第24話 最上階へ
しかし、その道のりは遠かった。
階段を上っても上っても同じような景色が続くばかり。
追っ手の神官たちも絶えることなくあらわれ、アインは攻防をくり返しながら最上階へ急いだ。
「あぁ、もうバカァッ! なんで潜入する前にもっとこの塔のこと調べなかったのよ。これじゃあ、最上階にたどり着く前にぶっ倒れちゃうわ!」
金切り声をあげるアズーラ。
「ぼっちゃん、ここを切り抜けるにはもう少し血が欲しいところですが」
エンデはしきりに舌なめずりをしている。
いくら魔物とはいえども、その体力には限界があった。
アインが疲弊すればするほど、彼らのエネルギーも弱まる。
死ぬことはないものの、ほうほうの体で生きていくのはさすがにつらい。
「ガマンしろ。ここであきらめたら今までの計画がすべて台なしだ」
アインは冷たく彼らに言い放つ。
「なぁにが、計画よ~っ! 行きは転移魔法でドカン! と飛んで来たくせに」
アズーラが、アインの両肩にギギギ……と爪を食いこませる。
「あれは室内では使えないところが痛いですなぁ。帰りもあれならこんなに苦労することもなかったのに」
ふあぁ~、とアインのそばでアクビをするエンデ。
「ブツクサいう元気があったら動け。それでもエタアの宝を守護する魔物か」
アズーラは、キッと眉をつり上げて。
「はぁー!? だまって聞いてりゃ、さっきからひとのことコキ使うだけコキ使っといて、アンタ、目的果たしたらあたしたちのこと――」
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