第32話 黒装束の男

【レオ視点】


俺は群衆を掻き分けて進んでいたが、全く進めない。群衆は手に取れるものは何でも手に掴み正面に投げつけていた。ノアの方に投げつけているんだろう。


人々は地面に手を伸ばしては、石や木片などを掴み、投げ続けた。人々が動いているので、この調子では全然前に進めない。俺は他の仲間たちと目配せをして上に向けて軽く顎を上げた。彼女たちも俺の意図を理解して、即座に行動に移った。


次の瞬間には、俺たちは空中にいた。一瞬で空中へと跳び上がり、ノアの居る付近辺りに着地しようとした。なんでこんなに怒りが膨張しているかは全く理解できないが、ノアに向けて多くのモノが投げつけられていた。群衆が暴走している。その中、ノアの横で倒れ込んでいる人がいる。


(誰だ?)


俺とロア、アリスはノアの付近に降り立った。ノアは怒りに打ち震えるように、全身から炎が湧き出ようとしていた。


レオ「待て!!ノア!!この人たちを殺す気か!?」


ノア「殺す気??当たり前だろ!何がまずいんだ!!!俺はこいつらを全員あの世に送ってやる!!!!!」


レオ「待て!落ち着け!!俺がまずはサマンサを治療するから、一旦ここから脱出しよう!ロア、アリス!ノアを連れてここから逃げるぞ!」


ロア、アリス「オーケー!!」


ノア「止めろ!!!サマンサはもう無理だ!!こいつらを一緒にサマンサと同じ目に遭わせてやる!!やらせてくれ!!!!」


しかし、ロアとアリスはノアを羽交い絞めにして、群衆から逃げるように飛び去った。俺も血みどろのサマンサを抱きかかえ飛ぼうとした。一瞬サマンサの横にいる女が眼に入った。


ドロシー「わ、私も連れて行ってくれるのかい?」


レオ「いや、ここからはもうあなたが入れる場所じゃなくなる。あなたはあなたの好きなようにするといい」


ドロシー「そ、そんな!あの冒険者の坊やがいないと、私はもう!」


レオ「ここも城壁外も変わらないさ。自分のことは自分で責任を取るんだな」


ドロシー「ま、待って・・・」


そう言い残して、俺はサマンサを抱きながら、ロアとアリスが行った方向へと飛び出した。


後ろを一瞬振り返ると、ノアのいた家の所々に炎が燃えていた。群衆を見ると、道の端に焚かれている松明を奪い、ノアの家に投げつけている人たちがいた。


(何考えているんだ。バカが・・・せめてあの家の中で少人数で隠れていれば、その少人数の人間たちは警備兵の目は掻い潜り助かるものを。燃やしてしまったら逃げ場が減るだけだぞ。本当に・・・人は群れを成すと論理的に考えられなくなる・・・)


俺はそんなことを一人、心の内で呟きながらロアとアリスに追い付こうと走り続けた。






数分走り、俺はロアとアリス、ノアに追い付いた。俺たちは既に城壁外にいた。おそらく、治療にしても何にしても、目立つ場所にいれば、十分に俺たちのやりたいことができないとロアかアリスが判断したのだろう。良い判断だ。


俺はゆっくりサマンサを地面に降ろして、彼女の頭に手を載せた。


ノア「ど・・・どうなんだ・・・レオ・・・まさか・・・何とかなるのか??」


レオ「しっ!待ってくれ・・・」


俺は全魔力をサマンサの頭の中に放出した。彼女の頭蓋骨の中を、俺の魔力が充満していく。脳自体の傷が治っていき、骨も治っていく。


(うまくいくか?)


