第6話

 毎日毎日。

 仕送りに迷宮と冒険者ギルドの仕事、そして返済。

 迷宮産アイテムが300ゴルドで売れると知って、早15日。

 

 春の2月51日。

 あと、10日もすれば春も3月を迎える。


 忙しいとあっという間だ。

 

 そしてアタシの斥候は無事にレベル20になった。

 迷宮ボスの経験値が良い。

 独り占めというのもあるけど。

 

 そしてアタシは無事に〈巫女見習い〉になった。

 それはやっぱり怪我が治せるから。

 え、瞬殺士で決定って言ってなかったかって?

 だれ、そんなこと言ったの。

 アタシは知らない。

 

 ねえ、聞いて?


 この前、弟のデムがささくれ痛いって泣いていたの。

 これはどうにかせねばなるまい。

 事案だよなぁ?


 え。

 瞬殺士のパッシブスキル取れって?

 話聞いてた?

 ………。

 知った事か!!!!!

 アタシは〈巫女見習い〉として生きる!!!



 —――ジョブ転職可能一覧—――

 

 ・斥候…★

 ・投擲師…★

 ・村人

 ・勇者見習い

 ・探索者

 ・瞬殺士

 ・英雄見習い

 ・隠密斥候(New)

 —――詳細ステータス―――


 ララ……現在のジョブ:巫女見習い

 レベル…1/30

 状態;戦闘奴隷

 力:88→105

 魔力;5

 耐久:23→40

 敏捷:44→129

 器用;115→200

 運:8→9

 

 —―――固有魔法—―――

 

 ・未発現


 —―――スキル一覧—―――

 《穴掘り》

 《逃げ足》

 《投擲》

 《軟体》

 《乾坤一擲》

 《索敵》(New)

 ジョブ固有スキル…《治癒》(New)

 —―――――――――――――


 固有魔法とやらは一向に発現しないが、10歳までには発現するとかしないとか。気長に待ってればいいとのこと。

 

 これでデムくんのささくれを癒してあげられるわ!

 おーほっほっほっほ!!


 ただこの《治癒》スキル……肉体の損傷を癒す魔法スキル。魔力に依存して効果が変動する。

 って書いてあるのよね。


 魔力に依存ってことは5じゃ……治せないかもしれないよね。


 必死にレベル上げなきゃ……。

 幸い、〈巫女見習い〉は魔力が良く育つらしいし。

 これで無理そうでも〈巫女見習い〉が終わったら、上位ジョブ出るだろうしね。

 斥候がマスタリーしたら、〈隠密斥候〉っていうジョブが出てきたし。

 因みに〈巫女見習い〉の条件は自己犠牲の精神があって行動に移す事。

 〈斥候〉は斥候の真似事をすればいいみたい。

 〈投擲師〉は《投擲》スキルを持っている事。


 全部、再度調べたら出てきた。

 アタシが興味ある部分だけ、見てたみたい。

 

 兎にも角にも、〈巫女見習い〉を早急にレベル上げしなくてはならないので、本日も仕送りをして石拾いしてから迷宮へ。

 れっつごーごー。

 

 アタシは何を隠そう未だ一階層にいる。

 二階層には上がらない。

 一階層は混んでる。

 でも二階層まで混んでるか分からないし。

 人少なかったら盗賊とかいるかもじゃん?

 それは無理じゃん?

 

 迷宮入る時に〈何でも買い取り屋:ドンベーイ〉の店主に珍しく話し掛けられてね?

 それで初心者狩りがあるとか何とか。

 治安が悪くなってるから気を付けなよ、と忠告してくれたのだ。厳つい顔の店主はゴーンさんというらしい。

 初代買い取り屋がドンベーイさんらしい。

 ゴーンさんは三代目なんだとか。

 二代目は彼の母親でアゲハさんらしい。

 実に美しい系譜である。


 アタシは、益々このお店を贔屓にしたいと思う。


 アタシは《索敵》スキルを使って、雑魚を回避しつつ、ボス部屋へ。

 どうやら最短ルートでなくてもボス部屋には辿り着けるっぽい。右からぐるっと回るみたいだけど。


 ボスよりも敵に遭わないか、居そうだと思った時どう回避するか、そこが重要で、一番緊張する。

 なんせ、ボスはワンパンだからね。


「今日もありがとうね。」

「ん。こっちも助かってる。…ありがと。」

「良いか嬢ちゃん。こちとら商売で高値で売れるもんを少しばかり安く買い取らせて貰ってる側だ。仕入れたもんを貴族や金持ちに高く売る。それでおまんま食べれてる訳よ。店を構えてるだけでな?だから、嬢ちゃんから感謝されてもおれぁ、どうしたらいいかわかんねえぞ?」


 ゴーンは照れ笑いを浮かべている。

 まあアタシの不器用ながらの気持ちを受け取ってくれたみたいだ。どうやらお互い不器用みたいだからな。

 こっちもこれ以上いるとこっぱずかしくなるから、さっさと冒険者ギルドへ帰ることにした。


「じゃ、またボス塩持ってくるから。」

「おう、またきてくれよな!」


 庶民に高値で売ってないらしい。

 というかこの塩が高級品過ぎる。

 仕入れ値一個300ゴルドだもんな。

 500くらいで売ってんのかな。

 領民とか貴族とかに幾らで売ってんだろうか今度調べようか。


 塩。

 それはミネラル。

 絶対いるじゃんね?

