第49話 硬い敵対策、ローリン

 ローリンのプレイヤースキル向上の敵はアダマンタイトタートル。

 相性抜群だから苦戦しない。

 特に回転後に炎壁を使うようになってからは隙が無い。


 ローリンが試したのは攻撃力アップ付与200倍。

 これで硬い敵を切り刻むと爽快だそうで、嬉々としてアダマンタイトタートルを狩ってた。


「攻撃特化は良いと思う。ひとつのやり方だからな。だが極めるならさらに攻撃力アップだ」

「よっし、【魔法剣、火炎剣】【剣術、回転斬り】」


 剣が炎を纏い、クルクルと回り、炎の円盤になって、アダマンタイトタートルを襲う。

 魔法剣のスキルを伸ばした方が良いから、ちょうど良いかもな。


 ローリンは二刀流、回転斬りも編み出した。

 攻撃力さらに倍。

 ただ片方の剣は、固有武器ではないので、回転斬りをするとみるみる耐久値が減る。

 お財布に優しくない戦法だ。

 ダブル回転斬りは切り札だな。


「壊れない剣をもう一本所望する」

「自分で探せよ」


『宝探しはロマンキャンペーンが始まりました』


 えっ、これはもしかして俺が物探しの魔道具を作ったからか。


『やってやったぜ。運営に宝探しはロマンだと吹き込んだら乗って来た』


 マクスダクトからのメッセージで、きっと得意顔しているんだろなと思う。

 キャンペーンの内容を確認する。

 消えた固有武器や、回収できなかった魔石やドロップアイテム。

 これらが、モンスターの巣穴に溜め込まれたりします。

 頑張ってさがしましょう。

 お宝の名称はNPCがヒントを出してくれることがあります。

 そんなことが書いてある。


「ローリン、硬い敵はもう良いから。剣の固有武器を探すか。元の持ち主は名前を知っているから一歩リードしてるけど、ダイブインしているとは限らない」

「やる。3本ぐらい固有武器の剣が欲しいな。気分によって回転斬りの剣を変えたい」


 さて、情報収集だ。

 掲示板をチェックするとNPCから聞いたという情報がちらほら。

 日常会話とかランダムに色々な所に仕込んであるらしい。

 とりあえず話を聞きまくれということが近道のようだ。


 図書館はほとんど人がいなかった。

 しめしめ、まだ本の有用性に気づいてないな。

 俺の予想では、本に剣とかの名称が載っているはずだ。


「ローリン、それらしき名前をチェックするぞ」

「うい」


 本を流し読みする。

 物語に出てくる武器の名前をチェック。


 『ゼットカリバー』『スカルボルグ』『オリハルティン』などの名前を見つけた。

 その名前で、方位磁針を発動。

 方向が示されたので実在はしているらしい。


 ローリンと二人それを探しに行く。

 途中出て来たモンスターはチート全開で葬り去る。


 モンスターの住処みたいな洞窟を発見。

 ここにゼットカリバーがあるようだ。


 だが、モンスターを留守だった。

 お金が少しと魔石がいくつか、ゼットカリバーを見つけ出した。


「どうだ?」

「うん、固有武器、能力はクリティカル率向上」

「ちなみにローリンの固有武器の能力は?」

「切れ味上昇よ。だいぶ育ったわ+20ぐらいになっている」


 『スカルボルグ』は骨の山の中に埋もれてた。

 プログラムというチートがあれば、見つけ出すのは簡単。

 骨の中から見つけるのは、鑑定のループを使った。

 骨に偽装するなんてやるな。

 場所が分かっても、全部確かめるのは容易ではない。

 『スカルボルグ』の特殊能力は肉を切らして骨を斬る。

 ダメージを受けると攻撃した時に威力が上がる。


 『オリハルティン』は土の中だった。

 土をプログラム魔法で掘り起こす。

 方角が分かっていれば容易い。

 途中、岩盤などがあったが、ループで壊せば問題ない。

 硬いのは根気でなんとかなるものだ。

 その根気はプログラムで補える。

 無事ゲットできた。

 『オリハルティン』の特殊能力は使えば使うほど硬くなるだ。

 硬くなると威力が上がるんだろうな。


 宝探しも悪くない。

 固有武器を持ってないというアイのために、『岩スリンガー』という武器も探す。


 これはスリング(投石器)らしくて、なんと洗濯ヒモの一部になっていた。

 こんなのを見落としたりしない。


「ちょっと、洗濯ヒモを持っていかれたら困るよ。泥棒するなら訴えてやる」

「ごめん、このヒモがどうしても欲しいんだ。蜘蛛糸のロープと交換でどうかな」

「これはけっこういい物だね。分かったよ。交換だ」


 無事、ゲットできた。

 『岩スリンガー』は石を投擲すると威力が上がる。

 微妙だが使い勝手は悪くない。


 方位磁針の魔道具の追加注文が来たので、3000個納入した。

 宝探しはとうぶん流行りそうだ。

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