第28話 真相

「神官長さまが、私に『呪い』を……!?」

 動揺するニカに、アインはうなずく。

「あぁ。お前は生まれながらの『呪いの子』なんかじゃない。仕立て上げられたんだ。そいつに」

 アインが神官長を指さす。

「そんな輩の言うことにだまされるな、ニカ。お前の呪われし魂は、もうすぐ解放されるのだよ。さぁ、こっちへ来るんだ!」

 神官長が険しい顔でニカのもとへ歩み寄る。

 けれども、ニカはしっかりとアインにしがみついたまま、

「教えてください! 神官長さま。私は、ほんとうは何者なんですか?」

 と、必死に神官長に向かって訴えた。

「ええい、だまれ!」

 神官長は、怒りにまかせて杖を振りかざした。

 白い稲光がアインの全身を打つ。

「ああっ!」

 そのはずみで、ニカの身体はアインから離れ、床にくずれ落ちた。

「いくら貴様が不死身の化け物でも、まったく痛みを感じないわけではあるまい。ならば、この世の果てまで続く苦痛を永遠に与え続けてやるわ」

 激しい痛みに、アインの顔に苦痛の色がよぎる。

 口からは血を吐き、立つことはおろか、目を開けているのもやっとの状態だ。

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