しかし、彼女の目はずっと見開いたままだった。


やはり無理か・・・俺も何度も他の生物なんかで試したことがあるが、脳への損傷だけは治しても、前と同様の動きをすることはできないのだ。おそらく、脳がダメージを受けた段階で、脳の中の生命活動自体が止まり、何かが無くなってしまうのだと思う。


俺は優しくサマンサの目を閉じさせて静かに頭を横に振った。


ノア「そんな!!嘘だろ!!お前でも無理なのか!!??そんなバカな!!??そんなバカな!!??ここに来て、こんなことがあるなんて!!俺は信じられない!!俺は信じられない!!!そんなバカなーーーーーーーー!!!!!!!」


レオ「すまない・・・お前の力になれなくて・・・」


ロア「ノア・・・」

アリス「ノア…」


ノア「うぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」


ノアの目からは涙が溢れんばかりに流れながら、サマンサを抱き上げ、天空に向かって咆哮を上げた。俺もノアの表情を見ていると涙が込み上げてきた。横にいるアリスとロアも見ると、目から涙がとめどなく流れているのが見えた。


(人が死ぬのは本当に呆気ない。こんな小さな傷で人が死んでしまうなんて)


俺の魔力の高まりを感じて位置を把握してくれたのだろう、ヘレーネとフィンも俺たちがいる場所に集合してきた。


ヘレーネは怪訝な顔をして俺に尋ねてきた。

「何があったの?」


俺も涙を流しながらヘレーネに答えた。

レオ「サマンサが・・・死んだ」


ヘレーネはその言葉に驚き、言葉を失った。


フィン「どうして?何があったの?」


レオ「ノアがサマンサを保護したんだが、それに対してスラムの人たちが怒って暴動を起こしたんだ。その混乱の中で、サマンサに飛んできたナイフがあって運悪く頭に当たって・・・」


フィン「??どうして、スラムの人たちは暴動を起こすんだ?」


レオ「俺には理解できないが、どうやら不公平だと思ったらしい。彼らもノアに救ってほしかったようだ」


ヘレーネ「そんなの身勝手だわ!!この状況下でみんな一生懸命に自分の出来ることをやっているだけなのに。それを自分も助けてくれないから怒るなんて・・・本当に不条理だわ」


ロア「本当に救い難いわね」


アリス「最悪だわ」


そう話していると、遠くからじいが近付いているのに気付いた。じいは神妙な面持ちで俺たちの元にやってきた。じいは重い口を開いて声をかけてきた。


じい「ノア・・・、大丈夫か?」


ノア「うぅぅうぅうぅううううう。なんで?なんで、こんなことが起こるんだ?俺はただ・・・」


じい「分かっている。お前はよく頑張った。お前は自分の全力を尽したのは分かっている」


ノア「全力を尽したとか、どうでもいいんだ!俺はサマンサに生きていてほしかっただけなんだ!どうしてなんだ!?どうしてこんなことになるんだ!あいつらが殺したんだ!殺した奴らを、俺は絶対に許さない。身勝手な奴らだった!」


じい「ノア。いったん落ち着け。今はサマンサの体を燃やして埋めてやろう。このままにしておくと、魔物が近付いてくる。サマンサを綺麗なままで送ってやろう」


ノア「あぁぁああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁっぁぁあぁああああ!!!!!!!!!」


ノアはじいの言葉を聞いて、どうしようもない哀しみが込み上げてきたのか泣き崩れた。


俺たちは何をすればいいかも分からなかったが、とにかくノアを見守る事しかできなかった。


「よぉ、お前がノアか?」


この場に全くそぐわない声色で、誰かが近付いてきた。俺は全く、この人物の接近に気付かなかった。


(誰だ!?)


