きめごと、こだわり(後編)
三人称の件の続きなんですが、これは《人称代名詞》の一つで、《他称》とも言うみたいですね。
小学校で習ったようなそうでないような。たぶん、教科書に載ってるんでしょう。
私が覚えてないだけで。
たまには押し入れでも漁ってみようかしら。
こういうの、私は大事に残しとくタチなのでね。
それはともかく、私は今まで勘違いしてたことがあります。
母とか父とか、これらは《普通名詞》で、人称代名詞と違うんですね。
ちょっと考えればわかることのような気がしますが、何故か今まで代名詞と思い込んでました。
きっと、小学校の国語のテスト満点取れないですね、私。
んで気になるのが、どう普通名詞と代名詞を使い分けるかですね。
たとえばカクくんが長男、ヨムちゃんが長女、運営さんが末っ子で、カクくんが最年長であるとします。
それを踏まえて、さっきの例文をいじってみます。
————
カクくんはヨムちゃんに言いました。「腹が減った」と。
運営さんは「同意だ」と彼に同調する。
彼女は兄に、「だまれ」と言い返しました。
————
これなら一応、ヨムちゃんがカクくんに対して「だまれ」と言ったことがはっきりしますね。
ただ、なんかびみょーに違和感があるというか。
で、さらにちょっといじってみます。
————
カクくんはヨムちゃんに言いました。「腹が減った」と。
運営さんは「同意だ」と兄に同調する。
妹は兄に、「だまれ」と言い返しました。
————
普通名詞で統一しました。こっちの方がいいかな?いやさらにびみょーな気も。うーん。
やっぱり、代名詞とか普通名詞はやめて、多少冗長でも固有名詞に頼った方が良さげですね。
ただ、固有名詞がその時点で不明なキャラがいる場合がなあ。たとえば、
————
四人の純白のマントを羽織った騎士達がいた。
その中でも最も強そうな騎士は何も語らないが、最も弱そうな騎士は、ひたすらに最も強そうな騎士に言葉を投げ掛け続けている。
最も強そうな騎士は、困った様子で黙って聞いている。
————
うーむ。冗長というか、そういう問題ではないな。
いやそもそも例文が悪い気もしますが。
やっぱり複数キャラが登場すると、上手く描写するのが厳しくなりますね。
もう駄目だ、誰か助けてー。
んまぁ、小説ってマンガと比べると制限が多くて、なかなか表現が難しいですね。
でも、小説ならではの表現って、きっとあるんだと思うんです。
たとえば、キャラクターの容姿ですね。
これは、私の場合とにかくぼかします。私の中でなんとなくイメージは浮かんでいるんですが、それを読者の方に押し付けたくないというか。
これは、マンガでは絶対できない表現だと思います。というより、
あまりぼかすとマンガである意味が薄くなるでしょうし。
まあマンガでも、謎の不気味なシルエットで描かれたキャラとかいると思いますが、それはそのキャラが正体不明であることを強調するものであるはずですからね。
特に昨今、肌の色だの髪の色だのによる表現で、「これは差別だ!」という声も多いように思います。
実際、私もそう思う部分もあります。ですから、そういったデリケートな部分は可能な限りぼかします。
少なくとも、「その者の瞳は黒かった」とか、そういう直接的な表現はしないように心掛けています。
やるとしても、語り手には言わせないです。神?視点の語り手ですね。
ただ、あくまで登場キャラによる主観的な印象であるなら、アリだと思います。
「あんちゃん、背ぇたけーなあ」っていうセリフみたいにね。
よく「顔立ちの整った美しい女性だ」というような表現があるかと思いますが、
これは個人的に、語り手が神様視点の作品で使われてるとちょっと嫌ですね。
神様視点ということは、本当に客観的な表現しかできないはずなのに、《美しい》という、主観がどうしても入る単語が使われてること自体に矛盾を感じるというか。
結局それって作者の感想じゃねーかよって思ってしまうんです。捻くれてますかね、私。
というかさっきの、強そうとか弱そうというのも神様視点では良くない表現ですね。
とまあ、こんな私でもこだわりはあります。
皆さんは自身のこだわりについて、どう向き合っていますか?
簡単に言い表せないほど、深いこだわりがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
少し話は戻りますが、三点リーダーの話だって、別に絶対というわけじゃないはずなんです。
私が今まで見てきた作品でも、掟通りではないものも結構ありましたが、
その中でとても素晴らしいと感じることも少なくありませんでした。
結局は、掟通りにすべきと言う方々が現状、多数派であるというだけです。
三点リーダーは二セット、これが正義ということです。
実際、これに関する様々な意見や背景を見て、なるほどなと思うこともありました。
だから、より多くの人に認められる作品を書きたければ、掟を守った方が得策です。
無理に現状の流れに逆らって、無駄に反感を買うのもよくありませんし。
自分のやり方を押し通せるほど、作家の世界は甘くないでしょうから。
でも、そこに自身の信念があるのなら、それを貫くのは格好いいことです。
少なくとも、否定されるべきことではありません。
《面白い》って、理屈ばかりじゃないのよね。だから、ルールを守るだけが全てではないんだと思います。
もしかしたら貴方のやり方が、次の小説の時代におけるスタンダードとなるかもしれません。
色々と模索しながら、お互いに小説の世界を盛り上げていきましょう!
あるいは、ルールに則り正々堂々、お互いに自身を磨き上げていきましょう!
(うまく締められたかな?)
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