第11話 君に決めたっ( ゚∀゚)o彡°今日から君は肉...

 そろそろお話の中で残酷描写が頻発するかもしれません。

 毎度まいど不謹慎な登場人物が冗談を言う不愉快展開もあると思います。

 悪役令嬢(・ิω・ิ)?

 ルイルイは元気ですが、たぶん、悪役令嬢学園編は無いと思います。


 ***


「..ルイーズたんのお母様は、たどり着けなかったのね」


 それには天魔くんもソノラも答えてはくれません。

 たぶん詳細を知るには、支払いが必要なんでしょうね。


『ルイルイ、慰めの言葉を言ったほうがいいかい?』


「いいえ。

 私はルイーズではありません。

 悲運のお母様の人生を私はどうとも思いませんわ。

 ただし、復讐ノートにお母様に為された罪も追加ですわ。」


『聞いてもいいかい?』


「あら、覗いてもよろしくてよ」


『僕っちはね、君の味方だよ。

 君がこういう言葉が嫌いだって知っててもね。

 僕はね、こう見えて恩には報いる悪魔なのさ。

 君が嫌がることって基本的にしたくないんだよぅ。

 だって、僕はアシュトン坊やの味方だったし、ヘルベルトとも長い長い付き合いだ。

 悪魔な僕っちらしい言い方をすればね、君の死んだ親族からは、お代を多くもらいすぎているんだ。

 だから、その分のサービスだね。

 君が十分大人になるまで、ちょっとしたサービスタイムなんだよ。だから、君の気持ちは君から聞きたいんだ。』


「それはそれで、少し怖いですが。

 それなら、私はルイーズという子どもによって呼ばれた、まぁ人生をもらったのですわ。

 前世の記憶なのか、私が寄生しているのか、そんな事は関係ありませんの。

 私は今、ここに私として生きている。

 タダで受け取ってしまったんですもの、大切にする所存ですわ。

 この恩恵に、私は答えなければなりません。

 彼女ができなかったこと、味わえなかったこと。

 当然、彼女が得るべき利益を追求しなければなりません。

 私が恩などという言葉を言うのは変かしら?

 変でもね、私も恩と義理、約束は必ず果たすタイプですの。

 タダで利益を享受するなんて、私の嫌いな奴らと同じになってしまいますもの。

 だからね、天魔くん。

 敵対者を苦しめるのが私の使命で、恩返しだと思うのよね。

 ルイーズたんとお母様を苦しめた相手を、そうねぇ動画にあげられないようなグロい末路を用意したいですわ。

 まぁ最近の動画はセンシティブ過ぎて思春期くんだから、それほどグロい事にはならないかも。」


『こちらにも動画と迄はいえないけど、記録用魔道具があるから、配信する?』


「犯罪記録を残す十一歳公爵令嬢ってどうかしら?」


『(゚∀゚)』


「まぁ偽装工作にはよろしいかもしれませんわね。

 そんな感じで私が命を長らえる事が一番ですが、次に願うのは敵対者を苦しめること。

 死よりも苦しめる事。

 ほら、私、スカウトされたんでしょうからね。

 天魔くんと相性バッチリで、ちょっと良心が少なくて。

 あら、無い、かも?

 そんな私が呼ばれたんですもの。

 生き地獄というものを相手に味合わせなくちゃいけませんわ。

 ふふっ何事も計画をするって楽しくありませんこと?

 さて、時間は有限ですし、お茶ももう結構ですわ。

 今夜の寝所はこことして。

 それよりも、この下の通路は生きておりますの?」


「バッチリっす(゚∀゚)」


「よろしい。では、肉壁の調達に」

『ストップ、ルイルイは休息の時間だ。

 食事はさっきのお茶とお菓子でお腹がいっぱいでしょ?

 少し横になるか、このまま寝ちゃうかだね。

 この建物の警備は、まぁ今回も大サービスで僕っち、眷属召喚しちゃうぞ(>ω<)

 という事でソノラは、寝台の準備ぃ〜の後に、肉壁候補の選抜。

 そしてそして、れっどすねいくかもぉん(>ω<)』


 と、脳内で悪魔くんの早口が通り過ぎました。


 れっどすねいくかもぉん?

 レッドスネーク?

 これは又、昭和のカホリ、高齢な方々しか通じないお約束の呪いではありませんこと?


 当然、赤い蛇でも召喚されるかと思ったのに、眼の前には小さなコオロギが一匹。

 シビビッと飛んできました。

 ティーカップに落ちて死にそうになっていますね。

 カメムシじゃなくてよかったのかしら?


