第39話 パワーレべリング

 ひとりずつパワーレべリングしていく、まずは向日葵からだ。


「落とし穴&拘束の魔法は用意した」

「やってみる」


「じゃあ、エルダートレントからだ」

「任せなさい」

「【Pythonパイソン 落とし穴&拘束.py】」


「【われは内包する、魔法規則。水槍生成の命令をレベル30の水魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを飛ばせ。水槍投擲】」


 向日葵が拘束されたエルダートレントに水魔法で攻撃する。

 エルダートレントは水魔法は弱点属性ではない。

 ダメージが少ないな。


「【杖術、螺旋突き】」


 向日葵が接近戦に切り換えた。

 うん、杖術の方がダメージが大きい。


「【杖術、五月雨】【杖術、朔月】【杖術、皇打】」


 相手が動かないので隙の多い技もバンバン打てる。

 エルダートレントが討伐されて、ドロップアイテムを残し光になった。


 この調子でいくか。

 中ボスマラソンをする。


 向日葵のキャラレベルは順調に上がる。


「ちょっと休もう。向日葵の固有武器の付属能力はなんだ」

「魔力回復よ。魔力の回復が早くなるの」

「地味だが良い能力だ。となると魔法中心の方が良いのか。でも水魔法対策されたら手も足も出なくなる」

「ええ、そこは悩むところね」


 中ボスマラソンはかなりやるつもりだから、使い捨てなら攻撃用の魔道具はたくさん作れる。

 それだと、キャラの力で勝ったんじゃないよな。

 相手がさらに難癖をつけてくることも考えられる。


 向日葵のスキル構成はこうなっている。

 水魔法 レベル30。

 杖術 レベル18。

 調薬 レベル12。


 搦め手なら、調薬だな。

 とりあえず、杖術のレベルを30にしよう。

 それから、調薬を考える。


 中ボスマラソンを再開する。

 杖術のレベルは瞬く間に30になった。


「さて、調薬だ。エルダートレントには効くかな」

「除草剤ってのがあるわよ」

「じゃあそれでエルダートレントを殺そう」


「【調薬、除草剤】」


 材料の毒草が除草剤になった。

 効果は抜群だ。

 エルダートレントの体力が減りまくる。

 それも毒状態になって継続的にだ。

 ただ、材料の毒草を採って来ないといけない。

 それは俺の役目だ。


 除草剤は簡単な薬に該当するようで、スキルレベルの上がり方が頭打ちになった。

 向日葵が強力な除草剤を調薬しないといけないようだ。

 それには材料がいる。

 俺は毒草のファイルを覗いた。


<!DOCTYPE html>

<html lang="ja">

<head>

<meta charset="utf-8">

<title>ポイゾナ草</title>

</head>

<body>

<param name="値段" value="8">

<param name="品質" value="E">

<param name="状態" value="虫食い">

</body>

</html>


 こんな感じになっている。

 注目したのは品質ここをSとかにすれば、もっと良い物ができるんじゃないかな。


 プログラムを使えば簡単に変更できる。

 やってみた。

 Sランクの毒草からは、Aランクの除草剤が出来た。

 再び、向日葵の調薬スキルが上がり始めた。

 そして、運営に対策された。

 毒草が『.exe』になったのだ。

 運営の対応は早いな。


 仕方ないので抜け道を探す。

 毒草からは毒草ジュースなる物が作れるらしい。

 これを作ってから、除草剤にするレシピもあるとのこと。

 毒草ジュースなら『.bin』だ。

 自由に合成できる。

 毒草ジュースのデータを連結させて、劇毒草ジュースを作る。

 それで除草剤を作ったら、向日葵の調薬スキルが上がり始めた。

 手間だが仕方ない。


「私、残った10レベルのスキルは合成を取ろうかな」

「調薬の補助として良いんじゃないか」


 そして、調薬スキルもカンストした。

 キャラレベルも上がらなくなってきた。

 より強い敵が必要だ。


 それに、促成栽培は弱い。

 プレイヤースキルが育ってないからだ。

 小技とかも戦いの中で生まれたりするものだ。

 それをこれから補わないといけない。

 どれぐらいできるかは、分からないが、出来るだけのことはする。


 とりあえず別のボスでボスマラソンだ。

 これでキャラレベルを上げられるだけ上げる。

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