第42話 重力魔法

 次のボスのサンダーグリフォンには落とし穴&拘束電撃ループが効かない。

 グリフォンの弱点はずばり重さだ。

 飛ぶために軽いという設定。

 力もそんなにない。

 だから、重力魔法だ。



while 1: # 無限ループ

  print("【われは内包する、魔法規則。重力生成の命令をレベル1の重力魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしもので加重せよ。重力】")


  for i in range(0,100,1): # 100回ループ

    print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。魔力吸収の命令をレベル1の吸魔魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にかの者の名前を渡せ。極小吸魔】")


 重力魔法はNPCに魔導書を買った。

 加重と重さ軽減が載ってた。


 よし、サンダーグリフォンだ。


「【Pythonパイソン 無限重力.py】」


「クエエー」


 サンダーグリフォンが重力に捕まってバタバタもがく。

 近接戦闘はサンダーグリフォンが纏ってる電撃でダメージになるから遠距離だな。


「【われは内包する、魔法規則。水槍生成の命令をレベル30の水魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを飛ばせ。水槍投擲】」


 向日葵の水槍すいそうが手前の地面に落ちた。

 重力魔法のせいだ。

 どうしたものか。

 斜め上を狙うのも手だが。


 水槍すいそうを真上から落下させるとかだと重力で大ダメージだ。

 角度調整が肝だな。


「【われは内包する、魔法規則。水槍生成の命令をレベル30の水魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを飛ばせ。水槍投擲】」


 かなり上を狙って向日葵が水槍すいそうを撃つ。

 水槍すいそうは上空まで到達して、やがて落下。

 重力魔法も加わって物凄いスピードで落下した。


「グェェェ……」


 一撃でサンダーグリフォンが死んだ。

 高所からの一撃ってのはロマン攻撃だな。

 某、昔のRPGを思いだす。


 サンダーグリフォンをやるともう近場のボスはいない。

 これより先は攻略組を追い越して先に進まないと。


 向日葵が、レベル100を超えた。

 このぐらいあれば現在の上のレベルだ。

 トップレベルには敵わないが、レベル上げジャンキーみたいな奴は今回のクラン戦の敵にはいない。


 さて、フォスの街まで足を延ばすか。

 フォスの街の入口でポータル登録して、休憩となった。

 ダイブアウトする。


 さて、魔道具開発だ。

 ちょっとエッチっぽいのが良いんだな。

 だが18禁規制があるのでモロは駄目だ。

 くすぐり?

 うーん、服の上からだと魔法が掛からない。

 糸みたいな細い物を服の間に忍び込ませる。


 そんな器用な魔法が作れるかぁ。

 うん、それにそれはだいぶアウトな気がする。

 下着の中にも入っちゃうし。


 そう考えると亀甲縛りはけっこう規制ギリギリだな。

 PK集団が作っているから垢バンも怖くないのかな。


 エッチなのよりもっと良い物がある。

 思いを伝える手紙みたいな物だ。

 これなら、男女両方使える。

 さて、メールは味気ないな。

 ハートを射抜くみたいな幻影が良いかな。

 好きな人がこっちを向いた時にその人から矢が飛んで、ズキューンと胸のハートを射抜く。

 ハートを射抜かれましたよアピールをする魔道具だ。



print("【われは内包する、魔法規則。かの者は、好きなあなた。幻影矢生成の命令をレベル1の幻影魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものをかの者の目の前で生成せよ。幻影】")

print("【われは内包する、魔法規則。魔法情報にありしものを自分に向かって飛ばせ。幻影】")

print("【われは内包する、魔法規則。魔法情報にありしものが自分に到達したら、ズギューンの音声生成をレベル1発声魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありし物を発声せよ。発声】")


 うん、こんな魔法の魔道具だ。

 その名も『ズギューン』。


「マクスダクト、どう?」

「ターゲットを広く取ったのは別に良い。問題は告白なんてそう頻繁にしないだろう」

「おお」


 俺はポンと手を打った。


「好きな相手を嬉しくさせるような魔道具を作れ。それなら何回使っても良い」

「ほう、褒めるみたいな奴ね」

「そうだ」


 うん、考えつかない。

 君は素敵だとか、可愛い人だねとか、メッセージで伝えても、嘘くさい。

 映像で見せるのはアイデアがない。

 何か考えよう。

 また何か思いつくさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る