第12話 名前鑑定
森に入った。
敵はフクロウと、緑色のスライム。
ビックオウルとポイズンスライムだな。
10倍速の火球を撃ちまくって退治する。
ぴしっと腕を打たれた。
久しぶりのダメージ。
敵はトレントか。
樹に擬態しやがって。
許せん。
「【
2メートルを超える火球が、トレントに直撃。
トレンとは燃え上がり、アイテムを残し、光になって散っていった。
「トレントの擬態ってどうやったら分かるんだ」
「それね。葉っぱの形が若干違うらしいの」
「そんなの分かるかぁ!」
「レベルが上がった鑑定魔法でも分かるけど」
くっ、鑑定魔法はマクスダクトが使ってた奴だな。
print("【われは内包する、魔法規則。かの者は目の前にいる者。名前鑑定の命令をレベル1の鑑定魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。かの者を魔法情報にありしもので鑑定せよ。名前鑑定】")
for i in range(0,10,1): # 10回ループ
print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。魔力吸収の命令をレベル1の吸魔魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にかの者の名前を渡せ。極小吸魔】")
プログラムを組んだ。
「【
『樹』
ほんとだな。
俺は目の前の樹に手を置いた。
樹が動き出す。
「【
くそっ、鑑定されてないじゃん。
トレントも樹のモンスターだから樹ってわけかもな。
名前鑑定魔法を草に対して実行してみた。
「【
『雑草』
いや、レベルが低いから仕方ないのかも知れないけどこれってどうなん。
腹立った。
むきー、ループして鑑定魔法連打しても、鑑定は通らないよな。
こうなりゃ自棄だ。
「【
火球を見えている樹全部に向かって放つ。
魔力使わない魔法って素晴らしい。
火球を当てられたトレントは動き出した。
これなれば、もうモグラ叩きみたいなものだ。
火球10000改で止めを刺しまくる。
「あははっ、魔法当てて正体を暴いた人は初めて。だって石ころでも同じじゃん」
「俺って情弱?」
「うんうん」
石ころを当てれば良かったのか。
まあそうだよな。
序盤で魔法を当てないと分からないなんて敵を出す訳ない。
「石ころを使って正体を暴くと、投擲スキルを覚えたりして」
「そうね」
くそっ、俺って出遅れている。
あの空白の1週間が。
でも必要なことだったと言いたい。
あれでだいぶプログラムに慣れた。
投擲スキルは必要かな。
合計でレベル100までだから、よく考えないと。
課金する予定はいまのところない。
魔道具化のスキルは30まで上げるとして。
あと30がふたつと10がひとつか。
何が良いかな。
戦う力はトッププレイヤーを大きく引き離している。
戦闘スキルを覚えるよりも、生産スキルにするか。
となるとポーション作成とかかな。
「おっと、敵だ。【
ビックオウルが火球に撃墜されて落ちて光になった。
「道案内以外に私の出番はなさそう」
「うん、のんびりしてて」
「魔力の減らない魔法ってチートよね」
「俺もそう思う」
「パイソンスキルだったわよね。他の人は覚えられないのかしら」
「どうだろ。
「固有武器扱いなのよね。いっぺん死んでみる」
「嫌だよ。このスキルが消えたら、このゲーム辞めるかも」
「冗談よ」
笑えない冗談は嫌いだ。
でも、死んだ時にどうなるかは突き止めたい気がする。
鑑定レベル30の人に見て貰おうかな。
チートだと騒がれるだろうから、信用のおける人でないと。
マクスダクトのことは信用してないわけじゃない。
でも、俺のチートの全貌が知れたら、迷惑を掛けるような気がしてならない。
巻き込んで良いと思ってしまうほどの付き合いじゃない。
マクスダクトの言動を見ているとかなりドライだ。
金の切れ目が縁の切れ目みたいな感じ。
今は俺の感情を害すると取引が不味くなると思っているような気がする。
商売の仁義は守るけど、大金を詰まれたら喋ってしまいそうなんだよな。
そんなわけでマクスダクトは不味い。
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