第45話 硬い敵対策、向日葵

 プレイヤースキル、強化の次の相手は硬い敵。

 防御力がある奴だ。

 アダマンタイトタートル。

 黒光りしていかにも硬そうな亀のモンスター。

 ブレスももっているので強敵だ。


 さて、向日葵が魔法で一当て。


 水槍すいそうの魔法が炸裂。

 ダメージは1ドットと言った所か。

 お返しにアダマンタイトタートルから火の玉のブレスが飛んできた。

 余裕で避ける。

 近接職なら接近戦で削る所なんだけどな。

 向日葵のお手並み拝見。


「行くよー。とりゃ」


 向日葵は勢いよく駆けて行きジャンプ。


「【杖術、螺旋突き】」


 体重を乗せてえぐり込むように杖で突きを放った。

 火花が飛び散る。

 固有武器には耐久値が無限なので、こういう時は助かる。


 アダマンタイトタートルは着地する瞬間の向日葵を狙った。


「きゃあ」


 向日葵が噛みつかれ放り投げられた。

 うん、大技の後の隙が問題だな。

 システムで設定されている硬直時間は仕方ないが、動けるようになったら、次の技に繋ぐか、回避したい。


「てへへ」


 向日葵が失敗しちゃったと言わんばかりに苦笑した。

 俺が向日葵ならどうするか。

 硬い敵ならハメ技だな。

 反撃の隙も与えずに完封。

 そんな攻撃を作りたい。


「向日葵、ジャンプの後に技を出したよな。その硬直時間は魔法は詠唱出来るよな。魔法に技を繋げ」

「うん、やってみる。行くよー」


 ジャンプして螺旋突き、水槍すいそうの詠唱に繋ぎ攻撃、そしてジャンプして螺旋突き。

 ハメ技のループが完成。

 アダマンタイトタートルはなすすべなく死んで光になった。


「あとで色々なパターンを試すと良いかもな」

「うん、そうする」


石弾せきだんを一定時間置きに発射する訓練用の魔道具を作った。これも使って訓練すると良い」


 アダマンタイトタートルとの戦いで、向日葵は硬い敵との戦い方を勉強した。

 まあ、鈍くて硬いだけの敵はそんなに難しくない。

 ヒットアンドアウェイで余裕だ。


 さて、ダイブアウトの時間が近い。

 トレーニング用の石弾魔道具をマクスダクトに納入してから、ダイブアウトするか。


「どう、このトレーニング魔道具は?」

「いいね。仮想敵のアンドロイドみたいな奴とか出来たら最高だけど、そこまで無茶は言わない」

「魔法レベルが上げられればゴーレムとかの魔法をプログラム制御して可能だけどな」

「なら簡単だ。合成しちまえば良い。お前がゴーレムへの命令を出すだけの魔道具を作る。ゴーレムを作る奴は命令を受け取ってそれを実行する」


 命令を出すだけで良いのか。

 それなら楽勝だな。

 ランダムとかコンボとか、色々なパターンが作れる。


import random

import time


respawn=int(input("何秒間隔ですか?"))

setcount=int(input("何セットですか?"))

time.sleep(10)


for j in range(0,setcount,1): # ループ

  time.sleep(respawn)

  i=random.randint(1,2)

  if i==1:

    s="パンチ"

  if i==2:

    s="キック"

  print("【われは内包する、魔法規則。"+s+"の命令をゴーレムに受け渡せ。命令】")


 キックとパンチだけだとこんな感じだが、複雑なパターンを組み込むのはそれほど難しくない。

 マクスダクトの知り合いにゴーレム使いがいるそうで、その人に魔道具を渡すことになった。


「他にはないかな?」

「そうだな。囮だ。モンスターに対する疑似餌みたいな奴。幻影魔法で囮を作れ」

「囮かぁ売れるのかな。すぐに真似されそうだ。でも考えてみる」


 ダイブアウトして、まずはゴーレムの攻撃パターンを作る。

 こっちは敵の動きを真似すればいい。

 攻略動画に敵の動きのパターンが載っている。

 そんなに何パターンもないので簡単だ。


 狼系とか、人型とか、姿が似ている物のパターンをごっちゃにする。

 面白いかは分からないが、色々な攻撃が楽しめるだろう。


 さて、囮か。

 プレイヤーの姿を出すだけなら簡単だ。

 だが、こんなの真似られて終わりだろう。


 レベル1の幻影魔法はアニメーションが出来ない。

 真似されてもっと良い物が出るに違いない。

 てか、そういうのあるよね。

 検索掛けるともう既にある。

 俺が作るとしたら、一番性能の悪い安価なバーションだ。

 たしかにプログラムで魔道具を作れば1000個も一瞬だ。


 だが、薄利多売で良いのか。

 作り手としては独自な路線を狙わないと、でないとプロゲーマーとは言えない。

 じゃなんだ。

 エロだろ。

 エロフィギュアだ。


 検索を掛けたら、幻影魔法でそういうのは既にある。

 うん、だよね。

 考えることは一緒。


 そういう幻影魔法の18禁の線引きは水着姿か下着姿まで。

 エロいのは垢バンされたりもするらしい。


 健全な普通の水着か下着か。

 アニメーションには勝てない。

 が、俺の強みはプログラム。

 花でやったが毎回違う姿というのは出来る。

 表情も毎回変えられる。


 後は造形のイメージで勝負。

 だが100種類も入れるとなれば、当たりハズレが多少あっても良い。

 そんな感じで作成方針は決まった。

 もちろん、服も、制服とかパジャマとか着ぐるみとかいろいろと用意した。

 魔法の呪文に幻影魔法に受け渡す単語を入力すれば良いだけなので簡単だ。

 あとはAIが勝手に作ってくれる。

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