『違う違う、単に虫が窓から飛び込んできただけ(>ω<)

 召喚したのアレアレ(゚∀゚)』


 開け放たれた窓の外に赤い瞳の生き物ですね。

 やはり蛇ではありません。


「蛇じゃない、だとぅ」


 一応お約束的ツッコミをしてみる。


『無料サービス特典、バスカヴィルじゃなくて、アクマのわんわんですっ(゚∀゚)

 コンゴトモヨロシクゥ!』


 犬?


「天魔くん、天魔くん、悪魔界では犬って足がいっぱいありますの?」


『(´ε` )』


「天魔くん、天魔くん、何だか犬にしてはみたいな顔してるんだけど?」


『(;´Д`)』


「天魔くん、何か黒いモヤモヤした本体が、庭を横切った猫を食べましたわ!」


『(´Д⊂ヽ』


「あ〜気にするの止めますわ。

 ですものね、文句を言ってはいけませんね。

 ありがとう天魔くん」


『うん、予想以上にルイルイの属性が邪悪だったみたいで、余剰魔力で呼んだら、けっこうエグいの来ちゃったのん。

 でも、これでここに近づいた奴は自動的にボッシュート地獄行きできるっち。

 さすがルイルイ、アシュトン坊やと同じくどす黒いパワー全開やぁ』


 ナチュラルディス直球悪口ありがとうございます。

 何だか考えるのを放棄して、寝る事にしました。

 悪魔公認で邪悪とか、さすがの私もちょっとメンタルが揺らぎそうです。

 ちなみに鳴き声は普通?でしたわね。

 犬?


「じゃぁお嬢様、そっちの小部屋が寝室ですよぅ。さぁお布団も綺麗ですから、安心してくださいねぇ〜寝てる間に肉壁探してきますんで」

「あまり人前で肉壁と言うのは控えなさいね」

「はぁ〜い」


 ***


『犬、呼んだはずなんだけどな(´・ω・`)』


 くコ:彡ワンワン


『鳴き声だけは犬、つーかお前、ちょっとふざけてない?

 いや、飼い主の要望に答えただけ?

 混沌系じゃないから人語を解するのかぁ..いや聞いてないんだけどぉ何でそんなにふれんどりぃなの?

 クラーケン種じゃないよね?

 大王イカっぽいけど、もしかして魔神属性..いやいやいやいや』

「さすがお嬢様っす。

 悪魔界人気ナンバーワンのヘルベルトっすね。

 邪悪さと強大な魔力で、これなら閣下もに返り咲けそうじゃないっすか?」

『僕っち別にお気楽な人生もいいと思ってるよん』

「その心は?」

「弱小悪魔や魔王を喰おうって野蛮な奴らばっかりなんだもん。

 喰われる前に喰うしかないしぃ。

 僕っち大激怒。

 天使も聖霊どもも、誰のおかげで遊べると思ってるのかなぁ。

 ちょっと目を離せば、雑魚人間どもまでがヘルベルトを絶滅させようとするしぃ。

 ヽ(`Д´)ノプンプン。

 と、いうことで、僕っち大サービス期間中。

 ガチャも無料で回しちゃうぞ\(^o^)/ってな感じぃ。

 じゃぁソノラ、獲物調達お願い。

 ルイルイが起きる頃に、ちょうどいい感じで連れてきてね。

 殺すんじゃないよ。

 一歩手前まででいいからね〜』

「ういっす(*´ω`*)」


 ***


 爽やかな朝です。

 飢餓感も脱水症状もありませんし、おたふく風邪の痛みも過ぎ去ったようです。

 実に爽やかに目覚めました。

 ですが、柔らかな寝台の上、顔を横に向けると爽やかさがかき消えました。

 血の臭いやら汗臭い臭いがします。

 そして視界の絵面が酷い。

 縄目をかけられた男が二人、後ろ手に縛られて床に膝をついています。

 何時間前から、このポーズなんでしょうか?

 猿ぐつわも血まみれです。

 顔もボコボコですね。


「おはようございます。ソノラーソノラぁー放置はいけませんわよ〜」

「はぁ〜い、今、朝食を運んできたところですぅ。

 放置はしてませんよぅ、肉壁二人、が拘束してるんで大丈夫っすぅ。

 全身、シビシビにしびれてますんで、お嬢様、よかったら閣下と通信よろっすぅ」


 あぁそうでした。

 あまりの事に我を忘れていました。

 寝起きドッキリにしては、酷い絵面だったので。

 男二人が微動だにしないのは、足元の影から無数の足?が拘束していたようですね。

 さすがわんわん?ですね。


 くコ:彡わん!


