第20話 修正
ジェノサイドのSNSを見ると、反射魔法の使い手や、耐性スキル持ちを募集している。
あっちは物量で来るのか。
たぶん、募集で来た人間を盾として並べるのだろうな。
囲まれても無限火球を四方八方に撃てば大丈夫。
魔道具なら複数同時起動もいける。
隙はないはず。
『ただいまから修正が行われます。魔道具のループ関連の耐久性は、
何だって!
名前隠蔽の魔道具が光になって消えた。
くそう、これじゃホームから出られん。
名前隠蔽の魔道具がないとどうにもならん。
『向日葵、助けて。名前隠蔽の魔道具が役に立たなくなった』
向日葵にメッセージを送った。
『スキルでの起動は耐久性は関係ないのよね?』
『まあな。そこまで規制されたらもうどうにもならん』
『じゃあ、図書館にこもれば。あそこなら色々な方法が載っているから。何か打開策があるかもよ』
『サンキュ』
図書館か。
いったことがないな。
「【
よし、図書館に行こう。
図書館は、塔だった。
うん、調べるのにかなり階段を昇り降りする必要があるな。
VRは筋肉痛にならなくて良かった。
ええと、何について調べよう。
魔法の基礎の本を読む。
ええと、魔法は柔軟である。
かなり複雑なことができると書いてある。
たとえば、火球の魔法の飛ばすという部分。
【魔法情報にありしものを飛ばせ】となっている。
だが、【魔法情報にありしものをスライム1に飛ばせ】とすると、特定した敵に対して飛んで行く。
ふむ、なるほど。
かなり自由度があるんだな。
おや、付与魔法の記述があるぞ。
【攻撃力付与の命令をレベル1の付与魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ】と普通はする。
【もし付与魔法が掛かって無ければ、攻撃力付与の命令をレベル1の付与魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ】とすると既に魔法が掛かっている時に節約できる。
色々な場面で使えるから覚えておくと良い。
えっと、これって名前隠蔽にも使えるかな。
よし組んでみるか。
while 1 : # 無限ループ
print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。もし隠蔽魔法が掛かってなければ、名前隠蔽の命令をレベル1の隠蔽魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。かの者を魔法情報にありしもので隠蔽せよ。名前隠蔽】")
魔道具にしてみた。
一瞬で光になって消えることはない。
スライムの魔石だと、起動するのと、鑑定されるのを合計1000回ぐらいで壊れるのだろう。
このことから分かるのは、魔力の出し入れが1000回でスライムの魔石は壊れるということ。
魔力を使わないスキルや魔法なら無限に繰り返しても問題ないと思われる。
とにかく名前隠蔽の魔道具が復活してよかった。
だが、無限火球が1方向にしか撃てないという問題が残る。
PKやモンスターに囲まれたら死ねるな。
だぁ、最悪を考えてうじうじしてもどうにもならん。
楽観も出来ないが、悲観も良くない。
VRの中で美味い物でも食うか。
食い物が立ち並ぶ露店を行く。
この際だから一種類ずつ買おうか。
ストレージに入れとけば腐らない。
もっとも賞味期限を過ぎると耐久値がゼロになって光となって消えるだけだけど。
今日の飯は焼肉サンド。
甘辛いタレがパンに染み込んで美味い。
焼肉サンドを頬張りながら、露店から一個ずつ料理を買う。
一個くれというのの繰り返しで疲れた。
自動買い物とかあったら便利なのに。
あれっ、何か引っ掛かった。
えっと、何だろ。
今日、あった出来事で何かできそう。
喉まで出かかっているのに、うーん。
ええと、今までの行動を思い出してみよう。
隠蔽の魔道具をどうにかするために図書館に行った。
で魔法の基礎を読んだ。
そして、飯を食って買い物した。
ああ、そうか。
あれだ。
特定の敵に飛んで行くと自動買い物だ。
自動迎撃、いけるんじゃないか。
そうすれば、いくら敵がいても、無駄なく無限に攻撃出来る。
自動迎撃か。
エディタ以来の大物プログラムになりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます