第109話 住民登録
アラフィアが生まれて1ヵ月が経過した時点で、ハストール星系に行ってアラフィアの身分証明書の発行をして貰う。ラドン連邦は子供が生まれると子育てのための色んな道具や玩具を貰えるので、所用を済ませるついでだな。
生まれた時でも登録は出来たんだけど、どうせなら親子揃って同じ星系を本籍にしたかったし、名前を再考したり色々とあったために後回しになってた。急いで登録したところで、3年後もラドン連邦に所属しているとは限らないというのも大きかった。
なおその過程で公務員的存在から「こんなことも分からないんでちゅか?」と煽られたので有り難く録音データ及び動画を全宇宙に発信しておく。いきなり煽って来たあの職員ヤバイだろ。隣にいた女性も止めなかったのでいつもあんな感じなのかな。
あと、赤ちゃん言葉って煽り性能高いなと感じた。無知だったこっちも悪いけど、久々にピキっと来た。後でヒノマルサイクツの社長だったことを理解したのか凄い勢いで謝罪が来たけど、既に掲示板みたいな場所や様々なSNS、動画投稿サイトでこの男性の接客対応を晒上げた後だったからもうどうにもできない。
まあ、自分もわりと短気というか常に録音録画しているのはどうなのって自問自答してしまうけど何かあった時にすぐに動画で見返せるのは便利。自衛にもなるしね。
「……公務員がアレってヤバくね?」
「たまに信じられないぐらい低知能な人はいるけど、中々に強烈だったね。
……何か凄い勢いで拡散されてない?」
「陰謀論広める時に主要なサイトというか場所は一通り把握したし、わりと国家に対する不信感広まってるから今回の件は炎上するだろうね」
「今回の件でもラドン人民党が悪いって論調にまで持って行くの……?」
再分配党は、良い感じに支持率が上がっているというか前回の投票時から支持者の数は2倍という破竹の勢い。なお全体の率で見たら1%が2%に増えたって感じで、まだ実質カルト集団。
ただラドン人民党がかなり勢いを落としているから次回選挙は楽しみだね。結局惑星衝突の件はラドン人民党が政策の非を認めたし。……非を認められる政治家集団というのは、貴重で得難い存在のはずなんだけどめっちゃ叩かれてるね。
今現在は、シンカー解放戦線との和平案を拒否したことについて責めているからまた支持率は落ちそう。……結局あのシンカー解放戦線が突きつけた条件はシンカー共同体と手を切らないといけないような内容だったから受け入れられないのは当然なんだけど国民はそんなこと分からない。
「……学習装置があって、それなりに知識あるのに愚衆政治極まってるな」
「学習装置って普通の人はそんなに使わないよ?使ったことある人でも大半は赤ん坊の頃の言語インストールぐらいじゃない?」
「え?あの便利な学習装置を使ってないの?」
「アキラだって使ってないじゃん。頭の中に書きこまれる形だし、忌避感のある人も多いよ。あと高いし」
「高いか……?レイの場合でも10万クレジットだぞ……?」
「その額は一般的な国民だと簡単に手が出ないよ」
学習装置については、1回の使用が大体10万クレジット。高くはないと思っていたけど日本円換算で100万円か。簡単にポンと出せる額ではないな。効果が薄いこともよくあるそうだし、人格が変わるリスクを考えるとそんなに使わないのも納得。
というか首都星系か学術惑星にしかないんだから、交通費も必要になることを考えると結構高くなりそう。学術惑星はハイパーリレイ上にない星系からだと時間もそれなりに必要だし……。
最近毎日10億クレジット規模の取引をしているから感覚麻痺していたけど、もうちょっと日本円換算して金銭感覚を見直そう。……毎日100億円規模で物を売ってるって凄いね?戦闘機や船体部品の販売価格が高すぎる。
……中型採掘船400隻は要らなかったかな。そのぐらい確保しても良いと思ったけど、1億クレジットってめっちゃ大金だった気がする。でも一応まとめ買いしてお得になってはいるし、今後のことを考えると損じゃないはず。
インバー星系やベレーザ星系の各惑星の食糧衣類家具電力船体部品ゴムガラス冷媒熱媒肥料爆薬などなどの各種生産量はかなりのもので、一応自給自足も可能な範囲。採掘船を増やし続けると、掘る位置の指定が難しくなっていくのでどんどん効率は落ちて行くんだけど、生産量自体は上がり続ける。
この後で輸送船も追加発注はしていくけど、正直そろそろ艦船に関しては拿捕したい。やっぱり船は購入するより奪う方が圧倒的に効率的だし……そろそろ宇宙大麻を製造していたレンス星系で宙賊襲うか。何か駆逐艦だけじゃなくて巡洋艦も買ったらしいし、やっぱり麻薬売るのって儲かるんだなあ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます