バナナ"

  s2="ばなな"

  s3=""

if i==4:

  s1="パイナップル"

  s2="パイン"

  s3=""

print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。味生成の命令をレベル1の味魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものでかの者に"+s1+"味を作り出せ。味覚】")


ans=input("何味でしたか?")

if ans=="" :

  print("降参ですね。正解は"+s1+"です")

else :

  if ans==s1 or ans==s2 or ans==s3:

    print("正解です")

  else :

    print("間違いです。正解は"+s1+"です")


 こんな感じだな。

 後は種類を増やせば良い。


 アイの避ける練習が様になってきた。

 レベルはパワーレベリングして高いのだから、運動能力はかなりある。

 身体能力に振り回されないように制御できるかが肝だ。


「やった、10匹クリアできた」

「お疲れ様」


 よし、味クイズをマクスダクトに持っていこう。


「よう、味の魔道具はガム魔道具の名前で売り出したぜ。そこそこ売れている」

「今回は、味クイズを持ってきた」

「貸してみろ。りんご。ちょろいな。でも、待ち合わせの暇つぶしにはいいかもな」


 うん、ガム魔道具は1万個納入した。

 単価安いけどね。

 味クイズは500個にした。

 こちらは売り切れたら、補充していくつもり。


 さて、何を作ろう。

 掲示板を何か珍しい魔法がないか検索する。

 掲示板に睡眠魔法の魔道具を作ってほしいとある。

 えっ、そんなの簡単だろ。

 睡眠魔法をもっている魔道具師に頼めば良い。

 忙しいので、時間設定が欲しいのだそうだ。


 時間が経ったら覚醒してほしいらしい。

 何もゲームの中に眠らないでもいいのに。

 リアルでは不眠症らしい。

 それで睡眠魔法を使って来る羊モンスターに睡眠魔法を掛けられたときにすっきり眠れたそうだ。

 リアルに戻ったら頭がすっきりしたと書いてある。

 1時間30分寝るのがベストと書いてある。


 需要は少ないだろうけど、リアルでは睡眠カフェとかあったから、良いのかもな。


import time


s=int(input("何分寝ますか"))*60

print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。睡眠の命令をレベル1の睡眠魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものでかの者を眠らせよ。睡眠魔法】")

time.sleep(s)

print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。状態異常回復の命令をレベル1の回復魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものでかの者を癒せ。状態回復】")


 よし。これで良い。

 レベル1の睡眠魔法は普通では掛からない。

 でも寝たいと思っていたら掛かるようだ。

 レジストするには意思の力が必要だ。


 睡眠魔道具は100個作った。

 需要が読めないからだ。

 そんなに売れるとは思われない。


 このゲームで眠らせる魔道具が作れるなら、睡眠を取る専用の装置も作れるのではないか。

 もっと安価に。

 まあいいか。

 魔道具作るのに手間はそれほど掛かってない。


 さて、明日はクラン戦だ。

 頑張ろう。

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