俺たち全員が、驚いたように声のした方向を見た。そこには黒服に身を包んだ長身の髪の長い人間が。体も非常に引き締められているのだろう、服の上からも筋肉質であることが分かる。声色と体つきから若い男のようだ。20代・・・か。


俺はこいつが何を求めているか分からないが、ノアを探している事は分かる。だが、簡単に伝えるつもりはない。俺たちは一同に口を紡ぐんだ。


ノア「あぁ、そうだ。俺がノアだ」


ノアは地に伏しながらも、苛立った声で反応した。


俺たちは驚いてノアの方を見た。俺はノアに向かって叫んだ。


レオ「軽率だぞ!答えるな!」


ノア「うるさい、レオ。で?俺に何用だ?俺は今、非常に機嫌が悪いんだ。何者だ?」


「お前のことを聞いて、ちょっと話を聞きたいと思って来たんだ。お前さー、凄い力を持っているな。稀少な攻撃系魔道具を所持していて火炎を発生させられるのは、実は凄いんだよなー。攻撃系魔道具はそんなに出回っていないからな。それにお前、11歳だろ?その年でランクEの冒険者になるというのは、戦闘での実力だけでは無理なんだよ。ランクFとランクEでは実は大きな壁があるからな。その壁を簡単に乗り越えているお前は、マジですげぇんだよ。世界基準でもトップランカーだぜ」


ノア「ペラペラペラペラと!なんで俺のことをそんなに知っているんだ?!」



「冒険者ギルドは貴族には情報共有の義務を負うから、貴族は知っていて当然だ。まぁ、そんなことはどうでもいいんだ。俺はお前に聞きたいことがあって来たんだよ」


ノア「俺は自分のことを語らない奴は話をしない主義なんだ。消えろ!」


「ドーグ・バーバラ、チュランキ・ガガン、バキ・カカロ、ヨン・サン・・・」


ノア「何をブツブツ言っているか知らんが、消えろ。消えないなら・・・殺すぞ!」


「セネカ・ランビアート」


ピクッ!!


じい以外の俺たち5人全員が最後の言葉に反応してしまった。


(しまった!!じいの昔を知る奴だ!!まさかこんな形で!)


「なるほどな。ここにいるお前ら全員関係者か・・・ということは、そこの老人がセネカ・ランビアートか・・・そうか・・・老いたな」


ノア「そんな奴は知らねぇよ。俺たちはちょうど、このタタン街のスラム地区で暴動があってそこから逃げ出してきたんだ。疲れているから話があるなら、また日を改めて冒険者ギルドに来な」


「いや、もうお前と話すことは無い」


じい「逃げろ!!!」


そう言った瞬間に俺たちはそれぞれが別方向へ飛び出した。


が、


「いや、逃がさないよ。呪縛結界」


俺たちの周囲を包み込むように、大きな真っ暗闇の空間が広がった。不思議な事に今まで俺たちが感じる魔力は全て感じられなくなってしまっている。


セネカ「呪縛結界・・・お前は・・・スティーブン」


セイント「おぉ、覚えてくれていたか。懐かしいな。50年振りかな。お前は今セネカ・ランビアートなんだな。ちなみに俺は今、セイント・レヴィン・コーカス侯爵と名乗っているぜ」


セネカ「そうか。お前と会う前に、もう少し時間が欲しかったんじゃがな」


セイント「よかったよ。探していたんだ、えーと、セネカだったかな。それとも、ソラと呼ぶべきか」


セネカ「ソラという名の男はもう死んだ。ワシの名は今はセネカじゃ」


セイント「そうか。では、セネカ。貴様に問おう。このガキどもは何なんだ?やはりお前が魔力解放を教えたんだろ?じゃなかったら、こんな力があるのはあり得んからな。既得権益を守ることに必死な貴族どもが一般市民に魔力の使い方を教えることはあり得んからな。また、お前は夢物語を描いているんじゃないだろうな?何度もお前は庶民を捕まえて魔力使用を教えているが、一度も上手く行った試しはないんじゃないか。いい加減諦めて、俺たちの方に来たらどうだ?」


セネカ「スティーブン。いや、今はセイントか。お前たちはまだ、ゾディアックストーンを使っているのか?あんな紛い物の力に頼った人生など、本当に正しい人生ではない。ワシは人として生き、人として死ぬ。これがワシの矜持じゃ。お前たちのような魔物は憐れに見えるわ」