 あら良い子のようですね。

 いっぽん手を振ってくれます。

 正気度が削れそうな姿ですが、属性はわんわんで正解のようです。


「天魔くん、天魔くん、おはよう」

『おはようルイルイ(*´ω`*)』


「これ、今日2人分のお食事で肉壁オッケー?」


『うーん、ちょっと鑑定してもらっていいかにゃぁ?』


 で、微動だにしない二名に額を触る。


 ◎アレックス・ウエイン◎


 所属:ヘルベルト家使用人(仮)リンバーメンド防衛隊所属

 抵抗値:ー

 熟成度:9/10


 ◎オーレン・カーズ◎


 所属:ヘルベルト家使用人(仮)リンバーメンド防衛隊所属

 抵抗値:ー

 熟成度:8/10


「リンバーメンド防衛隊?」


『国軍兵だね。彼ら二人とも、クラルシェン男爵の手勢に潜んでいる王国の間諜だね。

 程々にレアだね、ノーマルじゃなくてちょっとだけ上かなぁ。ふへへっ(*´ω`*)

 ほめてほめてぇ〜ソノラと僕っちえらいでしょぅ?(゚∀゚)』


「わぁすぅごぅいぃ!」


『鑑定の精度をあげるのに、もう一度触ってごらん』

「お嬢様、お嬢様、アタシがんばりましたっ!」

「お利口さんですわ。後で、何かご褒美タイムしましょう。備蓄食料を今日も漁ろうかしら?」


 と、適当に褒めながら、今度はしっかりと二人の肩を触る。


 ◎アレックス・ウエイン◎


 所属:ヘルベルト家使用人(仮)リンバーメンド防衛隊所属

 階級:騎士(オルレア領)

 年齢:31歳

 人種:人間種

 抵抗値:ー

 熟成度:9/10


 ◎オーレン・カーズ◎


 所属:ヘルベルト家使用人(仮)リンバーメンド防衛隊所属

 階級:子爵(ゲネシス領)

 年齢:26歳

 人種:人間種

 抵抗値:ー

 熟成度:8/10


「なるほどぅ」

『詳細鑑定はまだまだレベルが足りないけどね。この調子で使い続ければ、もっともっと面白い事がわかるよ。

 因みに、この男たちはソノラが程よく調理したから、僕っちの食べ物としては一食分だね』


「じゃぁ私もご飯食べてる間に、天魔くんもご飯だね。」


『うん、わんわんにも餌を与えたいんだけどいいかなぁ?』


「あら、どんなお食事がいいのかしら?」


『一応、ヘルベルト以外の不定の輩とか、勝手に領地にわいた魔獣とか食べさせたいんだけど?』


「私の了解が必要なのね?」


『そういうことぉ』


「宜しくてよ。

 子供以外、それから真っ当に働いている領民以外の、野盗や魔獣を食べてもいいわ。ただし、この男達のように外部の間諜や必要な情報になりそうな輩は、連れてくるように。

 因みに行動範囲はどのくらいなのかしら?」


『ルイルイの魔力を感知できる範囲だから、まだ、この館周辺だけだよ。

 今のところは体内魔石を保有する動物を食べてる。

 君の魔力があれば、基本は召喚継続できるし食べなくても維持できるんだけどね。

 レベルアップさせるには、捕食行動がひつようなんだぁ』


 素敵邪悪生物ですね、犬?


 くコ:彡わんわん!


「因みに魔人顕現の場合は、明確な敵対者は食べ物になるのかしら?

 ヘルベルト(仮)とか、私の所有物かも?ぐらいでも食べれるの?」


『僕っち好き嫌いないのん。

 でも、いちばんすんなり食べられるのは、るいるいのご飯だよ。』


 と、いう事はだ。

 今回の場合、(仮)でも一応食べられる。

 更に、ソノラによって捕獲してきた私のモノなら、食べられる。

 つまりつまり?


「あらあら、でも、それを支える餌はどうなるのかしら?

