変態な人とは、アブノーマルな性癖を持っている人ではなく、内に秘めたるアブノーマルな性癖を誰かに見せつけたいと思っている人のことだ
「うーんなかなか美味しかったよ」
「そいつはどうも」
返事をして僕が食器を運びわかばさんは空になった鍋を台所まで運ぶ。
「じゃあよろしく」
「手伝ってくれないんですか?」
「そのかわりマッサージできるから」
「じゃあ、良いですよ」
僕は承諾してスポンジに泡を立てる。そんなに時間はかからないうちにリビングに戻りカーペットに寝ころんだ。
「えっ」
「えっ」
カーペットに寝ころぶやいなやわかばさんと目が合う。
彼女は寝ころんでいた。僕の隣で。
「あれ? マッサージは?」
「何を言ってるんだいきみは、マッサージはきみが私にやるんだよ」
「えぇマッサージできるからって言ったじゃん」
「私のマッサージができるからって言う意味さ」
「まじすか」
「おおまじさ、ささ早く私の身体をほぐしたまえよ」
傍若無人とはまさにこのこと。
「さぁさぁは~やくは~やくマッサージしてくれよ」
足をばたつかせ、催促を促すわかばさんを僕はため息を吐きながら言うことを聞く。
こうなるとそれ以外の選択肢がないのだ。
「はい」
わかばさんは仰向けになって、手を僕に向ける。
「はいって?」
うつ伏せになって背中をマッサージすると思っていた僕はその奇をてらった構えに驚く。
「マッサージするんだろう、早くしたまえおっぱいマッサージ」
「えぇ、それはちょっと」
「ちょっと、だってまだ月曜日だし……」
「きみは曜日で私のおっぱいを揉む気分が変わるのかい?」
わかばさんがすかさず言う。
僕はどんな顔をしていいのか分からずに動きを止めた。
「あぁそうかい、服が邪魔だって言うならそう言えばいいじゃないか、スケベだねぇ脱げばいいんだろ脱げば」
素早く起き上がって上着を脱いで、白い肌が露わになる。紫色のブラジャーのホックを外そうとしようと後ろに手をかけたときにようやく僕の身体は動いた。
「うわっ」
「あっ」
わかばさんの短い声が耳元で溶ける。
止めようとした僕の右手がブラジャーの中に滑り込んで覆いかぶさるように押し倒していた。
「す、すみません」
咄嗟に謝って、ブラジャーから右手を出す。
手が震えていた。
わかばさんはそんな僕の首に手を回して、両手をかけると体重をかけた。
再び覆いかぶさる形で倒れた僕は、わかばさんの身体に纏わる匂いを感じていた。
「……するかい?」
彼女は声を震わせながらそう提案した。
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