閑話 リーサとライナー

第69話 閑話 リーサとライナー



私とそっくりな女の子が、叔父様の陰に隠れてこっちをチラチラと見ています。


ふふふ。なんだか子猫を見ているようでとても可愛いですわ。


私はあの子を見ていると、なんだか懐かしいような。一緒に居たい気持ちがわき湧き上がってきます。

なぜでしょう。ほわぁ~っと体が温まるような気がします。


私のお母様とアルーシャ伯母様をまちがえてしまった為なのでしょうか?

あの子は、伯父様の陰にかくれていますが、ずっとチラチラとこちらをみてもじもじしています。


そして、お母様そっくりな叔母様が現れて、あの子がエルーシアという名前と教えてくれました。


それにしても、お母様と叔母様、双子だけあってそっくりです。


エルーシアは、なんとスライム2匹を連れてトトトと走って叔母様の陰に隠れてしまいました。

私たちは水色と赤色のスライムをみて固まってしまいました。

なぜ・・・なぜ? ここに魔物がいるの?

しかもエルーシアがなぜ連れて歩いているの? と考えていると

叔父様はエルーシアがスライム2匹をテイムしたと教えてくれました。


私も大人に負けないくらい魔力あるけど、エルーシアはもっとあるのかしら?

魔物をテイムする人はかなり少ないと聞いたことがあるけれど・・・


固まりながら考えていると、エルーシアは両手でスカートをつまみカーテンシーをして

「みなさま。初めまして。エルーシアと申します。どうぞお見知りおきを!」

と挨拶をしてくれました。でも、すぐに叔母様の陰に隠れてしましましたけれど。

ああ なんて可愛いのでしょう。あの子のような妹がほしいな。






僕はライナー。リーサのお兄ちゃんです。


お母様に連れられて、アルーシャ伯母様のご自宅、ベルティンブルグ公爵領の都ベルティンのお屋敷に来ています。


お屋敷は、僕の家より大きくて使用人の数もとても多いです。

ここに着いてから3日経ちましたが、リーサと同じ歳の従姉妹が今日帰ってくると聞きました。

どうやら、父方のお祖母様のお見舞いにでかけたようです。


僕と妹は母に連れられてお屋敷のお庭に移動しました。

しばらくすると公爵様の家紋をつけた馬車が近づいて来ます。

お母様は、さささっと馬車の近くに行きました。

馬車が止まり、そこから、妹そっくりな女の子が降りて、お母様のところへ一目散で行きました。

僕は、その従姉妹をみて、電撃が走りました。


僕は、両親や祖父母にシスコンだとよく揶揄われる位に妹が大好きです。

だから妹におままごとをおねだりされたら何も言わずおままごとをして、

妹にはいつも優しく接してきたのです。


僕は、妹そっくりな従姉妹のエルーシアに一目惚れしてしまいました。


人見知りのエルーシアを遠目で見て、僕は近づくチャンスを待っていたのですが・・・


さすがにスライムが出てきたのはビックリしました。


エルーシアちゃんは、ずっと叔母様の後をついて歩いていましたが、

メリアちゃんが、僕たち兄妹の仲を取り持ってくれて、おままごとをする事になりました。


メリアちゃんありがとう。


そして僕はおままごとを積極的に行うのです。

今まで妹のおままごとの相手をしてきて良かったと心から思いました。


おままごとをしている最中に、何度か妹とエルーシアちゃんがピカピカ光っていました。


ああ、綺麗な女の子は本当に光って見えると初めて知りました。


そして数日後・・・

コーエンとカスパーという、恋のライバルが来ました。


――――――  ―――――― ―――――― ―――――― ――――――


新作 聖女の紋章の数百年後のお話しです。

魔法のなくなったその先に 【聖女の紋章 外伝Ⅰ】

https://kakuyomu.jp/works/16817330668704507098




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