 飯に塩掛けるだけでも美味しいのに。

 最強調味料の塩が取れるとかこの迷宮相当儲かってそう。

 周りは森だしね。

 海があれば、あとは岩塩が取れれば?

 難しいだろう。

 海ならまだしも岩塩みたいな天然資源はね?

 枯渇する運命ですから。

 迷宮があってよかったね。

 ザックロール領万歳!!


 因みにさぷらいず金は4300ゴルド。

 自分の貯金は8600ゴルド溜まっている。

 順調に行くと、あと10日×3回/日×100だとして3000ゴルド。

 合計7300ゴルドの纏まった仕送りが出来るようになる。

 そして自分の分は追加6000黒字の14600ゴルド。

 これは凄いことだ。

 30カ月で御釣りが出て、借金完済出来そうってやばい。

 二年と半年の辛抱なんだ。

 案外短い。


 そう考えると頑張れる。


 ニマニマするのを堪えながら、ギルドの仕事を頑張っていると―――。


 嫌な奴等が現れた。

 思わず身を隠してしまった。


 誰か?

 それはイワシ団のバンダナイワシである。


「なあ、このドリトル森の調査及び魔物の間引きって以来なんだけどよ。ちょっとしけてねえか?」

 

 受付嬢セレアに向かって、早速いちゃもんを付け始めた。

 おそろしいやつよ。


「北部を除いた三方向で全体調査で1000ゴルド。間引いた魔物が30を超えると魔物の買い取り額に追加で1000ゴルド。この金額はザックロール子爵がお決めになった定期依頼です。値段の交渉に行きたいなら、子爵邸へ出向いては?一応、陳情書を出したなら役所にて面会時間が指定されます。ザックロール領では不定住者の自由民ですら子爵が承諾すれば謁見することが出来ます。」


「はあ?それはギルドの仕事じゃねえのかい?」


「ギルドの仕事ではありません。何故なら、この値段は適正どころか、二組でやれば山分けで日給1000ゴルドも稼げる良依頼と判断していますから。一組でやるなら確かに骨が折れるでしょうが、推奨組数パーティーも二組からとなったおります。ディセル団団長のディセル殿とお見受けしますが、組んでくださる同僚がいないのですか?」


「呼びかけても、名乗り出てくれる奴がいねえんだよ!それはこの仕事が旨味の少ねえ依頼だってことだろ?!」


 知ったこっちゃねえ。言いがかりだ。

 なんで、受付嬢セレアに怒鳴るんだ。

 お前、人望ないんか。


「あ、定期依頼みっけ!それ、鷹の団とバラの団が受けます!」


「畏まりました。ではそのように受理しておきます。」


「うぃーっす!」


 さらっと定期依頼書をイワシから奪うと、鷹かバラのどっちかに所属しているであろうチャラ男が引き受けた。

 そして、速攻受理してしまう。

 神速の受理—―判子押しだった。


 イワシはぽけーっとしてると思ったら、みるみる間に顔が赤くなり茹蛸みたいな怒りっぷりを露わにする。


「おいてめえ!!それはウチが受ける依頼だ!!盗んでんじゃねえ!!」

 

 チャラ男の服に掴みかかろうとするイワシ。

 それを軽やかに避けるチャラ男。


「おおっと。こわいなー。あれ、あんた〈仲間殺し〉?ま、誰でもいっか。おじさんてば文句言ってたじゃないっすか。俺達はこの値段で充分っす。受ける為に人も集めてないんじゃ俺達に先に依頼申し込みされても文句は言えないっすよ?これ常識っすよ?」


「だ、てめえ?!いいから取り消せ!!俺達が受けるんだよ!」


 チャラ男はどこ吹く風とばかりに相手にせず、さっさと出て行ってしまった。

 それにしても〈仲間殺し〉のイワシか。凄い異名だな。

 そりゃ誰もあんたらの団と組んでくれないよね。


 イワシは、逃げたチャラ男を追いかけるよりも受付嬢セレアに向かってきた。

 

「あいつらの依頼受理を取り消せ!俺達が受ける!」


「いえ、それはむりです。」


「んだとてめえ?!」


「貴方が先に依頼を受ける、受理してくれ。と申し立てていたならば別ですが、依頼内容に文句を言っていただけですので。」


 そう冷たく返すと、周りの冒険者達も冷笑を浴びせる。

 