 基本、私と天魔くんの関係は助命三回と特典スキル。魔力依存よね。

 え〜っとえ〜っと」


『(^_^)』


「天魔くんの配下報酬で、今後もいいのかしら?」


『(^_^)』


「私のお願いって彼らは聞いてくれるようになるの?」


『僕っちが君の味方である限り、君が君である限り、僕っちの仲間は皆、君の味方だよん』


「私が聞きたいのは、そういうお話じゃないわ」


『僕っちは基本、るいるいの守護者さ。

 だから、君の命令でも言うことを聞かない時がある。

 命を守るってのを優先したいからね。

 でも、僕っちの力で顕現した魔人に関しては、君への好感度はMAXだ。

 つまり優先度の高い僕っちの命令があったとする。

 その中で、君の不利益になるような行動もするかもしれない。

 けれど、君への好感度がMAX状態で維持されていて、且つ、君の命の危険がなければ、君の言う事を優先するだろうね。

 まぁわかりやすく言っちゃうと、魔人はコピーじゃないけど、僕っちと同じ考え方なんだ。

 からくりは隠す必要もないし、これから魔人を増やすんだから教えるよ。

 ヘルベルトの血と魔力が顕現条件だ。

 他の人間じゃぁ僕っちたちは満足しないし影響力も小さい。

 君の血はウルトラレア種って訳だね。

 そんな特別な君がいないと、僕っち達は自由に楽しめない。

 つまり命綱が君さ。

 魔力供給というより、顕現証みたいな感じだよ。

 微量の魔力、印でいいのさ。

 特別なヘルベルトの印を通すと、普通の人間から直接得られる魔力よりもずっとずっと力が得られるんだ。

 君の魔力の印がある限り、現世顕現、それも僕っち達が望む本来の力が戻るんだ。

 その点、君は親であり失え無い入園スタンプというわけさ。

 ちょっとは安心した?』


 本当か嘘かの証明は無理ですものね。

 でも、それが本当なら、私の行為は人類への裏切りでしょうか?

 まぁその人間どもがルイーズにしてくれたのは、虐待と十五歳までの命ですからね。

 弱い者が淘汰される世界ですもの、別に本当だったとしても私は満足ですわね。


「わかったわ、じゃぁご飯にしましょうか。

 ソノラ、今日のご飯はなぁに?」


「今日は新鮮な卵料理に、焼き立てのパンですよぅ。

 固くて酸っぱい奴じゃない、白い奴っす。

 それから色々くすねてきたんで、豪勢ですよぅ」


「私の魔力も食べるけど、食事もするし、他にも食べてるの?」


「アタシの事っすか?

 えぇ、わんわんと同じで魔石が腹の中にある奴は好きっす。

 それから男共の生気も吸えるっす!」


「貴女、やっぱりそっち系ですのね」


「へへっ生身の部分にタッチできれば、ドレインできるっす(^o^)」


「男限定ですの?」


「条件つけると効果倍増なんす。特攻効果つーのですかね?

 他にも攻撃手段あるんで、男女平等に色々、できるっすよぅ」


「男女平等..何か、妙にしっくりくるんだけど、誤用だと思うの。

 けど、食事に困らないならいいわ。」


「お嬢様、好きっす(*´ω`*)」


「なんでそうなるの?」


 ***


「久方ぶりでございます、閣下」

『おひさぁ〜』

「ご拝謁を賜り、恐悦至極にございます」

『うんうん』

「しかして、戦場ではないようですが?」

『優先順で呼んだけど、素体はまぁまぁ傷んでないし若い男にしたよぅ。』

「我らをご所望とは、何かよほどの変事でございましょうか?」

『うんうん、何かねぇ、僕っち天魔や天使、お邪魔虫の精霊とか、イツメン以外の予感がするのぉ。』

「凶兆ですかな?」

『うんうん、ほら、前はエルフ達が絶滅しちゃったじゃない?

 あれでさぁ、神王とか引き籠もっちゃったじゃない?

 僕っち達も大ダメージでさぁ、だからさぁ』

「我々の早期顕現で現地調査ですな」

『君たち兄弟なら、ヘルベルトの最後の血筋も守れるかなぁって』


(゚д゚)!

(゚д゚)!


『そうなんだよぅ、馬鹿な奴らにさぁ〜ヘルベルト根絶やしにされそうなんだよぅ。

 継承に時間がかかりすぎたんだよ。

 次々に継承者が死んだからねぇ。

 やっとるいるいに渡せたけどさぁ。

 他のさぁ遠い縁戚はいるんだけどさぁ〜アシュトン坊やの子どもたちも殺られちゃったぁ(>ω<)』

「..復讐ですな。殺しましょう。まずは、武器の調達ですな」

「兄者、顕現直後ですが送還覚悟で望めば、敵対者を灰にできる攻撃を一撃」

『だからさぁ一番、冷静なお前達でそれでしょ?

 他の子達はまだまだ呼べないよぅ。

 ともかく、るいるいの守りと情報収集ね。

 それからるいるいは、小さな女の子だけど中身は猛獣だから。

 アシュトン坊やの孫に相応しい子だからね。

 舐めた口効くと、僕っち経由で拷問してくるよ。

 そういう女の子ね、ヨロ(>ω<)』


(゚д゚)!

(゚д゚)!


『別に好感度上げしなくても、多分、彼女なら素で十分かぁ』

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