第46話 魔法戦対策、向日葵

 プレイヤースキル勉強の第3弾。

 今回は、魔法の撃ち合い。

 魔法使いモンスターだ。


 ゴブリンメイジをターゲットにした。

 相手は紙装甲の体力があまりない。

 よわよわだが、これを被弾なしのノーダメージでくぐり抜ける。

 10ゴブリンと組手して、完封すれば合格。

 被弾すると最初からやり直し。


 もちろん魔法の撃ち合いでなくて、近接戦闘で仕留めても良い。

 さて、向日葵はどうするかな。

 ゴブリンメイジは炎壁の魔法を使った。

 この炎壁、水魔法だと突破が難しい。

 ここで相性の良いのは土。

 石弾などは軽々と突破できる。


 火と風は相手の炎壁を強化してしまう。

 ゴブリンメイジは石弾の魔法を使い始めた。

 焼けた石が飛んで来る。


 単純な攻撃だが厄介だ。

 だが、炎壁は近接戦闘でかき消しても良い。


 まあ、水魔法でも手がないわけじゃないけど。

 向日葵がレベル30の水槍すいそうを撃つ。

 レベル差によるごり押し。

 こういうのもありだ。


 水槍すいそうによって炎壁は消えた。

 完全に蒸発してない水槍すいそうはゴブリンメイジに向かって飛んで行く。

 だが勢いがない。

 余裕で避けられた。


「ちっ」


 向日葵が再び水槍すいそうを撃つ。

 ゴブリンメイジは石壁を出した。

 第二パターンに入ったな。


 こうなると、石壁を近接戦闘で壊すのも手だ。

 しかし、石壁には狙撃用の穴が開いている。

 ゴブリンメイジはここから色々な魔法を飛ばして来る。

 穴の位置はコロコロと変わるため、こちらから打ち返すのも容易ではない。


「【調薬、麻痺毒ガス】」


 うん、穴が開いているから毒は侵入する。

 穴の位置が固定された。

 ゴブリンメイジが麻痺ったようだ。


 ここぞとばかりに向日葵が水槍すいそうの魔法を穴から送り込む。

 そして、光が登ったのが見えた。

 ゴブリンメイジが死んだらしい。

 時間差で石壁の魔法も解除される。


「麻痺は良かったな」

「うん」

「俺が考えるに石壁は飛び越えても良いと思うぞ」

「麻痺させないで飛び込むと狙い撃ちされるよ」

「そこはフェイントを使うとかどうだ」

「いいかも」


 新しいのゴブリンメイジと対峙。

 炎壁を消して、第二パターンに入った。

 向日葵が石壁に手を掛ける。

 飛び越えるふりして、元の位置に戻った。

 空中をゴブリンメイジの魔法が通過していく。

 もう一度手を掛けて今度は本当に飛び越える。

 壁の向こうでは虐殺が行われたのだろう。

 瞬く間に死んだみたいだ。

 魔法使いとの魔法の打ち合いにはなってないが、こういう倒し方もありだ。


「壁を壊したり消したりする魔法の速度をゆっくりにするんだ。そして後追いでスピードの速い魔法を撃つ。連撃だな」

「なるほどね。そういう攻略もありかも」

「いろいろと試してみると良い」


 連撃で壁が通用しないとゴブリンメイジが悟ると第三のパターンに入った。

 魔法乱射だ。

 攻略掲示板では、こうなったら避けて魔力切れを狙うのが良いとされている。


 向日葵は撃ち合いを望んだようだ。

 百裂水弾を撃つ。

 手数では勝っている。

 だがそれだと。


「きゃっ」


 ほら被弾した。

 避けるスキルを磨くか、魔法で盾でも出して防ぎながら攻撃とか、とにかく工夫しないと。


「くーっ、悔しい。もう一回」

「納得いくまで何度でもやったらいい」


 向日葵は色々な魔法を試し始めた。

 お気に入りになったのは、手に水のグローブを嵌めて、相手の魔法攻撃を弾く。


 杖に水を纏わせてメイスみたいにするのも試したが、こちらは大振りになるので、気に入らなかったようだ。

 とにかくゴブリンメイジとの対戦で、向日葵は確実に強くなった。


「エロ幻影フィギュアはそこそこだな」


 マクスダクトが手にした魔道具を起動して感想を述べる。


「うん、好きな人は嵌るだろうけどね」

「でも発想は悪くない。薄利多売よりいいかもな」

「囮のも作ったけど」



「そっちは使い捨てだな」

「まあね。次は何を開発しようかな」

「お前の生産能力が底なしで俺は嬉しいよ。かなりお金が貯まっただろう」

「うん、リアルマネーに換金すると1万円ぐらいかな。商品のレパートリーが増えて、段々と儲かる額が増えているから」

「この分だと、月に4万円ぐらいまでは楽勝だな」


 俺も徐々に進んではいるらしい。

 目指せ月額2万、そして5万、そして10万、そして20万、そして50万、そして100万。

 夢は大きくだ。

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