第11話 ニカの運命
もう消えてしまいたい。
ニカは何度も何度もそう願った。
だが、神官長がそれを許さなかった。
「ニカ。お前の呪われし運命は、自ら死を選ぶことで終わるものではない。そんなことをすればお前の力はますます暴走し、さらに多くの者が命を落とすことになるだろう。あと数年のしんぼうだ。あと四年。お前が十七歳になれば、エル様とアヌーク様によって、お前は生まれ変われる」
「生まれ変わる――」
神官長はニカの両肩に手をやって。
「あぁ。その呪われし肉体を脱ぎ捨てて、新しい世界に旅立つことができるのだよ」
生きたままこの呪いを解く方法はない――。
だけど、このまま生きていたらまた誰かを傷つけかねない。
四年後、十七歳になるまで、この塔で静かに身をひそめることしか、私にできることはないんだ……。
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