第3話 初めてのパーティ
ええと、printで魔法を使えたら便利だよな。
「【
>>> print("【われは内包する、魔法規則。火球生成の命令をレベル1の火魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを維持せよ。種火】")
1センチぐらいの火が灯った。
おお、
でもこれって口で唱えてないだけで、タイピングの手間とか考えたら、大して違いはない。
ないが、かえって唱えた方が早いかも。
VR内に
打開の糸口があるはずだ。
ええと、ふむふむ。
『
対話でなくて、ファイルをあらかじめ作っておいて実行するファイル実行もあるようだ。
ええと、パス・オブ・ホープの中にファイルを作る方法でヘルプ検索を掛ける。
お探しの項目はありませんと出た。
待てよ、
入門によれば作れる。
やってみよう。
>>> s=input("ファイル名を入れて下さい:")
>>> f=open(s+".py","w")
>>> s=input()
>>> while s!="" :
>>> f.write(s)
>>> f.write("\n")
>>> s=input()
>>> f.close()
よしこれで。
おお、できたようだ。
早速今の8行のプログラムを『1行エディタ』として打ち込んでみる。
これで出来たはずだ。
「【
じゃあ、さっきの種火の魔法を、種火.pyとして作った。
「【
じゃあ次は。
print("【われは内包する、魔法規則。火球生成の命令をレベル1の火魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを飛ばせ。火球】")
取説に載ってた、この呪文を火球.pyとしてプログラムファイルに作る。
よし、攻撃魔法が62文字唱えなきゃいけないのを11文字に短縮できた。
いまのところ俺は魔法使いとしてトップクラスだろう。
やった、希望の道が開けたぞ。
よし、こうなったら、生産は後回しだ。
討伐に行くぞ。
冒険者ギルドに行くと、そこは閑散としてた。
始めたばかりの人混みがない。
みんな既に討伐に行ったに違いない。
ええと常時依頼はスライムの核と魔石。
取ろうとしたら、女の子と手がぶつかった。
「失礼」
常時依頼なので譲る。
「あの、もしよろしければ、一緒にパーティを組んでもらえませんか」
女の子は杖を持っている。
固有武器だろう。
「組んでもいいけど、俺って全属性魔法使い」
「私は水魔法使いです。最初の敵がスライムなのに水魔法選んじゃって、こんなありさまなんです」
「確かにスライムに水魔法は効かなさそう」
「ええ、ホーンラビットまでいけばそれなりに戦力になるんですが」
「敬語辞めないか」
「はい。では私と組んでくれる?」
「いいよ。一緒にやろう。俺はバーテックス」
「私は
「フレンド登録いいかな」
「ええ」
『
街の門の所は休憩してる冒険者で一杯だった。
道の所は門番が交通整理しているので空いている。
すんなりと外に出れた。
そこは草原で、水色の塊が、ぴょんぴょんと跳ねている。
あれがスライムだな。
「【
10センチぐらいの火の玉がスライムめがけて飛んで行く。
ちっ、外した。
「【われは内包する、魔法規則。水球生成の命令をレベル1の水魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にありしものを飛ばせ。水弾】」
俺が魔法を行使している間に向日葵の魔法が完成。
向日葵の水弾はスライムに当たっただが、スライムは少し跳ね飛ばされただけだった。
いや、体力のバーは1ドット減ったかな。
「【
今度はスライムに当たった。
スライムから湯気が上がる。
体力のバーが半分以下になった。
スライムの大きさがかなり縮んだようだ。
くそっ、当てれば当てるほどこっちが不利になるのかよ。
接近したスライムに向日葵が杖の先を突き刺す。
体力のバーが完全になくなった。
スライムが弾けて核と魔石を残す。
「分配はどうする? 素材売って半分こでも良いけど」
「私は核が欲しいな。生産がやりたいので」
「何を作るの?」
「ポーションを作りたいと思って、水魔法は蒸留水が出せるので錬金術師に向いているの」
「じゃあ、俺は魔石を貰うよ」
俺も魔石で何か作ってみるか。
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