第7話 さて、アイテムボックスとは
今日もルイルイは元気です(*´ω`*)
書いてる本人は息抜きのつもりなので、一応、不定期更新の予定です。
と、言いつつ今日も更新できたなぁ、変だにゃぁ(ΦωΦ)
***
「あら、どうしました?」
「何か、今日、ルイーズ変。ブスで馬鹿なのは一緒なのに、普通に話してる」
とは、ロディ。
もう一度、こめかみグリグリしてやろうかしら?
「あら、いつも通り絶好調ですわよ。ちょっと食事が質素すぎて、フラフラしますけど。」
「まぁそれは、お茶の用意はしてありますから、お嬢様、こちらに」
「だいじょうぶー、ここでいいですわ。
それにしても家庭教師の嫌味な男は何処に?もしかして、おたふく風邪になって死んだのかしら、まぁ死んでればいいわよね」
それにブッと吹き出すエリィ。
私が見ると不貞腐れた顔を取り繕って、あさっての方に視線をそらした。
「教師の方も罹られて、暫くお休みのようです」
「まぁ大変、大人の男性だと致命的ですね、いい気味ですわ。
元々、何か勘違いしているタイプでしたし、やたら馬鹿にしてくるから、見かけたら餌にしてやろうと思っていたんだけど。
代わりの教師の手配はしないんですの?」
それには笑いを堪えきれていないエリィが答えた。
「当分は無理。さっきの護衛も臨時みたい。」
「まさか、クラルシェンへ出払ってるとかありませんわよね。」
と、唯一の大人である乳母やに確認。
口をつぐむ彼女。
暫く見つめると、ふっと彼女の肩の力が抜ける。
それからちょっと辺りに視線をはしらせた。
天魔くん、誰か側にいるのかしら?
『大丈夫だよ、ソノラがお仕置きしながら、辺りを少し掃除したから』
「大丈夫よ、単なる世間話にすぎないわ。
このルイーズ・ヘルベルトが望んだお喋りに過ぎないわ。
名前も忘れた貴方と、ちょっとした会話をしているだけ。
それにこのあたりはとても静かよ。
さっきの下女が掃除をしているから」
それに乳母やは、ゆっくりと瞬きをした。
「最近、ホーデイドで人が集まっているようです。
騒がしいのは困りますから。
できれば、クラルシェンでお子様方を静養させたいと思っていますの。
お嬢様もご一緒に如何かと、奥様には申しております」
「ありがとう。その時はよろしくね」
私もゆっくりと、瞬きをしました。
ちゃんとヘルベルトが本来誰の所有物であるか、理解しているようでよろしい。時勢を読めるようですね。
「ルイーズ、今日は、普通だね。何だか、普通」
ロディが問題を解きながら言う。
どういうことでしょう?
むしろ、お嬢様レベルダウンのゴリゴリ頭のオカシイムーブをかましている自覚はあるのですが。
「あら、いつも通りですわよ」
「ぜんぜん違う。今日は呪いの話もしないし、怖い話もしない」
「あら、普通に全方位に喧嘩を売りつつ、元気に嫌味を垂れ流していますけど」
「ぜんぜん違う」
おい、ルイーズたん。
貴女、どんな子だったの?
「えっとぉ、いつもの私ってどんな風だったかしら」
「何言われても笑顔だけど、目が笑って無くて怖い」
「人形みたいに笑顔だけど、ハイかイイエしかいわない」
「何か話はじめると、怖い話か呪いの品の話ばっかりで、無理やり聞かせにくる」
「時々、意味もなくケタケタ一人で笑ってる」
「見かけると遠くからニヤニヤ笑ってる」
オーマイガッ!
乳母やは、もう一度、ゆっくりと瞬きをした。
演技ですね、騙されていました、わかっています?
いやいやいや、ルイーズたんのそれ、演技じゃないのよ。
ルイーズたん、闇が深い少女疑惑。
まぁ現実逃避してたのかもね。
疲れていたんでしょう。
呪いの三点セットも知ってて使ってるし。
もしかしてママ上にねだったとか?
まぁそれは無いけどね。
でも案外、呪われてる感覚を試していたのかしら?
「ま、まぁ中二病だったのかもね。
今日からは、怖い話も別レベルの人怖い話にしておくから」
「するのかよっ!」
「ちゅうにびょうってなに?」
「おトイレ一人で行けなくしてやろぅケケケ」
使用人の噂が噂でなかった件。
もしかしたら、奇行を繰り返していたのかしら?
