第2話 マヨイガの森と加護の恩恵

俺は、幾枚かの写真を撮った。

それで、分かったことがある。

ポラロイドカメラは、被写体の名称が記載される。

ただし、オンオフは可能。

コンパクトデジカメは、撮影のみ。

ただし、データがクラウドのようなものに保存される。

デジタル一眼レフは、ファインダーを覗けば被写体の名称が分かる。

撮影すると名称は記載されない。

ただし、記載することも可能。

そして、データはクラウドのようなものに保存可能のようだ。

デジタル一眼レフは、換装可能なレンズが4本ある。

マクロ、広角、標準、望遠の4種類だ。

俺が持ち込んだ機材は、ポラロイドカメラが2種類、コンパクトデジカメが2台、デジタル一眼レフが1台、レンズが4つ、三脚、一脚、レリーズ、ストロボ3種類、フィルター数種、コンパクトプリンター、コンパクトレフ板が4枚、冬用テント、折り畳み式焚き火台、折り畳み式ローチェア、ホワイトガソリンコンロ、ケトル、ミルクパン、インスタントラーメン、インスタントコーヒー瓶、ステンレスマグカップ、アウトドア用のカトラリー各種、ビーフジャーキーが3袋、2Lのペットボトル水だけだった。

俺は、荷解きをしてテントを設営し焚き火台で火を起こす。

元々、初日の出までコーヒー片手に夜空を撮ろうとしていたから装備は充実している。

ひとまず、動物がいるとして火は絶やさずにしておこう。

鞄の中に見知らぬ本が入っていた。というか辞書並の厚さの本が出てくることに違和感を覚える。

そこには、よく分からない文字が書かれていた。

英語のようなアルファベットの羅列。

でも、知らない単語だ。

メーティスが、ギリシアの女神の名前だからそっち方面の単語の可能性はあるが…。

俺は、焚き火の明かりで本を見ることにする。

目を凝らすと、さっきまでは読めなかった文字が読める様になってきた。

『アカシック』とタイトルが刻まれている。

表紙には、片目を閉じたら梟が描かれている。

ページをめくると、メッセージが書かれていた。


『シンスケへ。

これは、僕が管理する『アカシック』と言う知恵の書だよ。

これから、君にはこの本のページを埋めて欲しいんだ。

もちろん、タダなんてケチ臭いことは言わないよ。

君に授けた加護は、

1.読み書きが困らないようにこの世界の言語に対応出来る物。

2.『アカシック』を閲覧更新出来る。

写真で撮ったものが自動で『アカシック』に転送され更新できるよ。

『アカシック』を見れば鑑定もできちゃう。優れ物!えへへ。

3.更新した情報を元にご褒美をあげる。

4.地球に残してきた君の遺留品の全てを『アカシック』の背表紙裏にあるポケットに収納しておいたよ。

もちろん、そのポケットは自由に今後使っていいよ。

5.旅のお供に、僕の眷属から1人送っておくから詳しい事は彼女から聞いてね』


そんなメッセージが書かれていた。

メーティスからのメッセージだった。

なかなか、有用な加護をくれたみたいだ。

『アカシック』を捲っていく。

そこには、さっき撮った木や草が載っていた。

そして、地図もあった。

ここは、『マヨイガの森』と言うらしい。









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