第9話 名前隠蔽
パオプについて語る板 その5
128
レイド戦はがっかりだったな
129
違法プレイヤーが出たんだって
130
バーテックスのやろう、絶対にPKしてやる
131
俺は助かったけどな
あのままだと全滅して固有武器は無くなってた
132
デスペナルティを受け入れてこそゲーム
133
石碑を見たか
吸魔魔法だってな
鍛えたら凄いんじゃね
134
一回につき0.1MPじゃ話にならん
135
唱えるのめんどくさくて
136
情弱を見た
ショートカットを使ってないのか
時間は掛かるけどよ、あれ使えば自動で唱えてくれるぜ
137
バーテックスのホームってどこだ?
138
宿屋でないことはたしか
目撃情報がなかった
139
種火フィーバーの火付け役も奴らしいぞ
140
パオプの内部情報が漏洩してるのかな
でないとチートプログラムは組めん
141
運営のひとりだったりして
142
運営に問い合わせてみるか
143
既に問い合わせたけど
あの攻撃は固有武器によるものらしい
144
そうなん
バランスブレイカーじゃないのか
145
修正入るかもな
146
俺はバーテックスはチートやろうだと思っている
147
レイド戦のドロップの95%はバーテックスが持っていったのだろう
許せん
148
貢献度で分配率が変わるからな
だが、チートは許せん
掲示板を見てみたが、俺のチート疑惑は晴れてないようだ。
大勢の恨みを買ってしまった。
このまま、ダイブインするのを辞めようかな。
でもせっかく最強になれたのに。
罵詈雑言は浴びるかもしれないけど、街の中ならPKされない。
街の中だけでも。
「ダイブイン」
俺はゲームをホームからスタートさせた。
『メールが届いてます』
向日葵とマクスダクトからだ。
向日葵からは、私はバーテックスを信じているわという内容だった。
マクスダクトからは、何か理由があるんだろ、俺はお前がチートしたとは考えてないだった
どうしようかな。
街に出たら大変だろうな。
このホームを突き止められたら、粘着されるよな。
それは嫌だ。
とりあえず、ステータスオープン。
――――――――――――――――――――――――
名前:バーテックス
レベル:27
体力:64/64
魔力:284/284
攻撃:31
知識:158
守備:31
器用:48
俊敏:31
スキル:
全属性魔法
Python
魔道具化 レベル15
――――――――――――――――――――――――
ストレージは。
――――――――――――――――――――――――
銅貨 1
大銅貨 7
銀貨 2
大銀貨 6
スライムの魔石 15
水筒 1
アクスフローラの杖 1
ユグドラトレントの葉 238
ユグドラトレントの枝 67
ユグドラトレントの魔石 1
――――――――――――――――――――――――
とりあえず、何はなくとも向日葵に杖を返さないと。
向日葵にメールを送った。
スラムとの境の祠の前で待ち合わせた。
向日葵がやってきた。
とりあえず尾行はついてないようだ。
「ごめん、迷惑を掛ける。打ち上げできなくて、ごめん」
「謝る必要はないわ。あなたは何も悪くない。あれは固有武器なのでしょう」
「まあね。でも半数ぐらいはずるだと思っている。杖返すよ」
『アクスフローラの杖を向日葵さんに譲渡します』
「ありがとう。これを拾うために無理したの?」
「いいや、レイドボスに挑みたかったからだ。俺って最強だから」
「いいのよ。でもそう言うのなら、そういう事にしておく」
「俺、どうしようかな?」
「ゲーム辞めちゃうの。そうよ、耳寄りな話があったわ。古本屋グリモで隠蔽魔法が覚えられるんだって」
「分かった行ってみる」
マップ上に古本屋グリモのアイコンが表示された。
よし、行ってみるか。
なるべく人に会わなさそうなルートを選んで古本屋に行く。
誰にも気づかれずに店に入れた。
お目当ての本はどれだ。
片っ端から背表紙を読む。
これも違う、あれも違う。
隠者の書、これかな。
本を開けると、隠蔽魔法が載っていた。
【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。名前隠蔽の命令をレベル1の隠蔽魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。かの者を魔法情報にありしもので隠蔽せよ。名前隠蔽】とある。
これで、プログラムを作ろう。
while 1 : # 無限ループ
print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。名前隠蔽の命令をレベル1の隠蔽魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。かの者を魔法情報にありしもので隠蔽せよ。名前隠蔽】")
for i in range(0,10,1): # 10回ループ
print("【われは内包する、魔法規則。かの者は自分。魔力吸収の命令をレベル1の吸魔魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にかの者の名前を渡せ。極小吸魔】")
これで魔道具を作る。
そして起動した。
「おい、バーテックスを見たってのは本当か?」
「おお、この店に入ったってよ」
「見つけたら囲むぞ」
くっ、追っ手が来たか。
「あいつかな」
「馬鹿、ネームを見ろよ。リトルスネークだぜ」
名前隠蔽をやっていたのを思い出した。
どうやら、大丈夫みたいだ。
俺は何気ない素振りで、店の外に出た。
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