見え隠れする紐パンツ
目と目が合ったまま数秒の時間が流れる。
……何だろ。
凄い見ちゃいけない何かを見た様な……
「見た?」
雫さんそう俺を見つめて、そう尋ねた。
「見たか見てないかで言ったら……見たの、かな?」
そう言うと彼女は、ボンッと赤く顔を染めて
「ん……その、忘れて」
「え、うん……」
忘れられるかな?
そう思って立っていると、突然雫さんはふらりとバランスを崩した。
危ないっ。
それを見た俺は、雫さんに近づき彼女を支える。
「大丈夫?」
「あ……ん、ちょっと立ち眩みしただけ。問題ない」
そう言うが、明かに問題なくない。
「問題なくないよ、ちゃんと休まないと……凄い熱……熱っ、ヤバいって、これヤバいって!?」
「ん、別に……大丈夫だもん、ん」
そう言うと雫さんは俺の腕に体をこすりつけてくる。
腕を腰に当て、足をすりすりと片方ずつ足に当ててくる。
若干、その……雫さんのあれな場所も、布越しにだけど当たってる。気がする。
ふと下を見ると、摺り寄せるたびにTシャツがめくれ上がり……服の端から細いリボンが見え隠れする……
って、まさかあれっ。
「……あの、雫さん」
「何~?」
「下って……」
「ん、パンツだけど……」
やっぱり履いてない!?
いや、なんとなくそうかもなーって思ってたけど……ってことはまさか、今俺の足に雫さんのパンツが、そしてその布一枚の先にある雫さんの大事なところが当たって……
「見る?」
「いや……」
「はい」
そう言うと雫さんは俺が止める暇もなく、堂々とTシャツを捲った。
Tシャツの下には、確かに雫さんの言う通りパンツだけしか履いていなかった。
細く、紐で横が結ばれた俗にいう紐パンツという奴だ。
……ヤバイ、何がとは言わないが、俺の一部も熱くなってる。
「ちなみに上は、下着付けてない……」
そう言うと、雫さんは恥じらう様子もなくTシャツを脱ぎ始め……
「わわッ、ちょ、ちょっとまってー」
「ん、何?」
「いや、なんていうか……その、それはやめといたほうが……」
「何か問題ある?」
いや、問題だらけだけど!?
そう叫びたかったが、上手に声が出ない。
なんだろう、焦り半分、見たいという欲求半分のせいで、おそらく声が出ないんだろう。
……ごめん、嘘。見たいって欲求がたぶん九割くらいある。
そんなんだから、俺が止められるはずないんだ。
「まあ、こっちの方が涼しいし……いいでしょ?」
そう言って、雫さんは………堂々と上を脱いだ。
プルンと小さく揺れ、彼女の胸が露出する。
……わずかな大きさのその二つの山は………確かに俺の目に飛び込んできた。
俺は、止めようとしたんだ。けど雫さんが勝手に服を脱いだ。俺は悪くない。
そう、背徳感を覚えながらも感極まっている俺に雫さんはまた抱き着いてきた。
「あ、し、雫さん!?」
「ん、もっとあなたを感じられる……」
そう言うと、肌を押し付けて彼女はすりすりと体をこすりつけて来た。
……ヤバイ。
凄いやばい。
めっちゃ気持ちいい。
「ん……冷たくて気持ちいい」
「俺もあったかくて気持ちいい……じゃなくて、どどどどどどど、どうしよ!?」
こ、これ雫さんのお母さんとかに見られたら、絶対まずい。通報されたりしそう。あわわ、どどどどどどどど、どうすればいいんだ?」
「はぁ……はぁ、ふ、二人ともいらっしゃいぃ……」
そう俺が焦っていると、息を切らせながら雫さんのお母さんがそう言ってやってきた。
……あ、\(^o^)/オワタ。
「あ、いや、こ、これはその……違くて、その」
「大丈夫よ、見てたから」
焦って弁明しようとした俺に対して、雫さんのお母さんは半裸の雫さんを見て苦笑いを浮かべてそう言った。
「ごめんね、家の娘が迷惑かけて」
「い、いえ……その」
むしろご褒美ですはい。
「本当にごめんなさい……ほら、雫、離れて、服着なさい」
「やー」
「やーじゃないわよ。はい」
そう言って俺から雫さんは引きはがされると服を着せられる。
完全にすっぽり隠れてしまって残念……違う違う。良かったよかった。でもやっぱり残念……
「はい、これでヨシッ……」
「んー……あつい」
「我慢しなさい」
そう言って雫さんは叱られていた。
雫さんに何とか服を着せた雫さんのお母さんは、やれやれと肩をすくめた後俺の方を見て「あれ?」と首を傾げた。
「どうしました?」
「うーん? 美琴ちゃんも一緒に来てたと思ったんだけど……」
「そう言えば」
いたな、美琴さん。
いろいろあって完全に忘れてたが、今日美琴さんと一緒に来たんだった。
……美琴さん、どこ行ったっけ?
そう首をひねり、ふと足元を見る。
「……あ」
「下? んっ、うーん……なるほどね」
雫さんのお母さんは笑顔で少しの間固まり……あちゃーと言うように頭を抑えた。
「雫っ、また貴方美琴ちゃん吹き飛ばしたの?」
「ん……美琴?」
そう言うと、雫さんは首をかしげて……
「あれ? 美琴居たんだ」
足元でぴくぴく震える美琴さんを見てそう言ったのだった。
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