第47話 パワーレベリング、ローリン

 ローリンのパワーレベリング。

 まずはエルダートレントからだ。


 落とし穴と石糸による拘束をする。


 ローリンが早速回転斬り。

 拘束してた石糸をぶった切った。


「敵を自由にしてどうすんの」

「あれは邪魔」


 ええと石糸が邪魔となると、逆転の発想で、敵を弱くするんじゃなくて、味方を強くする。

 付与魔法だな。

 無限付与。

 だけど付与は1種類のひとつまで、重複はできない。


while 1: # 無限ループ

  print("【われは内包する、魔法規則。かの者は目の前にいる者。もし付与魔法が掛かって無ければ、攻撃力付与の命令をレベル1の付与魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。かの者を魔法情報にありしもので付与せよ。攻撃力付与】")

  for i in range(0,100,1): # 100回ループ

    print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。魔力吸収の命令をレベル1の吸魔魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にかの者の名前を渡せ。極小吸魔】")


 こんなので良いが。

 レベル1の付与魔法じゃ高が知れてる。

 さて、どうする。

 付与魔法がひとつしか駄目なのは本体だ。

 服防具、武器、鎧、全てにレベル1の付与魔法が掛かる。

 プログラムならめんどくさくない。

 コピペして少し直せば済む。

 となると装備枠ギリギリまで装備するのが吉だな。

 アクセサリーなんかは、何個も付けられる。

 その分、重量がかさんで遅くなるが。

 でもこれは付与で打ち消せる。

 付与とどっちが得かというだけだ。


 ローリンがアクセサリーをジャラジャラと付ける。

 付与レベル1の256倍発動。


「いいよ。だいぶ体が軽くて、攻撃力も上がっているみたい。【剣術、回転斬り】」


 ローリンの回転斬りがエルダートレントに炸裂。

 エルダートレントはみるみるHPを減らした。


 この調子だな。

 ローリンのエルダートレントによるボスマラソンはサクサク進んだ。

 攻撃特化だから、相性の良い敵には討伐が早い。


 さて、次だ。

 ギガゴーレムも硬いだけで、攻撃特化だからサクサク進む。

 付与256倍が常に掛かっているからな。

 こんなもんだろ。


 次のレッサードラゴンは空を飛ばれたので重力で落とした。

 地上に落とせば、回転斬りの出番だ。

 重力魔法が掛かっているので、回転斬りするローリンも動きが鈍っているはずなんだがなぁ。

 いつもと変わらない回転斬りがレッサードラゴンを切り刻む。


「くひひひ、これよこれ。ドロドロした大気を切り裂くこの感覚。じつに良いわぁ」


 どうやら重力魔法も切り裂いていて、影響を受けないらしい。

 物理法則無視だな。

 ゲームではありがちだが。


 ローリンが馬鹿の一つ覚えの回転斬りでサクサクとレッサードラゴンを葬っていく。

 ボスマラソンで瞬く間にレベルが上がらなくなった。


 次はサンダーグリフォンだな。

 電撃を常に纏っているから、近接攻撃するとダメージになるはずだ。

 ローリンはどうするんだろう。


 重力魔法発動。

 ローリンは葉っぱ竜巻を発動。

 葉っぱは重力魔法で全て地に落ちた。


「小技は駄目か。なら【剣術、回転斬り】。ピリッと辛い。だがそれも一興」


 電撃によるダメージを無視して切り裂いている。


「ぷはぁ、回転斬りの後のポーションが美味い」


 回転斬りを終えた後にオレンジ味のポーションを飲むローリン。

 そしてまた回転斬りに戻って行った。

 ローリンのストレージにはポーションがたくさんあるに違いない。

 前みたいに死なない所が成長かな。


 これで、パワーレベリングは終り。

 キャラレベルはまずまず上がった。

 ローリンは力技が決まらなくなったら、どうするんだろうな。


 葉っぱ竜巻以外の技を増やすのかな。

 どんな奇天烈技が飛び出すか、ちょっと見てみたい。


 ええと、ダイブアウトして、魔道具のアイデアを考える。

 付与200倍セットはどうかな。

 アクセサリー200個に付与魔法を掛ける魔道具のセット。


 アクセサリーもセットなら、プログラムが簡単だ。

 アイテムの名称が分かっているから指定が容易い。


 ダイブインして、マクスダクトに真っ先に持って行った。


「付与200倍セットか。かなり良いかもな。地味だけど」

「ただ、アクセサリーが問題なんだよ。腕輪でも200個はきつい」

「何だそんなことか。ビーズをひとつのアクセサリーとして、糸を通してネックレスにすれば良い。普通は合成スキルで一個のアイテムにしちまうけどな。システムを逆手に取ったやり方だ。付与魔法が無ければ装備の枠が埋まるだけのしょーもない技だけどな」


 装備枠200個分のネックレスか。

 200の付与の掛ける種類の割り振りで色々なバージョンが作れるな。

 何パターンか作って納品してみよう。

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