「そういや斥候と盾職、背中からずぶりとあいつに刺し貫かれたらしいぜ?それで豚二匹仕留めたんだとか。」


「聞いたよ。斥候が使えねえとかぐちぐちいびってたのを盾が庇ったんだろ?それでいう事聞かねえ奴はずぶりってな。」


「ありえねえ。あいつと組んだら背中から刺されちまう。」


「ああ、こええ話だ。〈仲間殺し〉こええ。」


「うるっせえ!だれだ、そんなデマ流したのは?!」


虚報デマではありませんね。回収した遺体からディセル団の斥候ガガ、盾職のベッケルは背中から長剣が刺し貫かれております。遺体は豚鬼に棍棒で殴られた痕も踏みつぶした痕もなぜか残っていませんでした。彼等は何者か――人間によって致命の一撃を受けた事は分かっています。目撃者もいますし、背中から一突きされたであろう剣の型も同じです。ですが、剣に関しては此処、ザックロール領で市販されている剣で、当時同型の剣を以て参戦していた冒険者、傭兵、騎士がいることも事実です。限りなく黒だと言えますが、裁かれないのは乱戦時それが最良の一手で被害が少なくなった。と判断された作戦だと神に認識されているぽいからです。」


 なるほど。

 つまり、ただ殺したんじゃなくて、その鬼畜策のお陰で神々に罪人認定されずに済んでいるってか?

 とんだ抜け穴じゃないか。


 まあでも人質を盾にして突っ込んできた敵兵を、強力な弓とか槍で敵兵諸共貫いたら、味方も殺したって悪人、有罪になった。なんて話になったらとてもじゃないけどフレンドリーファイアを恐れて手が出せなくなるか。

 戦争そのものに品格だとかを求めるのはそもそもおかしな話だしね。戦いなんて結局敵の兵を効率よく大量に殺す為の作戦を練ってどれだけ策が嵌まるかだって話だし。


 やっぱルールって穴があるもんなんだなぁと実感する。


 少なくとも、イワシは上手い事罪から逃れた策士ってことは分かったね。

 こいつは、罪人にならない方法を知っているって事だ。


 狡猾な奴だ。

 最大限イワシの危険度を上げる必要がある。


「ごちゃごちゃうるせえ!!俺は罪に問われちゃいねえ。ソレがすべてだ!!!!ぎゃははははは!!!!」


 とんだクソ野郎だ。


 他の冒険者も開き直って罪はない。なんてのたまうイワシの事を心底毛嫌いしているみたい。

 汚物をみるかのような眼差しを向けている。

 その光景は受付カウンター越しから良く見えた。


「ほら、俺の言う通りにしろ!さっさと取り消して俺等を正規の請負人にしろ!」


 受付嬢に言葉でも物理的にも迫る。

 そこに現れたのは―――


「黙れ。」


 大鎌を持ったギルマスであった。

 特段強そうには見えないギルマスは大鎌を持っている時だけカッコよく見える。

 威圧感が凄い。

 肌がびりびりする。

 馬鹿みたいに喚いていたイワシはというと、足ががくがくと小刻みに震えている。歯も連動してカタカタ言ってる。

 そういう玩具ありそう。


 どこから現れたのか。

 予兆なしで魔力探知機もヒットしなかった。が、ギルマスはイワシの首に鎌を押し付けた。

 軽く引けばすとんと落ちるだろう。


 状況を理解したのか、イワシのヤツ股間を濡らしてやがった。

 掃除するの誰だと思ってんだ!!!!


 おじさんやるじゃん。でも掃除するのアタシなんだからね!!!


 鎌が離れると、一目散に走って逃げた。

 捨て台詞の一つも言わずに。

 そこは漫画みたいに吐いてけよ!!!


「さっすがギルマスかっけええ!!!」

「お嫁さんにして!!!」

「ずるい!わたしも!!」


 なんて声が上がる。

 黄色い声援良いですね。

 羨ましいね。

 その分、掃除して手伝って貰いたいものです。


 バケツにモップを装備して、大人のお小水を綺麗さっぱり流す。こういうの遅いと余計時間かかるからね。

 石鹸水であらよっと。

 不浄は浄化された。


「ララちゃんには、悪いことしたね。」

「ん。」


 まあ、許しておく。



 結局、一日かけて定期依頼は鷹の団とバラの団の手によって完遂した。

 一週間くらい奴等の話題で溢れていた。

 ザックロール迷宮の「三階層には行くな、仲間殺しがいるぞ。」とか。「大見栄きって、ギルドの依頼取りに行ったくせに何も得られなかった所かパーティーメンバーってだけで白い目向けられてギルド事態に足を運びにくくなった。」って喧嘩してるとか。「このまま行けば、空中分解して解散だな」とか。

