第44話 スピード対策、向日葵

 さて、促成栽培の弱点克服だ。

 まずはスピードの速い敵から。

 ダッシュウルフというモンスターを倒すことにした。


「【われは内包する、魔法規則。水槍生成の命令をレベル30の水魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを飛ばせ。水槍投擲】」


 ダッシュウルフはステップを踏みながら走り、向日葵の魔法を避ける。

 そして向日葵に噛みついた。


 俺は向日葵に回復魔法を掛けた。

 無限に回復できるから何度でも挑戦できる。


「失敗、今度こそ。【われは内包する、魔法規則。水槍生成の命令をレベル30の水魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを飛ばせ。水槍投擲】。ちっ、ならば【杖術、五月雨】」


 向日葵の杖での連続の突きがダッシュウルフを捉えた。


「ギャン」

「そこだ」

「【杖術、皇打】」

「ギャン」

「止めよ。【杖術、崩月】」


 杖が弧を描いて、ダッシュウルフの首を刈る。

 ダッシュウルフは光になって散った。


「よし、次はダッシュウルフの2匹同時だ」

「頑張る」


 2匹のダッシュウルフは組紐を編むみたいに駆ける。


「【調薬、弱毒】」

「「キャイン」」


 ダッシュウルフは飛び退いた。

 ダッシュウルフが毒状態になる。


「失敗、今度こそ。【われは内包する、魔法規則。水槍生成の命令をレベル30の水魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを飛ばせ。水槍投擲】」

「キャイン……」


「まずは1匹。駆けながらの【杖術、五月雨】」


 連続の突きを放ちながら、向日葵が前進する。

 ダッシュウルフは、横に避けた。


「【杖術、崩月】」


 杖の軌道が弧に変わる。

 ダッシュウルフは突進してきた。


「【杖術、満月】」


 杖をクルクルと回し盾にする。

 実際にはあり得ない技だな。

 クルクル回しても盾にはならない。

 まあ、ゲームだからな。


「ギャ」


 ダッシュウルフがクルクル回る杖に激突した。


「【杖術、皇打】」


 上段に大きく振りかぶり、一撃を放つ。

 ダッシュウルフはそれをもろに受けた。


「ギャン……」


 ダッシュウルフは光になって消えて行く。


「初手の毒は良かった。あれで相手はひるんだからな。だけど人間は毒対策はしてる。解毒のポーションは誰も持っている」

「そうなのよね。調薬で劇毒とか作ってもなしにされてしまう。何かないかしら」

「めったに掛からない状態異常はどうだ。くしゃみとかそんなの」

「【調薬、スパイス】。こんな感じかな。スパイスの調薬って攻撃にも使えるのね」

「くしゃみ対応のポーションはさすがに誰も持ってないよな」

「初見殺しね」

「だな。二度目からは吸い込まないだろう」

「できた隙に大技が良いわね」

「それが決まれば理想だな」


 向日葵は何度もダッシュウルフとやり、早い敵に対処できるようになった。

 さて、またダイブアウトの時間だ。

 その前に花の魔道具をマクスダクトに納入しないと。


「ランダムで花が現れるか。良いんじゃないか。飽きが来ない。インテリアとしても使える」

「そろそろ、ダイブアウトなんだけど。何か魔道具のアイデアはない?」

「ここはゲームだから、強くなりたいってのは誰にでもある」

「うんうん、筋トレの道具みたいなのか」

「そうだな。ピッチングマシーンみたいなのとか。とにかくそういうの」


 なるほど。

 ダイブアウトして考える。

 要はプレイヤースキルを磨きたいってわけだ。

 的とかがランダムにというような奴だな。

 両腕、両足、腹、頭のどれかをランダムで狙う。

 石弾でいいな。

 そして、それを武器で迎撃したり躱したりする。


 良いかも。


import random

import time


respawn=int(input("何秒間隔ですか?"))

setcount=int(input("何セットですか?"))

sleep

time.sleep(10)


for j in range(0,setcount,1): # ループ

  time.sleep(respawn)

  i=random.randint(1,6)

  if i==1:

    s="右腕"

  if i==2:

    s="左腕"

  if i==3:

    s="右足"

  if i==4:

    s="左足"

  if i==5:

    s="腹"

  if i==6:

    s="頭"

  print("【われは内包する、魔法規則。かの者は、"+s+"。石弾生成の命令をレベル1の土魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものをかの者に飛ばせ。石弾】")


 こんなプログラムになった。

 何セットで何秒おきとか指定できるようにした。

 反射神経を鍛えるのにはいいかもな。

 石弾のスピードを上げるのも出来るな。

 風魔法か念動で加速すれば良い。

 売れたら改良してみるか。

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