星は輝く。いつまでも。

@kakurekumanommi

第1話

大学3年の夏休み最終日、秋風に吹かれながら星を見ながらタバコを吸っている。

思い出すのは貴女と付き合って初めての秋のこと。

あの時は世界の全て色づいて見えた。

君と過ごす秋はどんな楽しいことがあるのだろう、冬は?春は?とこれからの時間が楽しみで楽しみでしょうがなかったよ。

そういえば貴女とは秋の星座だけは見に行ってないよね。貴女はそこまで星は好きでもなかったけど。私が好きだからいつも付いてきてくれた。あの時間はちょっと特別で、でも貴女が隣にいることは奇跡で、星にまで手が届きそうな気がしてた。

今の自分は荒んでると思うんだけど、星だけはいつでも輝いて綺麗で、今でもそんな手の届かない輝きの中にいたことが夢みたいで、星の儚い輝きとあなたを重ねてしまう。そんな風に思ってしまう自分が嫌になる。

周りにどう思われたっていい。夜空に輝く星のように堂々と輝いていればいいんだって思ってた。

あの時の私は一等星になった気がした。でも周りから見れば二等星、三等星で自信過剰だったんだろな。

貴女はそうじゃなくて、気がつけば彗星のように途中で離れて別の所へ行ってしまったみたいだ。

午前2時、オリオン座が姿を現し始め、ああ、冬が近づいてきてるのだなとしみじみと思う。たまに星座が見えなくなるのは、タバコの煙なのか、涙なのか、酒の酔いのせいなのか私には分からない。

私はいつでも惑星でも彗星でも恒星でもなく、宇宙に浮かんでい塵のひとつなのだろう。新しい恋して輝いている貴女はいつの間にか遠く、遠くへと行ってしまったみたいだ。

会いたくなくても貴女は同じ教室にいて、でも話さえ出来なく、貴女は私のことを嫌っているだろうからただ横目で覗くことしか出来ない。

やっぱり貴女は星のような人だ。

そんな人と一緒に過ごせたことは奇跡で必然ででもやっぱり奇跡で。思い出達も星のように輝いて、星座のようになって。

これからも眺めることしか出来ない。

思い出はいつまでも輝いているけど。

今日からは新しい思い出を作って、負けないくらいの輝きを放つそんな人と過ごせたら。

なんて。

ああ、


今日も''星が綺麗ですね''

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