 「一緒に居た大柄の男達がいなくなった」とか「女が脱退するって喚いてる。抜けさせないならアンタの悪事言いふらしてやる」とか。でもその後すぐ女が消息を絶ったみたいで、殺されたんじゃねえか。って黒い噂が流れてる。


 どのみち三階層には行けないし、要注意人物として露店の店主や商人やらは耳が早い。

 ゼーゲンバーク王国中で、マークされるのは目に見えてる。

 

 あ、ゼーゲンバーク王国って、ザックロール領の子爵家の大元ね。アタシのいるこのザックロールはゼーゲンバーク王国の王様の持ち物だから。

 

 金があるうちは良かったんだろうけどね。

 依頼は別に受けられないわけじゃないけどプライドが大事なのかな?

 露店はアイテムが買い取ってくれない…みたいだけど。

 先細りするのは分かるけど、些か早過ぎじゃない? 


 アタシを売って手に入れた40万ゴルドもの大金はどうしたんだか。その金があればすぐに不仲とかならないだろうに。

 まだまだ豪遊出来そうだけどなぁ?

 つい、そんなことを考えていると。


「冒険者って金遣い荒いから。ララちゃんが思ってるよりもね。」


 まじですか。

 受付嬢セレアさんたらギルドの仕事しながらちょっと考えてただけのあたしの思考、全部読み取った?

 そうとしか考えられない話し掛けられ方をしてきたから色々表情に出ないように感情を押し殺して、神妙に頷いておく。


 

「神様が罰しないから何してもいいじゃやりたい放題だからね。まあ悪用し過ぎるとちゃんと天罰が下るみたいだけど。」

 

 え?そうなん?天罰あるってじゃあイシュラス神って本当にいるの?いや、神様に逢えなかったから居ないって決めつけるのも可笑しいか。そもそも記憶あるだけのただの庶民……と考えれば

 地球でもその手の話あったっけ?

 殺された男が転生して捕まってなかった犯人逮捕に貢献ってやつ。確かその人別に裕福な家庭に生まれたとかなかったよね。つまりアタシこそが真モブ異世界転生みたいなもん……。

 アタシはモブとして生まれた事にこっそりと落ち込む。


「天罰といえば、ジョージアニスの怪死が有名よ。」


 ほう?


「ジョージニアスは悪徳高利貸しで巨万の富を築き上げた富豪なんだけどね。言葉巧みに金を借りさせて、奴隷に墜とすの。返済能力的に返しようがないなら一生働いてね?ってやつ。最低限の衣食住は保証しないといけないけど、ずっとこき使えるし労働力の貴重さをよく理解した人と言われているわ。現にジョージニアスは制度・法の穴を突いて、たった5年で富を築いてみせたと言われているし。その年収は小国家の予算規模とも呼ばれているわ。でも詐欺紛い、迷宮を利用した隠蔽殺人、それこそさっきのディセルがやってたような殺す気があったくせに作戦として罰せられないような〈仲間殺し〉を指示した黒幕だったみたい。巨万の富を築いて10年後。荒稼ぎしまくってたジョージニアスとその家族、深く関係していた組織の幹部が全員血飛沫を上げて乾涸びて死んだそうよ。」


 15年は悪さが出来るのか。

 それだけしないと天罰が下らないなら、ちょっとした盗賊行為やディセル個人規模なら天罰は下らないだろうな。

 それこそ何万か奴隷に仕立て上げて……その裏で何十万と闇に葬って来たとか。それこそ国家レベルの悪事か。

 他人の人生を壊しまくったから天罰が下ったんだろう。


「それって有名な話?」

「ええ。天罰が実在するって分かれば、人は悪い事しなくなるでしょう?今回だってディセル団からは買い取り拒否とか商人達が噂を聞きつけて自発的に動いたのが証拠ね。誰も悪事に加担したとイシュラス神に思われたくないのよ。」


 それでもやるって事は多分、ディセルは気づいてるんだろうな。奴は天罰なんて恐れてなさそうだ。

 商人が率先して動くのは高利貸しという商いで天罰が下ったからだろう。バカはむやみに畏れ、聡い者は商人という括りの人間がイシュラス神に目を付けれていると警戒していても可笑しくはない。


「イワ…ディセルの奴は盗賊に身を落とせばいい。」 


「本当にそうよね。盗賊とか殺人鬼に身を落とせば生かして捕らえると報奨金が出るし、殺しても罪には問われないんだから。」


 イシュラス神は犯罪者に対して容赦のない神様なのかもしれない。といっても神様が動くことは相当数の人間を巻き込んだ余程の悪事って事。

 塵も積もれば山となるから気を付けねばなるまい。


「じゃ、退勤。お疲れ様」

「お疲れ様、はいどうぞ。」

「ん。じゃ、これ。」

「はい確かに。」

 

