寂しがりな少年

上田のこ

寂しがりな少年

ここに一人の少年がいましたとさ。

少年はただただ一人で、

体を売って生計を立てては、

孤独に苛まれながらもちっぽけと、

されど必死にこの世界を生きていました。

少年を哀れみ蔑む奴はいても、

少年に手を差し伸べる人などはいないのでした。

そんな物好きいる物か。


今日も一人で生きてゆく。

少年はなにを思うのでしょう。

少年は何を感じるのでしょう。


嗚呼汚れたこの日々に、嗚呼汚れたこの体。

体がつながるその瞬間。

報酬を受取るその手の中に。

こもった彼の感情は、僕を満たしてくれるだろうか

君は僕のなんなのか、僕は君のおもちゃだろう?


君は僕を欲してる。

僕も君が欲しいんだ。

こんな僕は嫌ですか?

こんな僕じゃ嫌われちゃうのかな・・・

僕は君に固執した。

だから僕は捨てられたんだ。


なぁ、一人ぼっちは嫌なんだ。

僕を1人にしないでくれ。

1人は嫌なんだ。

1人になると思い出す。

思い出したく無い思い出を

僕を僕にした悲しい過去を。

少し前の思い出話。

ここに幼き少年と哀れな女がいましたとさ。

女は男を作り少年を捨て、

少年は誰のものでも無くなりました。

少年は悲しみ、叫び、只々悲しみ続け、そして悩むのでした。

なぜ僕は捨てられたのか、

なぜ僕はいらないのか。

僕は、、、必要にされていなかったのだ

最初から。僕は1人だ。

僕は1人だったのだ。

だから僕は求められて生きていきたいのかも知れない。

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寂しがりな少年 上田のこ @nokopoki

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