セイント「憐れなのはお前の方だ、セネカ。見ろ、自分の顔を。腕を。体を。魔力でどれだけ体を活性化させ維持させたところで限界はあるんだ。昔のお前は違っていたさ。もっと若々してく、瑞々しくて、爽やかで、荒々しかった。お前の今の姿は、昔のお前への冒涜だ。袂を分かった段階で殺しておくべきだったのさ。老いてしまい衰弱したお前の姿は見たくない。同郷の誼だ。即殺してやる。お前のガキども、もろともに地上から消してやるよ」


セネカ「お前の様な人として生きられなくなった者ほど憐れなものはない。お前こそ、同郷の誼じゃ。ここでお前の目を開かしてやるわ!」


セイント「ほざけ老いぼれが!死にぞこないが!呪縛爪牙!!」


俺にはじいと目の前のセイントとかいう男の会話のほとんどが全く理解できなかった。


ソラ?

同郷?

ゾディアックストーン?


じい、一体何の話をしているんだ?しかし、そんな悠長なことを考えている場合じゃない。話の決着として決裂したことだけは分かった。黒装束の男が『ジュバクソウガ』と叫ぶと、何もない空間が歪み、強烈な重圧が発して何かがこちらに向かってくる。重圧が半端ない。これはヤバいという事がひしひしと感じるが、全く動けない。


「させるか!!デス・ゴーレム!!」


じいは俺たちの目の前に黒色の3~4メートルもあるゴーレムが5体現出させ、強烈な圧迫で迫ってくる魔法を全て受け止めた。


ガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!


金属や硬い素材同士がぶつかったような音が空間を埋めた。無数の斬撃の様なものがゴーレムたちを襲い、全てのゴーレムが細切れになって破片が地上に落ちていった。


セイント「さすが、腐っても傀儡師だな。この空間内で俺の呪縛爪牙を受け止められるのは、俺たちのような勇者ぐらいだろう。しかし」


じいの体に大きな裂傷が斜めに走っていた。血が吹き出るようにして迸っていたが、すぐさまその血も止まった。


セイント「まぁ、全てを防ぐことは無理だろうな。年月は怖いものだ。力が衰えるとはな。実力差も途方もなくついてしまったな」


セネカ「黙れ。ここでお前を葬り去ってやるのがワシの慈悲じゃ」


ギリギリと歯ぎしりをしながら、じいは今まで見たことないような焦った表情で、目の前の黒装束の男を睨みつけた。


ノア「くそっ!!!魔力が全く使えない!!!」

フィレーネ「全く反応がないわね」

アリス「ダメだわ。全然出てこない」

ロア「私もダメだわ」

フィン「まずいな」

レオ「これじゃあ、アリと魔物のケンカの様なものだ。全く勝負にならないぞ!」


セネカ「お前たち、ワシの後ろに集まれ!!」


セイント「お前たち、どうせ死ぬんだ。面白いことを教えておいてやる。俺は呪縛師だ。この空間内では俺以外は魔力が使えなくなるんだ。まぁセネカ・ランビアートは強力な魔力があるから使えているが、お前たちレベルではほぼ抑え込まれて使えないのさ。はははははは!!!」


そう言ったが早いか、じいには無数の攻撃が嵐のように降り注いでいた。じいは自分の周囲に無数のゴーレムを現出させ、攻撃を何とか防いでいた。


セイント「甘い甘い!!!はははははは!!脆い脆い!!セネカ・ランビアート、どうした!こんなものか!さぁ、次の術だ。久々の再会だ!楽しめよ!呪縛砂塵!」


黒装束の男の手の上に巨大な竜巻が現れ、奴はそれをじいに向かって解き放った。


俺たちの周囲にも黒装束の魔法の余波が来た。小さな砂の様な欠片が飛び舞うが一つひとつの砂の様な欠片が俺たちの体にめり込んでいった!!


グハッ!!!!