まぁそれはよしとして、ホーデイドですって。
そこって何処かしら。
何か不穏な情勢なのでしょうね。
それで男爵は手勢を動かした。
ここが手薄になるので、臨時の兵力を募ったのかしら。
でも、子どもたちの護衛まで外注するってどういう事?
たぶん、異常な事がおきてる。
王派閥と大公派閥の争いとは別の異常事態のような気がするわ。
そうでもなければ、この私にこの乳母やが内緒話を漏らす訳ないもの。
そういう派閥とか言ってる場合じゃない不穏な事がおきている。
つまり、この人、怖いって思ってるのよ。
『考え過ぎって普通なら言う所だけど。
たぶん、るいるいが目覚めたってのは一つの警告だからね。
病気で出てきた。
現状の不遇の為に出てきたって考えることもできるけど、僕っち的には、君が成人近くなって、その呪いが発動したら出ていたってのが、本来の流れじゃないかと思ってるんだ。
だから、それ以前に、こうして僕っちがいるってことは、ね。』
不穏なのでしょうね。
『僕っちも、るいるいが目覚めてからの発現だからねぇ。
如何にせん、情報も知識も古い。
もっと外に働きかけたいところだけど、あまりおすすめはしないよ』
どうしてですの?
『僕っちのスキルは、本来、大人のるいるいが使うべきなんだ。
子供だと体が持たない』
あ〜魔法枠を守護スキルが埋めてるってのは、そういう意味なのね。
『鑑定とアイテムボックス、一撃必殺は、魔力を使っているんだ。
どれも僕っちが守護スキルで貸し与えてるって感じ。
逆に言えば、この鑑定とアイテムボックス、一撃必殺は、るいるいの体力があるかぎりリスク無く使用できる』
魔力ではなく、体力?
『体力と魔力は別物じゃないんだよ。だから、魔力が切れたら倒れる。
体力が無くなったら、魔法も使えない。
るいるいが考えるような、魔力があれば、瀕死でも戦える、なんて事は無い』
じゃぁ筋肉モリモリの魔法使いとかいるんだ。
『いるだろうし、別に痩せてても魔法は仕える。ただし、病弱な魔法使いはいないし、子供の内に無双しようなんて馬鹿なことはできない。
で、子供で痩せてて病み上がりの、るいるいにオススメは、今のスキルの検証だね』
なるほど。
現状の力の把握は、情報収集と同じく大切である。
では、今日のこれからの予定は、食べ物、情報、スキル実証かなぁ。
『僕っちの守護スキルはね、逃げる、隠れる、生き延びるに優れているんだ。だから、これから何が起きたとしても、君だけは生き延びるチャンスを増幅できるって訳さ。つまりサバイバル特化スキルだね』
善は急げ、という事ですね。
そんな気配がします。
「ソノラ〜お腹すいた〜」
「お嬢様、こちらでご一緒しますか?」
「止めとくぅ、ママ上に貴女怒られちゃうわ。
ソノラ〜、小汚い傭兵にわからせるのを適当に止めて、こっちに来て。
お腹すいた〜」
怒鳴る私に、双子が目を剥いている。
「ロディ、その計算、また間違ってるし。
エリィ、書き取りの綴り、三列目の真ん中、文字が入れ替わってる。
笑いをとりたいのなら良いけど」
笑顔のソノラが藪から出てくるまで、暫く計算の手直しと綴りの指摘をした。
***
鑑定、アイテムボックス、言語理解、転生三点セットである。
もちろん、私の場合、言語理解は憑依?かもしれない時点で、必要ない。
そもそも現地民覚醒である。
そして鑑定は、天魔くんの力なので何気にチート仕様。
では、アイテムボックスと残りの一撃必殺はどうなのか?である。
これを検証したいと思います。
まず、アイテムボックスではなく、一撃必殺をステータス画面で参照してみた。
ぽちっとな。
いちげきひっさつ:れべる ☆☆☆☆☆
何で急にひらがなに戻るの?
ちなみにステータスは日本語でひらがなである。
現地語にも変換できる優れもの。
で、一撃必殺をぽちる。
いちげきひっさつ=こうか:せんいそうしつ
もう一度、ぽちる。
いちげきひっさつ=こうか:せんいそうしつ:まじゅうをなぐるといいことあるよ!