 日給の受け取りから借金返済までもう当たり前の流れとなっている。


 そしてアタシは準備を整え、家族の安否確認、石ころ補充をして迷宮へ。力が100を越えたのでそろそろ《投擲》でどうにかなるんじゃなかろうかと鬼蜘蛛相手に投げてみたのだが、一撃ではなかった。二投目は、焦って腹部に、粘糸を飛ばしてきたので木を盾にして隠れて回避、三投目は迫りくる鬼蜘蛛の顔面に、アタリ所が良かったのか、怯んでくれたので四投目も顔面に命中。

 それで頭が半分潰れたみたいで、弱っているように見えたので五投目、ダメ押しの六投目で撃破。

 

 経験値が体に入ってくるのが分かった。

 でもそれどころじゃない。

 アタシは近場の安全地帯に潜り込んで一休みする。


 100じゃ、6回?!どうなってんの?!あの個体が強すぎただけ?!はあ?!

 

 ぷち恐慌状態である。

 おちつけおちつけおちつけおちつけ。

 ………。

 豚鬼だってスキル効果で10倍の攻撃でぶっ刺さってたのに?

 その時は、〈力〉10だった。

 いや、落ち着いて。

 確か、投げたのは石ではなく牙。

 それも月狼のメインウェポン。

 そういえば、月狼の牙を折った時も10の筈。

 あれ、その時は牙を折っただけ……?


 眼窩に刺さった牙は豚鬼の頭蓋に深く刺さってたのを見た。

 引っこ抜こうとしてね。

 目は骨より柔らかいのは分かる。

 でも直接当たった牙ならまだしも目玉という緩衝材があって頭蓋にまで達する威力が保てるのか。

 それと豚鬼の頭部は月狼の牙より柔いのか硬いのか。

 色々考えたけど検証が足りないから分からないけど、ゲーム知識を活かすなら投げるアイテムで威力が変わっても可笑しくない。現にアタシはあの牙最高過ぎて再利用したかったほどだし。

 

 アイテムごとの攻撃力も加味されて十倍なら本当の所は幾らの攻撃力でダメージを与えていたのか。

 少なくとも、レベルが上がって鬼蜘蛛を狩り対象に選んだ時は3回レベルが上がってた筈。てことは〈力〉が12加算で22。石ころが基本攻撃力1(仮)として23。十倍で230の攻撃力。

 これが鬼蜘蛛ワンパンライン。

 今は105とかの筈。……そりゃワンパンできませんわ。

 で、105なら頭に5、腹に1か……いや腹は関係ない?かもだから頭5?。

 まあ覚えておいて損はないね。

 

 勝手に鬼蜘蛛を弱い奴みたく思ってたけど、めっちゃ強いんじゃん。

 アタシよく《乾坤一擲》スキル使わずに戦ったな。

 自分の事褒めてあげたいわ。

 二度とこんな検証御免よ。


 あれ、でも100で牙が折れるなら、月狼に手を出しても……いやいやいやさっき死ぬかもしれなかったのになんてことを考えるんだ。アタシ戦闘中毒者なのかな…。


 荒くれものにひゃっはー系が多いのは戦闘中毒なのかもしれない。


 日暮れ。

 森を出て、迷宮に向かう。

 

 辺りは夕日が沈み、暮夜となっている。

 一応、イワシが歩いていないかその仲間と出くわさないか確認している。挙動不審にならない程度にね。


 ザックロール迷宮に辿り着く。

 

 相変わらず冒険者の数が多い。

 一階層で戦う奴はどいつもこいつも雑魚狙い。

 レベル上げをして、十分に育ったと判断したら一階層のボスを倒して二階層に上がっていくらしい。

 

 こいつ等は雑魚であって雑魚ではない。

 攻撃を食らえばアタシじゃ致命傷になるに違いない。

 せめて耐久300くらいになれば被弾しても良いかもしれないけど。いや、検証でも被弾などしたくはないが。

 

 なぜわざわざ痛い思いをしなくてはならないのか。

 したいわけなかろう?

 当分はノーダメージで行こうと思う。



 左、左、他の冒険者達が戦ってるから止まって……左・・・・・・・左、あ、行き止まりだ。

 戻って右へ。

 

 いつも間違える。

 覚える気がないだけ。


 オオナメクジリとの戦い。

 

 バシュン!!!

 

 K.O.!!!


