煽情的な赤パンツ

 次の日。

 俺は、何時もの机で、いつも以上にやつれていた。


「……寝れなかった」


 昨日、俺は好きな子からパンツを貰った。

 ……脱ぎたてのパンツだ。

 エッチな匂いがするパンツだ。

 何故か濡れてたパンツをだ。


 そう考えると、寝れるわけもないんだよな。


「……夢、じゃねえんだよなぁ」


 何度夢かと思ったかは数えてない。

 しかし、現実なのだ。


 現実すぎるほど現実なのだ。


「……どうしよ、このパンツ」


 そう言って俺は、一応洗って持ってきた黒パンツを見てそうため息をついた。


「……ねえ」


「……え」


 パンツから顔を上げると、そこには……パンツの履き主であり、俺の脳みそを支配する頂点存在である雫さんがいた。


「え……あ」


 学校の、しかも教室で突然話しかけられ、てんぱった俺は完全にしどろもどろになってしまう。


 折角雫さんに話しかけて貰ったっていうのに。

 恥ずかしい……また自分が嫌になる。


 こういう時、すんなり話を振ることが出来たら、雫さんと友達に……もっと言えば雫ちゃんと恋人に……いや、雫、結婚してくださいお願いします。


「……ねえ、今日また放課後に」


 なんて考えていた時、雫さんはそう言った。


「え、あ……はい」


 よくわからず、思わずそう返してもらったが……

 今日も放課後に……放課後に……放課後に……放課後に? 

 

 今日もってことは、前もしたこと。

 俺が雫さんと放課後に何かしたのは昨日が初めてだから……


 そして昨日やったことって言ったらパンツをもら……


 だからつまり……


 放課後


 校舎裏で


 パンツ。


 パンツ。

 パンティー……


 雫さんの……パンティー。


 ぱんっ……ぱん………あ、そうだ。


「それじゃ、次、移動だから」


 そう言って去っていく彼女に俺は声をかけた。


「あ、あのさ……その、昨日貰ったコレ……」


 俺がそう声をかけると、彼女は立ち止まって振り返って……


「忘れてた……今日これだから」


 そう言って彼女は振り返ってスカートをたくし上げた。


 スカートのの黒い背景に、白く細い太ももが映える。

 静かに、透明感のある清楚的なスレンダーな体つきの中、彼女のパンツは赤く、煽情的に自己主張していた。


 フリルのついた、真っ赤なパンツ。


 ……エロい。エッチだ。


 そう言えば……あの向こうに彼女の性器があるんだよな。

 布一枚を挟んだ向こう側に……そして、俺のにもった黒色のパンツは昨日、彼女の性器に張り付いて……


「それじゃ、また放課後」


 そう言って教室から彼女は出ていく。

 教室は静まり、残された俺はただ呆気に取られて……


「赤か…………」


 そう呟き、エッチィ匂いのする黒パンツを吸ったのだった。

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