第38話 拘束魔法
あれとは拘束魔法。
パワーレベリングにはどうしても必要だ。
「土魔法を教えてくれ」
俺はNPCの魔法使いに弟子入りを申し込んだ。
「ふむ、お主は全属性魔法ではないか。それでは教えられん」
「どうしてもお願いだ」
「無理なものは無理だ」
「石の拘束魔法を覚えたいんだよ」
「なんだそんなことか。魔導書を売ってやる。金貨1枚だ」
そんな便利な物があるなら早く言えよ。
ぽちぽちっと検索。
ええと、魔導書はレベル1から使える奴が3種で弟子入りするともっと安く済むと掲示板にある。
弟子入りが出来ない俺はこれしかないようだ。
金貨1枚は高いが止むを得ん。
「売ってくれ」
「ほらよ」
『土の魔導書初級を手に入れました』
ええと、魔導書にあるのは石弾、
掲示板によれば、
世知辛いな。
俺はレベル10は唱えられないんだよ。
ええと、その上に
一時的に全属性の魔法レベルがマックスになるようなアイテムが手に入らないかな。
運営に要望を送ってみるか。
課金アイテムでも良いが、欲しいよな。
できないことを嘆いても仕方ない。
魔法を作るぞ。
for i in range(0,100,1): # 100回ループ
print("【われは内包する、魔法規則。穴掘りの命令をレベル1の土魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしもので穴を掘れ。落とし穴】")
for j in range(0,100,1): # 100回ループ
print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。魔力吸収の命令をレベル1の吸魔魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にかの者の名前を渡せ。極小吸魔】")
while 1: # 無限ループ
print("【われは内包する、魔法規則。石糸生成の命令をレベル1の土魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしもので拘束せよ。石糸拘束】")
for j in range(0,100,1): # 100回ループ
print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。魔力吸収の命令をレベル1の吸魔魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にかの者の名前を渡せ。極小吸魔】")
穴に落としてから、がんじがらめに縛る。
結構、鬼畜な魔法だ。
さて、実戦で試してみないとな。
選んだのは中ボスのエルダートレント。
こいつを拘束できれば、レベル上げは容易い。
「【
「ガァァァ」
エルダートレントが脱出しようともがく。
だけど落とし穴が小さかった。
根っこが一本落ちただけ。
うん、そんなこともあるさ。
とりあえず、魔法を無限投擲に切り換えて、エルダートレントをサクっと片付けた。
ええと、魔法の最初の部分をこうかな。
max=int(input("落とし穴の大きさ"))
for i in range(0,max,1): # maxの分だけループ
これで落とし穴の大きさを調整できる。
さて、どうかな。
「【
今度はちょうどよかった。
うん、これなら動ぎも攻撃も何もできないな。
これの魔道具が出来ないのが残念だ。
ループ回数が多いから、かなり大きい魔石を使わないとだめだ。
エルダートレントの魔石なら大丈夫かな。
でも使い捨てだとコスパが悪い。
切り札としてなら良いかも知れないが。
一応パーティメンバーの分は作ろう。
エルダートレントの魔石で作った
マクスダクトに意見を聞いてみよう。
「あー、結論をいうと拘束力はお前の方が高い。だが
「そう、じゃ需要はないか?」
「いやあるぞ。土魔法を極めた魔道具職人は少ない。だから売れると思うぜ」
落とし穴&
だが、
PK軍団に緊縛師なる集団が生まれた。
拘束の魔道具で女性プレイヤーを亀甲縛りするらしい。
その亀甲縛りの魔道具は爆発的に売れた。
縛り方は色々な亜種がある。
誰が作っているんだろうな。
そんな変態チックなのは俺には作れない。
こういうところでプライドを捨てられないから儲からないのか。
マクスダクトも耳ふぅで懲りているので、亀甲縛りを作れとは言ってこない。
そうだよな。
自分が復讐で縛られたらいやだものな。
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