・ω・
わからないので、このスキルは見なかった事にする。
次にアイテムボックスだ。
ステータス画面でぽちる。
アイテムボックス:レベル 2/20
なんでこっちは普通の表記なんでしょう。
さらにぽちる。
アイテムボックス
時間停止付き収納空間。
使用者の魔力依存の為、本来なら当人が意識を失うなどすると無効になる。
しかし、守護スキルにより死亡以外、スキル解除にはならない。
きましたわ。
時間停止機能つき収納。
勝ちましたわ。
と、言うことで、どこまで入るか検証しなくてはなりません。
「収納してもバレない物って何かしら」
もちろん、足がつかずに金目の物と、もしもの時の為の食料や薬ですね。
「お嬢様、アタシ、どこまでもついていきますね。
収納の大きさはどれくらいなんです?」
「ノリがいいわね、ソノラ」
『城はまだはいらないけど、普通の民家ならはいるよ〜』
素晴らしい、いっつぐれいと。
では、勇者は壺を漁らなければなりません。さぁいざゆかんヤークブック城探索へ!
で、お城って言うと日本人の感覚で言う、天守閣のある城を思い浮かべるでしょう。
でも本来のお城っていうのは、ヨーロッパでいう城壁都市の事を言うわけよ。
この世界でもそれは同じで、お城っていうのは、本来は戦城や防衛拠点を指すわけ。
だからヤークブック城は、本来のお城にはあたらないの。
つまり、居住だけを目的とした城館って訳。
元々が都近くの別荘って感じの建物だった。
アネットが城代として政庁の場をここに置いたのは、街道近くであり都の側で、利便性と治安の良さがあるからなの。
まぁあまり頭がよろしくない前世の記憶で言うところの、北方ルネサンス様式のヨーロッパの森林に囲まれた狩猟目的の別荘って感じね。
形としては四角い箱に四隅に巨大な尖塔、地上三階地下二階、部屋数はわからないぐらい。直線廊下が二本に交差して十字を作ってる。
階段は四箇所、中央に螺旋階段があって、まぁ所謂、お金のかかった贅沢な装飾のお城だわ。
庭園も大きくとられているし、私が寝ていた別館は北西側にある二階建て。
サンルームのある温室は更に西南側で、城全体に城壁と堀はないの。
申し訳程度の塀は、大人二人で乗り越えられる高さの鉄柵で、手入れのされた庭園と放し飼いの犬、それに私兵によって防犯面を補っている。
そしてこの城館は結構な広さの狩猟場としての森林が囲んでいるので、その森林が緩衝地になるのかしら。
兵士たちがいるのは東側、街道に面した門の側にある二階建ての建物ね。
厩や簡易な練兵場もあるの。
これだけでも、パパ上の頭がおが屑でできているのがわかると思うの。
それにアネットの危機管理能力もね。
男爵にとっての娘の価値も、あまり良いとは思えないわ。
もしくは、彼ら全員の危機管理能力が麻痺しているのかしら。
たぶん、ルニング大公という危険な人物を遠ざけ、私のお祖父様方を殺したから、もう安全だと勘違いしているのでしょうか?
『いいんじゃないの、油断してたほうが』
冗談ではなくてよ、天魔くん。
私の財産を減らすような行いが許される訳がなくてよ。
『ごもっとも、でもまぁ、無くなっちゃ困る物だけでも収納しようよ』
はぁ、無限収納にならないかしら。
『それね、ゴミ屋敷への入り口だから。無限はだめだよ』
教育的な部分で制限がかかっているのですか?
『(*´ω`*)』
気を取り直して、さて探索です。
壺を、勇者は壺を探すのですよ。
『実は部屋数が四百以上あるって言ったら信じる?』
急にやる気が失せました。
天魔くん、ナビゲートお願いします。
もちろん、ただですよね。
『ソノラ、お前のわかる範囲で必要な品がそろう場所へ案内をしなさい』
「了解っす( ・ิω・ิ)」
お城は大まかに分けて4つのエリアになっているそうだ。
騎士の間、城主の間、迎賓の間、そして居住エリアだ。
そしてソノラが出入りできて、今現在手薄なのが、居住エリアになる。
居住エリアは、ダイニングルーム、書斎、ギャラリー、ゲストルーム、浴室、ドローイングルーム、ラウンドルーム、キッチン、温室、主寝室、その他寝室複数に、ドレッシングルーム、他、よくわからない部屋や、水回り、使用人の控えに、物置などなど、まぁこんな具合だ。
一応あげてみたが、これも一部屋ではなく複数で、使用人の部屋や城の大きな台所や水回り、洗濯場や、使用人専用の食堂やら、外の馬番や使用人用の施設を加えると、一日ではまわりきれないテーマパークになっている。
現在、その使用人専用の棟では、おたふく風邪さまが猛威をふるっているらしい。
どうもおたふく風邪が流行らなかった年代が使用人の殆どをしめていたようだ。
大変だね〜。
で、ルイーズたんは、この居住エリアと使用人エリアを繋ぐ中二階部分にある階段裏の物置部屋に住んでいた。
元々は三階西南の尖塔にあるお部屋が、ヤークブックに来た時の寝室だったようだ。
「変なのよね」
『何がだい?』
「ルイーズたんのお母様の記憶がね、思い出せないの」
まぁ不思議ではない。
当時、幼子であったルイーズたん。
辛い出来事は、記憶から消したのかも知れない。
母親の死因って何かしら?