 レベルが上がり、全能感に満たされる。

 慣れたもので、角みたいな塊の塩を石ころ袋に入れ退散。 

 相変わらず、二階層には上がらない。

 

 三階層にいるっぽいイワシのせい。

 ってことにしとく。


 実際問題盗賊になってたら、問答無用で襲ってくるだろうからね。子どもだし女だしイワシはバンダナがトレードマークみたいな所あるから子連れイワシになったらみんなの監視の目をかいくぐっちゃうかもしれないから。

 

 強制送還。


 迷宮の外に出たのは良いけど帰ろうか、帰るまいか。

 洞窟のような見た目の迷宮は地面が盛り上がって出土したかのよう。その裏は木々が生い茂っている。ので、久しぶりに《穴掘り》して、安全地帯を作って、潜り込む。

 休憩。安全地帯の中はタダ掘っただけじゃない。

 ちゃんと草葉をこんもり敷いているからふかふかだ。

 癒しの時間だ。

 これを作るのに40分は掛かった力作である。


 

 ガサゴソガサゴソ………。


 迷宮裏に作った安全地帯の方へ誰かが近づいてくる足音がした。近づいてくると言っても近場を通っているって感じだが。

 こんな所にくる変な奴なんていたのか、と自分の事は棚上げした感想を抱いていると声が聞こえてきた。


 どうやら、男二人組っぽい。


「はあはあ、どうして俺達がこんな目にくそくそくそ!!!」

「……はあ、静かにしてくれ。誰かに聞かれたらどうする。」

「こんな所に誰かがいるわけねえだろ?!ちょっとは考えろ?!」

「たしかに、いたら気持ちわりいな。」


 いやーいるんすわ。

 まったり休憩してました。

 てか、こんな所って失礼だろ?!

 気持ち悪いってなに?!乙女に失礼過ぎ!!きぃいいいいい!!!!


 完全に棚上げしてたことなどすっかり忘れて内心で抗議しつつも聞き耳を立てる。


 男声A「……それもこれも全部あのクソアマが俺達を裏切ろうとするから。」

 男声B「はあ……。せっかく雇ったタンク二人をぶっ殺したせいだろ。」

 男声A「はあ?!あいつらもクソだ!!たっけえ金払って雇ったってのに対して役に立たねえ。あああ、あのゴミ共とクソアマのせいで40万ゴルドもあった金が……。」


 見えてないので男声AとBにしてどっちがどんなことを言っているのか脳内で振り分ける。

 近づいてくるこの不快な声……40万?

 覚えのあるワードが脳裏を巡る。

 何だかんだ一月以上も経っているので判別できないくらいには忘れていた。

 高級穴蔵から顔を出して確認したら一発だが、バレる可能性もある。でも話を聞く限りイワシである。顔出したくないぁ。


 男声A「金は大事だが、工面する方法も探さないと。何処も碌に取引したがらねえ、クソ!」

 男声B「奴隷商に身売りでもして、運んでってもらうか?」

 男声A「なんでそんなみじめな事……!」

 男声B「それが一番手っ取り早いし、俺達なら片田舎でほとぼり冷めるのを待っても何とかやってけんだろ。」

 男声A「……いや、ちょっとまて。奴隷商のジベロにガキを売ろう。」

「はあ?」


 本当に、はあ?である。

 悪態を吐いてばかりの男声Aは法に触れても何も思わないようだが、話し相手を務めている男声Bはどうやら正規(?)の手段で活動しにくくなった(?)、この地から男声Aの突飛のない話に驚いている様子だ。

 

 男声B「……ガキはどうやって調達するんだよ。」

 男声A「庶民区から掻っ攫う。親はぶっ殺して、ガキだけジベロに売りゃあいい。あいつは商品さえ手に入りゃ売り捌いてくれっからな。」

 男声B「……なら狙うのは片親か?」

 男声A「そうだな、それがいい。流石、ギーズ良い考えだな!大人一人分なら森にでも捨てちまえ、魔物に食わせれば証拠は無くなる。」

ギーズ(仮)「襲うなら夜だな。でも目星を付けねえと……。八歳以上のガキで片親となると……。」

男声A「バカが。ジベロなら八歳より幼くても買い取ってくれらぁ。」

 

 まともな方Bはギーズらしい。てことはAはイワシなんだろうけど。

 迷宮から出て来てただけでなく、庶民区で殺人拉致するとか仄めかしてる。

 

 ギーズ「あ!それならあのガキの所なら20万とはいかねえが、そこそこの金を置いてんじゃねえか?ほら、40万で売りつけたあのガキだよ。」

男声A「あの吹っ掛けて売ったガキの……?借金してたら何も残ってねえ可能性もあるぞ?そもそも他にガキがいるのか?」


ギーズ「ディセルは買いに行ってねえから知らなくて当然か。俺は20万も出したくなかったんだ。だから値下げ交渉に役立つかと思って食い下がって事情をちゃんと聞いたんだよ。したらよ。あのガキんとこは母子家庭で母親が倒れたそうだ。生活に困ったアイツは、下のガキと母親の為に自分で身売りしに来たんだとよ。志願してくる戦闘奴隷は意欲的だし、そもそも戦闘奴隷の数が足りてねえ。元同僚や実力者でもない限り、志願しねえしな。だから向こうも絶対値引く気がなくて、言い値で買ったってわけよ。」


 確定したくないけど、確定っすわ。

 それと標的が我が家に?

