MacBook Kuro
俺はエルの店長だ。細かい事は気にしない。
会計を終えた客がスマホを弄りながらガラケーで電話をしている。プログラミングとかアクセス解析とか言ってるからIT関係の仕事のようだ。もう五分以上やっているが店が暇なので多めに見ている。
客はエリートを絵に描いたような男だ。フレームの無い眼鏡とグリースでぴったり撫でつけられたオールバックが良く似合っている。
上等なスーツに見とれているとマウスが足元に転がってきたので拾い上げた。手のひらサイズの卵形。
「ああっすみません。 パソコン出そうと思ってカバン開けたら飛び出ちゃって」
客は電話口を手で押さえながら申し訳なさそうに頭を下げた。
「いえ、握りやすそうなマウスですね」
「このサイズじゃ無いとだめなんですよ。小さいと無くすんじゃないかと思って出先とか出張中とか落ち着かなくて」
「確かに存在感ありますね。お返しします」
「ご迷惑おかけしました」
「チュウ」
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