R.I.P.
「うわっ誰かと思った!」
ロックでパンクなリナさん。目が覚めるような金髪がトレードマークだけど、今日はなぜか日本人形のような黒髪ウィッグをかぶっている。
肩のタトゥーがなければ気付かなかったかもしれない。
「悪くないだろ」
「正直いつもより凄みがあります」
「言ってくれるじゃん」
くすぐられた。リナさんは元々"姉さん"て雰囲気がある。今日に至っては"姐さん"だ。
「もしかして就活ですか?」
「なわけ。アンタ今日何の日だか知ってる?ジョン・レノンの命日だよ。アタシなりに追悼してるってわけ」
「れりびー?」
「そう。愛と平和の象徴が伝説になった日」
「リナさん古い歌も聴くんですね」
「どっちかっつーとアタシが生まれてくるのが遅かった」
音楽フリークスのリナさんはドラムからギターまでバンドの楽器なら一通り扱える。
耳にはたくさんのピアスが刺さってるし、アーマーリングに挟む煙草は当然セブンスター。ノーミュージックノーライフを地で行く人だ。
「リナさんて格好良いですよね。自分のスタイルがあるっていうか、生き方が素敵だな」
「トゥーマッチだね。I hope you live as you please. Because it's your life! イツカ、好きに生きていいんだよ。だってアンタの人生なんだから」
リナさんはヴィヴィアンの香水をぶちまけると去り際私の頬にキスをした。
天国のジョンが私に笑いかけた。
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