 そりゃ、もう全面戦争だなオイ。

 明確な対立相手を殺すことが殺人として咎められるのか知らんけどやるっきゃないな。


「てえことは、薬代と日々の生活代くらいしか使い込んでない…?俺たちゃまだ天に見捨てられてねえな!!」


 こっそりと穴蔵から出て、奴等が見える位置に移動する。

 その間も話し合ってるようで此方には気づいていない。

 《乾坤一擲》スキルは使用可能状態。

 手には石ころ。

 背を向けているのはギーズ。その奥にイワシ。

 ギーズをぶち抜いて、イワシも殺す。

 ギーズの方が体格が良い。だから頭を狙う訳には行かない。

 狙うは心臓。

 

 人を殺すのは初めてだ。

 少しだけ緊張するな。

 手が震える。

 魔物退治ですら、震えなかったのに。

 貪欲にレベル上げとかしてたのに。


 落ち着け、落ち着け落ち着け。

 あれは人の皮を被った魔物だ。

 ……。

 《乾坤一擲》で威力強化—―《投擲》スキルで命中補正—―

 狙うはギーズの背。


 どりゃああああああああ!!!!!!


「ぐべぇ”!!!!」

「ぎゃっ!!!!」


 二人の悲鳴が聴こえた。

 近づきはしない。

 足音を立てないように迂回して安全地帯へ。

 経験値が入り、全能感が襲ってくる。


 暴れ回る心臓が耳元までドクンドクンと脈打って聴こえてきて、外に聞こえているのでは?と錯覚まで起こしそうになる。


 自分の心臓が煩すぎて、ちゃんと隠密出来ているのか分からない。


 狙った側なのに、狙われているかのようにアタシは震えている。穴蔵で手がぶるぶると震える様を見て、無性に母ちゃんやデムルリに会いたくなった。

 何かから堪えるようにアタシは必死に自分を抱きしめて………気づいたら眠っていた。


 正面から見てザックロール迷宮左側の森に作った安全地帯から這い出て、《索敵》スキルを使いながら迂回して右側の森からアタシは出た。露店が立ち並んでいて、その裏をこそこそと歩いて回っているみたいで良くないことをしている気分になってくる。

 良くない事なんてしてないんだけどね。

 

 相変わらず、露店の一番端は《何でも買い取り屋;ドンベーイ》が構えている。

 

 本当は二つ持って売りつける所だが、塩を一つ持って目の前に姿をみせる。

 

「お、嬢ちゃん。今日は来ねえんじゃねえかと思って店を閉めようとしてたんだが。またオオナメクジリの塩持ってきてくれたのかい?」

「ん。これいつもの。」

「どれどれ、うむ。まいどあり。300ゴルドな。いつもありがとうな。」

「ん。」

「嬢ちゃん、今日は暗いな?なんか嫌な事でもあったか?」

「んん……。」


 ゴーンめ、流石商人か。日頃の表情や雰囲気はばっちり把握されてたらしい。


「まあ、言いたくないなら良いけどよ。あんまり無理すんじゃねえぞ?」

「ん。またくる。」

「ああ、もう遅いから気を付けて帰るんだよ。」


 恐らく深夜帯。

 腕時計の一つでも買おうか。

 安めのやつで。

 買えるか分からんけど。

 安いのあったら。


 迷宮前に立ち並ぶ露店は食い物系以外は殆ど買い取り特化している。あっても装飾品の類である。

 

 ドンベーイ店も買い取り特化している店の一つだ。


 散財するのが嫌だから遠巻きに見る位だが、今日は近場で見たからね。恐ろしく旨そうな焼き鳥が売っていた。

 あれは絶対ねぎまだろう。ぼんじりだろう。むねだろう。

 ああ、食べたひ。

 

 通った時は美味しそうだなと思っただけなのに、思い出したら食欲がわいてきた。

 ……。

 認めたくはないが、ドンベーイの三代目店主ゴーンに心配されて元気になったみたいだ。

 あの店には足を向けて寝られないな。

 

 冒険者ギルドに帰り、お金をベッド下にしまい仮眠する。


 朝。


 21ゴルドを仕送りし、ちょっと長めに三人の息遣いを感じる。

 生きてる事を確認し、ドリトル森へ石ころ拾いへ。


 一応、冒険者ギルドから我が家に向かう際、《索敵》スキルを展開させて誰にも付けられていない事を確認する。

 まあ範囲外から見られてたらどうしようもないけど。

 死体を確認していないから、もしかしたらがある。

 レベルが上がったから一人は殺している。

 それは絶対だ。


 こんな手間なことをしているのは、あの経験値が二人分だったのか…。

 それが分からないからだ。


 ジョブに〈殺人鬼〉とかあったらどうしようと思って、見てもいない。一応、《治癒》が使えるので盗賊みたいに自動変化はしてないっぽいけど。

 

