何故か学園一の美少女が、毎日脱ぎたてのパンツ渡してくる件について。

パンツはエッチなのかな？

「え？　チュー？」

「そうだ、チューだ！　したんだな、しちゃったんだなっ‼」

「いや、してないけど……」

「ん、してない……まだ」

　そう言って雫さんは口に手を当てて腰をくねらせた。

　……やばい、ｴｯﾁだ。

　いやいや違う違う。

　ったく、美琴さんが変なこと言うから変な空気になっただろ……

「っていうか、キスしたら子供出来るってなんだよ。そんな……」

　アニメの清楚少女じゃあるまいし。

　そう言おうとしたら、美琴さんは「え？」と首を傾げ……

「チューしたら子供ができるだろ？」

　そうさも当然という風に言った。

「……ねえ、雫さん」

「ん、何？」

「この子、大丈夫……その、純情すぎるというか、なんというか……」

「ん、ちょっとヤバいかも？」

「何が、何がやばいんだ？　や、やっぱお前らチューを……」

「だからしてないし、ってか声でかい！」

　俺がそう言うと、美琴さんはハッと口を押えた。

　まったく、変な事言って変な誤解されたらどうするんだよ。

　別に俺達、パンツを授け授かれるくらいしかｴｯなことはしてない……十分ｴｯﾁｨか。

「……ん、ちょっと」

「わっ、なんだよ……雫」

　そう言うと雫さんは美琴さんの耳元に手を当てて、ごにょごにょと何かをささやいた。

　その直後、美琴さんの顔はリンゴのように真っ赤になる。

「んな、ななな、お、女の子の股に……お、おとこのアレを…………」

「……それで、子供出来る」

「な、な、な……」

　そう言うと、美琴さんは目をチカチカさせ、ボンッと音を立てて目を覆った。

「お、お前ら……は、破廉恥すぎるぞ」

「ん、いや……別に、したわけじゃないし。大体、美琴が早とちりしただけだし」

「そ、そうなのか？　で、でも……お前らその、したんだろ？　ｴｯﾁｨこと？」

「いや、べつにしたわけじゃ……したかも」

　そう雫さんが言うと、美琴さんは「わわわ」と口を動かした。

「や、やっぱりしてんじゃねえか‼　したんだろっ‼」

「だから、してない……そう言うことは」

「え、じゃあなにしたんだ？」

「それは……」

　そう言って困った雫さんは俺に目線を向けて来た。

　え？　なに、俺がなんか言えってこと？

　いやいやいや、そんな目をされても……なんていえばいいか分からんし。

「……え、えっと……」

　どうしよ、なんか言った方が良いのか？

　ちらりと美琴さんを見ると、何処か興味津々な様子で聞き耳を立てていた。

　破廉恥と言いながら、ちゃんとｴｯﾁｨことに興味があるようだ……じゃなくて、えっと……

「その……」

「その？」

「……パンツはエッチなのかな？」

「は？」

　そう言った瞬間、美琴さんは目を丸くさせたのだった。