第50話 魔法戦対策、ローリン

 ローリンのプレイヤースキルアップの相手はゴブリンメイジ。

 ゴブリンメイジは炎壁の魔法を使った。

 ローリンは魔法剣の氷結剣で対抗。

 ゴブリンメイジは炎壁が破られたとみると石壁を作った。

 ローリンはそのまま回転斬り。

 石壁ごとゴブリンメイジを葬ろうとした。

 ゴブリンメイジから炎弾の魔法が飛んで来る。

 ローリンと相打ちになった。

 もちろんローリンの方が体力、防御力共にゴブリンメイジより高いので、なんなく勝つことができた。


「アウト。ノーダメで10匹討伐が課題だから」

「うん」


 それから、ローリンはなんの工夫もなく、ゴブリンメイジに回転斬りをかます。

 反撃を受ける時もあれば、ノーダメージで切り抜けることもある。

 で5匹ぐらいは連続でノーダメージで討伐できた。


「ローリン、もしかして偶然に頼ってる?」

「ちっ、ばれたか。5匹までは行けるようになっただろ。後少しなんだよ」

「それを工夫しろと言ってる」


 ローリンは少し考えて、ダブル回転斬りに切り換えた。

 回転斬りは魔法も反射するので、記録は8匹まで行った。

 このまま脳筋思考で行くつもりか。

 いや、駄目だろ。

 回転斬りは魔法を反射するが、回転斬りにも隙間はある。

 確率で体に魔法が当たってしまう。


「あと少しなのに」

「回転斬り以外の剣術を使ったらどうだ?

「回転斬りこそ至高。そこは譲らない」


 口に剣を咥えて三刀流とか漫画にあったが、口に咥えたのはほとんど戦力になってないだろ。

 この考えは却下だな。


「今度こそ。【魔法剣、氷結剣】【剣術、回転斬り】、しゃがみスピン」


 うん、当たる面積を減らしたのか。

 しゃがめば確かに確率は下がる。

 そして、10匹討伐が完了した。

 ちょっと予想と違うが、まあ良いか。

 しゃがみスピンだって、それなりに頭を使ったのだろうから。


「ローリン、お疲れ」

「疲れてない。まだまだ回転できる」

「石弾を発射する魔道具を渡すから、暇な時は訓練でもしとけ」

「そうする」


 さて、ローリンの強化も終わったし、魔道具を作ろう。

 今度こそ、月10万円稼げるヒット作を作るんだ。


 俺は回転斬りを魔道具で再現できないか考え始めた。

 ループすると魔道具の耐久値がゴリゴリと減るんだよな。

 加えて回転斬りも武器の耐久値が減る。

 剣に魔道具をくっ付けて回転させるのは、愚策かな。


 ゴーレムの命令で回転しろと入れるのは簡単だが、そんなの魔道具がなくても出来る。

 利点がないだよな。

 回転斬りみたいに魔法反射の恩恵とかあったらいいのに。


 剣をただ回転するだけなら、丸ノコでも良い。

 マクスダクトの言葉を借りるならロマンがない。

 魅力がないといっても過言ではない。

 フライングソードとかロマンありそうだものな。

 だが、制御は難しい。

 敵の位置とか的確に把握しないといけない。


 やはり、こんなのかな。


s=input("攻撃部位を入れて下さい")

print("【われは内包する、魔法規則。かの者は剣。念動の命令をレベル1の念動魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものでかの者を"+s+"に向けて動かせ。念動】")


 うーん、いまいち。

 いやまずレベル1念動魔法が糞遅い。

 こんなの使い物にならない。


s=input("攻撃部位を入れて下さい")

print("【われは内包する、魔法規則。かの者は鏢。念動の命令をレベル1の念動魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものでかの者を"+s+"に向けて動かし刺せ。念動】")


 うん、武器は投げナイフでも良いんだが、スピードが遅いのがネックだ。

 けん制にはなるが、どうもね。


 うん、回転斬りから脱線したな。

 いいアイデアが出ない時はこんなものだ。


 回転斬りとフライングソードは駄目だな。

 殺傷力の高い武器と言えば銃だな。

 レベル1爆発魔法でも弾は飛ばせる。

 だが、銃を作るのは難しい。

 ファンタジーだから、工作機械が揃ってない。


 発想が上手くつながらない。

 今日はスランプか。


 スペッナズナイフとかなら作れるかもな。

 爆発の魔道具じゃなくてもばねで作れるが。


 駄目だ。

 玩具でも作ろう。

 尻尾だ。

 魔道具の念動で尻尾を動かす。


 ランダムに動かしたり、操作して気分を表したりする。

 うん、お洒落かな。

 動く尻尾の玩具、ロマンはあるかな


 ダイブインするまでの時間でプログラムを作ってみた。

 ダイブインして、魔道具を作りマクスダクトに持って行く。


「くははは、いいね。遊び心だ。どうせなら猫耳の魔道具も作れよ」

「そうだね。獣人いないんだよな、このゲーム」

「そういうこと」


 3000セットの魔道具を作った。

 これから動かす猫耳と尻尾を手芸家に作ってもらう。

 流行るといいけど。

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