 石ころを集め、ザックロール迷宮へ。

 

 朝からご苦労様です。

 一階層には新人が溢れてる。

 複数人でパーティーを組んでるからかレベルが上がり辛いのだろう。

 ボス戦でも経験値分配したら何体倒して1レベル上がるのか。

 考えたくない。


 4人から6人のパーティーが、かなり多い。

 それでいて雑魚狩りが早いもの勝ちなのだから更に効率が悪くなっていると思われる。


 まあ安全には代えられないよね。

 

 他の新米冒険者のお陰で、雑魚と接敵せずに安全にボス部屋にいけるのである。


 感謝しかない。


 ボス部屋は割と空いている。

 今日は待ち時間なし。

 ちょっとの力で扉が開く。

 中央に鎮座するナメクジ。

 

 相も変わらず気持ち悪いビジュである。

 

 何十と討伐しているのに愛らしく感じない。

 愛着が生まれない。

 

 本能が忌避しているのだろう。

 さすが魔物だ。

 これを克服するとモンスターテイマーとかになれるのだろうか?少なくともアタシにはナメクジをテイムしたいとは思わない思えない。

 だから殲滅させてもらうよ。


 バシュン!!!


 ぽんっと現れるドロップアイテム。と同時に経験値がすぅっと入ってくる。レベルはあがらなかった。

 塩の塊を手にして部屋を出て行く。


 スキルにクールタイムがなければ連戦するのに。

 何度乾坤一擲のスキルにクールタイムがなければと思った事か。

 

「おはよう。ん、これ。」

「おはよう、嬢ちゃん。どれどれ、よし。オオナメクジリの塩だな。300ゴルドだ。」

「ん。またね。」

「ああ、またきてくれな。」


 厳つい顔したおっさんが優し気に見つめる姿は娘を見送る父のように見えたことだろう。

 

 小銀貨3枚を石ころ袋にしまい、冒険者ギルドへ。

 仕事に掛かり、あっという間に昼休憩。

 休憩時間は一時間あるので、21ゴルドでご飯を買ってステータス盤を持って裏へ引っ込む。

 

 死体(?)を見に行く勇気はまだないので、ステータス盤で自分のジョブを確認する。


 —――ジョブ転職可能一覧—――

 

 ・斥候…★

 ・投擲師…★

 ・村人

 ・勇者見習い

 ・探索者

 ・瞬殺士

 ・英雄見習い

 ・隠密斥候

 ・断罪者(New)

 —――詳細ステータス―――


 ララ……現在のジョブ:巫女見習い

 レベル…3/30

 状態;戦闘奴隷

 力:105→107

 魔力;5→15

 耐久:40→41

 敏捷:129→130

 器用;200→201

 運:9→10

 

 —―――固有魔法—―――

 

 ・未発現


 —―――スキル一覧—―――

 《穴掘り》

 《逃げ足》

 《投擲》

 《軟体》

 《乾坤一擲》

 《索敵》

 ジョブ固有スキル…《治癒》

 —―――――――――――――


 レベルは2上がり、魔力5、他は1。

 めっちゃ弱い上がりだが魔力が一切伸びてなかったのを鑑みれば、魔力が上がるだけ凄い事なのかもしれない。

 それと違う部分がある。

 今まではジョブがマスタリーするたびに〈運〉が1伸びていたのだが、今回は1上がっている。

 考えられるのは2レベルで〈運〉が1上がったのか、悪人を一人斃したから1上がったのか。

 もし前者ならレベルが5になれば1上がる事だろう。

 5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25,27,29の13回〈運〉は上がるはずだ。

 でも後者なら……一人しか始末で来ていないということになる。

 背筋が寒くなった。

 まだ、確定した訳ではない。

 アタシは断罪者についてはスルーし、家族の身を案じる。

 何か起こってないだろうかと心配になる。

 

 嫌な事というのは妄想が膨らむものである。


 ネガティブ思考を振り払うように仕事へ戻る。

 ギルマスとか受付嬢セレアに相談するのも手ではあるが、安易に情報を流してもよいのだろうか。

 現状、別に依頼がある訳でもないのだ。

 彼等イワシ団を捕まえろ。てきなね?

 冒険者ギルドでは要注意人物であることが周知されているだけ。

 イワシ達は依頼も受けることが出来る、勝手に商人が取引を止めただけなのだ。


 やはり死体を確認しないことには始まらないか。

 生き残りがいるというだけでララにとっては脅威だ。

 家族は今離れ離れなのだから。

 一大決心して夜—―に向かうことに決めた。

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