俺たちは必死で顔などを腕で守ったが、腕を通り抜けて無数の欠片が体全身にめり込んだ。一つひとつが鋭利な刃物で切り裂いているかのようで、累積した損傷のダメージがあまりに大きい為、全員が瀕死状態だ。


(ま、まずい・・・もう一度喰らえば俺たちは死ぬ・・・このまま死ぬのか・・・死んで・・・死んでたまるか!!!!!)


「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」


俺は心の中で絶叫して自分自身を何とか奮い起こした。


たしかに、自分の体の中にある魔石からほとんど魔力が出てこない。だが、よくよく自分の魔石内の魔力を感じれば、魔力自体が消えているわけではないのだ。ただ魔力が解放できないだけなのだ。


(いける!魔石の中の魔力を細く細く編めば解放できる!)


俺は魔力を小さく小さく凝縮し、針のように鋭くさせていった。そして魔石に押し込める圧力に抗った。


(くっそ!!!邪魔だ!!!どけーーーーーーー!!!!!)


俺は必死になって魔力を更に洗練・凝縮させ、とうとう圧力の膜を貫いた。


(よし!!これで解放できる魔力はかなり抑えられるが魔回復は可能だ)

周囲を見ると、みんな地に伏していた。皆の体も俺の体も、そこら中から血が溢れ出ていた。俺は自分の損傷部分に魔力を集中させて血を止め自分の傷を何とか回復させた。そして一番近かったフィンの元へ行った。


「だ、だいじょうぶ・・・か?」


俺も声を出してみたが、胸の奥が軋む。いくら魔回復したところで、かなりのダメージが体内に蓄積されている。


「グ…なんてこう・・・げき・・・グハッ」


フィンは血を吐いた。おそらく肺に欠片が貫通しているのだろうか、血が肺を満たしていき、息ができなく苦しそうだ。そして、ぐったりと倒れ込んだ。


ヤバい!


一刻を争う。体の内部にさっきの砂の様な欠片が体のあちこちにめり込んでいた。このまま欠片を体内に置いたままで治して後遺症が残らないだろうか・・・いや、その前に窒息死で死ぬ。迷っている場合じゃない。


魔力を細く練り上げて手元から魔力を放出した。傷の箇所に手を当て治していった。少しずつ顔色も良くなり、フィンは何とか意識を繋ぎ止めることができた。


レオ「どうだ・・・?う、動ける・・・か?」


フィン「う・・・ん。あ・・・りがとう。息が・・・できる・・・」


レオ「そうだな・・・何とか・・・ここから脱出しないと・・・とにかく・・・、他の奴らの治療だ。フィン、目立たないように・・・皆を一箇所に・・・集めてくれ」


フィン「わ、わかった」


俺たちは満身創痍だったが体に鞭打ち、何とか動き出した。ここから次に近いロアの所へ行って直ぐに治療を施した。俺たちの後ろいた分だけ少しダメージは少なかったようだが、かなりの重傷だ。全身から血が吹き出ている。


レオ「ロア・・・大丈夫か?」


ロア「いきが・・・・できる・・・」


レオ「よかった・・・とにかく・・・ここから出よう・・・いけるか?」


ロア「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。あ、ありが・・・とう・・・な、なんとか・・・動ける・・・わ」


レオ「とにかく今は・・・応急処置・・・しかできない・・・フィンの所へ・・・行こう・・・今みんなを・・・集めている・・・」


ロア「わ、わかった・・・わ」


じいの方向を見ると、黒装束の男から壮絶な攻撃を受けている。じいが動かないのは俺たちがここで蹲っているからだ。俺たちなんて攻撃の余波でこのざまだ。攻撃の大部分が直撃しているじいが、この攻撃から俺たちを守っている。早くここから移動しないと・・・


俺はフィンが集めてくれたアリスとヘレーネとノアの所へ行き、治療を始めた。フィンとロアはじいと黒装束の戦いの様子をじっと注視していた。



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