第48話 スピード対策、ローリン
ローリンのプレイヤースキル向上の相手は、ダッシュウルフだ。
さてお手並み拝見。
「【剣術、回転斬り】。こらっ避けるな」
避けられた。
そして回転斬りの止まったタイミングで噛みつかれる。
「卑怯だ」
まあね、相性の問題という奴か。
ローリンにとってこの敵は相性最悪かも知れん。
ローリンが考え始めた。
そして、ローリンが取った答えは、スピード付与200倍のネックレス。
それを付けて回転斬りでクルクル回りながらダッシュウルフに迫る。
今度は避けられなかった。
「こういう早い回転も良いな。スッキリ」
ローリンがやり終えた感を出して言った。
「ネックレスで回転斬りの特性を変えるのか。まあ、ありな選択だな。硬い敵には攻撃アップの魔道具を使うのだろうな」
「もちろん」
「スピード付与の魔道具は一時禁止な」
「そんな」
「技は多い方がいい。パターンBを考えろ」
ローリンが再び考え始めた。
何やら思いついたようだ。
「【剣術、回転斬り】からの。【われは内包する、魔法規則。炎壁生成の命令をレベル10の火魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしもので防御せよ。炎壁】」
回転斬りが終わる前に炎壁の魔法か。
悪くないチョイスだ。
そして、硬直が解けたローリンが再び回転斬りを始める。
「あれっ、千日手」
だよな、隙の時に噛みつかれないけど、こっちの攻撃も当たらない。
むーんと腕を組んでローリンが考える。
「【剣術、回転斬り】最中の。【われは内包する、魔法規則。火炎放射の命令をレベル10の火魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしもので放射せよ。火炎放射】」
ほんとに攻撃力特化だな。
ローリンは炎を吹き出しくるくると回る。
火炎放射の分、射程が伸びた。
ダッシュウルフは炎に飲み込まれた。
ダメージを受けて足が止まった所に回転斬りの刃が直撃。
うん、悪くはないんだが。
なんでこうも攻撃特化なのかな。
ダッシュウルフはもはやローリンの敵ではないようだ。
火魔法のスキルレベルも徐々に上がる。
「じゃあ、火魔法のスキルレベルを30まで上げるか」
「火炎竜巻、ばしばし行くよ」
葉っぱ竜巻に続いて火炎竜巻か。
安直なネーミングだな。
まあ俺の技じゃないから別にいいけど。
ボスマラソンに逆戻り、ローリンの火魔法のスキルレベルを鍛えた。
ボスとの対戦でローリンの火魔法のスキルレベルは瞬く間に上がった。
さて、とりあえずはもういいかな。
休憩のダイブアウトを取ろう。
付与200倍のネックレスは売れた。
次に開発するのは何が良いだろう。
そう言えば、ローリンは回転してるのによく目標を見失わないな。
俺なんかたまにゲーム内で迷うぞ。
地磁気がないせいか、北がどっちか分からなくなる。
これって魔道具に出来ないか。
方位磁針の魔道具、ビーコンでも良い。
ええと。
【われは内包する、魔法規則。針投影の命令をレベル1の幻影魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを北に向けて表示しろ。方位磁針】とこんな具合だな。
便利にするには。
s=input("目的地を入れて下さい")
print("【われは内包する、魔法規則。針投影の命令をレベル1の幻影魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを"+s+"に向けて表示しろ。方位磁針】")
まあ、マップがあるから、別にこんな魔道具は要らないかも知れないが、人を探すとかに便利。
いや、ストーカーとかPKとか悪質なのが使うとちょっと。
防御方法がないってのが問題だな。
マーカーはブロックできるんだよね。
俺もフレンド以外は位置を分からなくしてる。
これはお蔵入りかな。
もっとも幻影魔法使いなら、だれでもできる小技だけど。
こんなの俺が対処する問題ではない。
運営に、方位磁針の魔道具作ったけど、ブロックする機能がほしいとメールを送った。
ダイブインが出来る時間になったら、返事があった。
既にブロック出来る仕様になってますとのこと。
マーカーのブロック機能で出来るらしい。
なんだ。
それじゃこの魔道具を売りにだしてもいいな。
ダイブインして、マクスダクトに持って行くと。
「物探しなんかに良いな。これは良い魔道具だ。地味だが」
そう感想を貰った。
「派手なのより便利な物だよ」
「まあそうだな。方位磁針の宝探しをブームにしたいな。落ちいてる魔石とかアイテムも拾えるよな」
「消える前ならね」
「だが、宝探しはロマンだ」
ロマンでも何でも売れてくれたら良い。
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