洗骨

君の瞳から見える景色を、僕は見てみたかった。

僕の瞳から見える景色を、君に見せてあげたい。


5年後にまた皆で集まろうと約束したけど、

5年後の今、幾ら待っても君はもう来ない。


僕らは友達と呼べる関係でもないけど、

たまに君の事を想い出しては切なくなる。

消そうとしても消えない。

でも、もう覚えていたくもないんだ。

あんなに悲しい事を。


たった1年。

瞬間風速的に感じたあの日々も

君との事だけはスローモーションで、

僕はまだあのときを悪い夢だと勘違いしている。

君がいないなら悪い夢でも醒めたくなかった。


未練がましいかな。

あれから何度夏が過ぎようと

梅雨が明けると、僕が知る由もない

君の苦しみがフラッシュバックするんだ。


僕は臆病だから君に花を手向ける事も

もうずっと先延ばしにしているんだ。


慕うわけでも仲良しでもなかったけど、

あのときの事を今もずっと悔いているんだ。

時が戻ったって、何も出来ないだろう。

でも、もう一度君に逢いたい。


同じ名前のあのコを呼ぶとき、

何故か君の事を思い浮かべている。


僕は君のただのクラスメイトだったから、

最後の サヨナラ がまだ言えていない。

いつか直接言えたらどんなにいいか。


その時は、こう言って。

「ばいばいまた明日。」

僕らが14 歳だったあのときの様に。




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