第二二話 カルガモの親子

第22話


あれからわたしは、お母様の後をついて歩いています。


わたしが、ついて歩いているので、プルプルもポヨポヨも後をついて歩きます。

まるでカルガモの親子のようです。


そんなわたしをお母様は怒ることなく、抱っこして撫で撫でしてくれます。

いとこのリーサ様とライナー様は、わたしに近づいて一緒に遊びたいのでしょうが、わたしがお母様にべったりなので近づかずに遠巻きに見ているだけです。

(この子達は空気読めるのね。何処かの息子とその父親と大違い!)


夕御飯が近くなった頃、メリアがわたしに近づいてきました。

「エルちゃま。アルーシャ様にべったり駄目!夜会の準備 大詰め エルちゃまのせい 遅れた言われたくない?」


た たしかにメリアの言う通りです。

わたしは、それを聞いてメリアと手を繋ぎました。

メリアはニコッとして、わたしを連れて、リーサ様とライナー様の元へ連れて行ってくれました。


「ライナー様、リーサ様。エルちゃま おままごと。

エルちゃま 仲良くなる おままごと 一番!」


そうすると、ライナー様が

「おままごとか! よし。それでは私がお父さん役で良いか? メリアはお母さん役で、リーサとエルーシアちゃんは姉妹役でどうだろうか?」


女の子の遊びなのに、ライナーは乗り気ですね。

ふふふ。これも空気をよんでいるのでしょうか?



「「「うん。 いいよ」」」


3人の女の子はライナーの言う通りがいいとお返事をしました。


(リーサと姉妹って・・・ 本当は双子だから役ってかんじじゃないな・・・)


リーサ様はわたし(エルーシア)の手をとり


「エルちゃん。最初はわたしがおねえちゃんでいい?」


(あら、そのまま 本当にお姉ちゃんなんだけどね)

と思いながらも


「うん。いいよ。リーサお姉様」

と言ってニコッと営業スマイルをしました。


「従姉妹なんだけど、二人は本当にそっくりだね。そんなにそっくりなら双子役の方がなんかしっくりくるな。双子の姉妹役にしようか?」


ライナー兄様は笑顔でそう提案してきました。


(ラ ライナー様。鋭いな・・・)と思いながらも


「「うん。そんなにそっくりなら双子でいこうよ!」」


わたし達はそうお返事しました。


(あれ?本当は兄妹だからかな?この二人で一緒にいるのは、なんだかしっくりくるな。ライナー様も乱暴でなくて紳士的で優しく接してくれるし、リーサは美人だし。でも痩せすぎよね)


わたしは生まれてきたときの事を思い出して

あれが原因で体が弱いのかしら?と思い


《治癒魔法リーサお姉ちゃんの体が良くなりますように》

《回復魔法リーサお姉ちゃんの体力回復》


わたしはリーサお姉ちゃんに回復魔法をかけました。


ちょっとキラキラしたけど、二人は気づいていないようです。


そして、わたし達4人は大人達に呼ばれるまで4人で遊びました。

リーサお姉ちゃんはずっと私の手を繋いでいました。

ライナー兄様も、メリアもずっと笑顔でいます。


プルプルとポヨポヨも、ぴょんぴょんと跳びはねて、とても楽しそうです。

そのスライちゃん達に使用人が、スライム小屋を作ってくれました。

(小屋といっても大人も入れるくらいで、別々にお部屋があります)

二人は小屋の中で遊んでいます。

やっぱり自分の家が出来て嬉しいのよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る