『転落死さ』
あら。
『僕っち的には、やっぱり、君の父親を手早く食ってみたいんだ。支配しちゃえば、記憶は自由に見れるからね』
熟考させていただくわ。
もちろん、私もちょっと知りたくなってきましたし。
さて、何を最初に保存しましょうか。
人には何が必要でしょうか?
そうです、食料と水ですね。
という事で、キッチン併設の貯蔵庫にやってまいりました。
鍵がかかっている上に、キッチンでは誰かが働いているようです。
でも、それはソノラがわからせるので問題ありません。
えぇまったく問題なしです。
貯蔵庫は薄暗く、様々な食材が積まれ、棚を埋めています。
どのように収納すれば良いでしょうか。
まずは手近の小麦粉の袋ですね。
ぴと。
指を触れると、あら不思議。
お約束まんま、品物が消えました。
素晴らしいですね。
ステータス画面に、倉庫の文字。
指で触れるとフォルダーがあります。
しょくひん:こむぎこのふくろ・だい(1/99)
次に瓶詰めの何かをタッチ。
しょくひん:きゅうりのすずけ・ちゅう(1/99)
これは、何だか楽しい予感。
貯蔵庫の中身をそれぞれちょっとずつ収納しました。
見た目の増減はわからない程度です。
ですが、満足できる分量でしょう。
私一人なら、当分、飢える事はありません。
では、次ですね。
食料は確保しました。
念の為、水樽も入っています。
では次に何が必要でしょう。
生活必需品ですね。
何だか、防災用品を集めている気分になってきました。
まぁ何かに備える為に集めているのですから、勇者の壺探しとは違うって訳ですね。
現代ならば、飲料水に食料、次にバッテリーなんかになるわけです。
この世界のバッテリーとは何でしょうか?
火種に蝋燭、ランタンでしょうか?
こちらは倉庫に向かいます。
こちらも鍵がかかっていましたが、ソノラで解決です。
まずは着火装置ですね、万能魔法ファンタジー世界ですが、魔なしの人が使用人の殆どです。
ちゃんと火付け用の道具がありました。これ、キャンプセットで見たことがあります。
次に蝋燭、木箱ごと収納。これもわからない程度です。
木炭に薪、木くずなどの袋も収納です。
「お嬢様、食料品を収納したんですから、調理器具や食器も収納しましょうよ」
「良い指摘です、ソノラ。収納のお酒の樽は、貴女専用にしましょう」
「あざっす」
という事で、倉庫を更に漁ります。
雑貨類も適当に入れていきます。けっこうお高そうな物もありますね、素晴らしい。
次にリネン室です。
シーツや布類も収納していきます。
ついでに石鹸類や針や糸などの裁縫道具もあったので、しまっちゃうのです。
そして数多くある衣装部屋の一つ、最近、使われることのない場所へ。
「アネットの物ですか?」
「いいえ、献上品が殆どですね。未使用なのや、形の古い物が入っています。
ついでにお嬢様が着てもよさそうな品を探しますね」
未使用のドレスなら売れるでしょう。
私が高そうなドレスをばかすか収納している横で、ソノラは衣装箱を漁っています。
ちなみに、西洋ドレスはきっと似合わないと思うのよね。
「そんな事はないっすよぅ、まずは、ボロキレみたいな下着の代わりに、これをどうぞ。お着替え様に靴下まで一式、この箱は子供用みたいなんで、そのまま収納よろしくっす」
「着替えるとバレるでしょ?」
「下着までは見ませんし、呼ばれたときだけ、ボロに着替えればいいじゃないっすか?」
「そうね、それもそうね」
というわけで、普通の子供用下着に、春物の薄いドレスです。
これでちょっと呪われた市松人形から、トイレの花子さんにレベルアップしました。
「チョイスが何で赤い
「すみません、体型と季節にあった奴が、なぜか全部真っ赤なんですよ。
誰だよ、これ献上したの」
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