第24話 日常

大型採掘船を4隻と中型採掘船が4隻納品されるまで暇なので戦闘機隊も更に2部隊増やして36隻まで拡張をするために12隻発注する。これでテラニドカンパニーのハストール星系支店の今月の売り上げの1割ぐらいをヒノマルサイクツが占めたようで、例のトカゲ女が滅茶苦茶喜んでいた。


【ヒノマルサイクツ従業員一覧(アキラ+フィア+採掘隊6人×4部隊+戦闘機隊6人×6部隊=62人)】

リーダー:アキラ

採掘部隊リーダー:フィア

第一採掘隊リーダー:イチカ

第二採掘隊リーダー:ニノ

第三採掘隊リーダー:ナナ

第四採掘隊リーダー:トーカ

戦闘機部隊リーダー:シルフィ

第一戦闘機隊リーダー:シルフィ

第二戦闘機隊リーダー:イザベラ

第三戦闘機隊リーダー:サンディ

第四戦闘機隊リーダー:シシ

第五戦闘機隊リーダー:サンゴ

第六戦闘機隊リーダー:フタエ


採掘隊を4つに分けたのはそれが一番効率良さそうだったから。大型採掘船用に、大きめに採掘領有権を主張するようになるから経費は嵩むだろうけどその分より大きく稼げるはず。


基本的に採掘隊は大型採掘船1隻と中型採掘船3隻がセットで動くようにして、大型採掘船の容量の大きさを活かす方針に。大型採掘船の周囲を小回りが利く中型採掘船で掘るのがやりやすいだろうしね。1つの採掘隊の人数は大型採掘船が3人乗りだから、中型採掘船3隻を合わせて合計6人だ。


フィアは大型輸送船を買い与えて遠くの星系と交易をしながら、孤児院の子供から人材確保引き続きして貰う予定のため、採掘船乗りを卒業。フィアが採掘船乗って現場作業し続けたいというなら大型採掘船に乗って貰っていたけど、元冒険者だしそうでもないよね。


「フィアは人手欲しいなら自分用に秘書雇っても良いよ」

「いや、そこまで大変なこと任されてないし1人でやるよ。

ヒノマルサイクツに入れる人も、私自身が選びたいし」


今日は完全なる休暇の日なので大型輸送船を発注をしてから、フィアと2人でぶらぶらとレントール星系の交易ステーション内の店を梯子する。お金がない頃は手を出せなかったお高い料理やら不思議グッズも今は余裕で買えるんだけど、散財するのは何か気が引けるな。


「今日はここにしよう!」

「結局いつもの格安焼肉店か。まあ個室だから色々と話せるし良いけど」


ここにはフィアの行きつけの焼肉店があるんだけど出て来る肉は培養肉で庶民向けの価格をしている。具体的には食べ放題2時間で1人200クレジットとまあ安い。酒は出ないけどラドン連邦だと20歳以下は飲酒禁止だしフィアはまだ18歳だからそこら辺は関係ない。


流石にSF世界だけあって店内は清潔だし、肉を乗せた部分だけ熱くなり、焦げる前に温度が下がって適温を保つ仕組みのプレートで焼くから事故は起きない。いやこのプレート本当にどうなってるんだ。わりと凄い技術も使われていそうなのに皆これが当たり前のせいで全然驚いてないという。


ちなみに培養肉は牛肉っぽいけど、たぶん本物の牛肉と食べ比べたら違うと感じると思う。でも味は美味しいし正直レタスとキャベツの見分けすら出来ないダメ人間に肉の些細な食感差は分からないです。


……この焼く前の肉、窒息処理前なら培養液放り込んだら勝手に増えるんだよな。バイオ系も当然のように発展しているので勉強意欲は湧いているけど今はお金稼ぎ楽しいです。


「薄型培養肉10枚と緑葉菜チップ1人前追加で」

「球形培養肉5個追加で」


この世界来てからわりと食べているんだけど、体重計っても太ってない辺り前よりも働いて動いているからかな。いや、フィアは自分よりもっと食べているのに太ってない辺り、食の方が原因か?


一番タンに近い培養肉と一番ネギの食感風味に近い緑葉菜チップを軽く焼いて纏めて口の中に頬張りながら、フィアの体型を見てるとフィアがにまーと笑いながら聞いて来る。


「んー?どこ見てるの?」

「いや、自分より食べているのに太ってないなって」

「ここの肉は食べても太らない肉だから太らないんじゃない?」

「そんなのあるのか」


そして耐えきれずにフィアに聞いたらここの培養肉は人体の脂肪になりにくいとか何とか説明をしてくれたんだけど結構怖いこと言ってる気がする。でもまあ、いくら食べても太らないというのは凄いと思考停止しておこう。


「せっかく私の身体を舐め回すように見てたからその気になったと思ったのに。というか、もっと私を女として意識出来ない?」

「えー。前に発情期だって嘘ついて迫ってきた時にもう少し我慢する意思固めたからもうしばらくは我慢する」

「……色々とエッチな道具買ってるくせに」

「それはそれ。この世界のオナホールとかめっちゃ気になったし」

「女相手にする話じゃないよ!?」


フィアが手を出せと言って来るけど前に迫られた際、ヒノマルサイクツで自分を除けば唯一の人間であるイザベラさんに獣人の生態というか性質を聞いて、一旦距離を取ったのは自分の方だ。


……まあそれ以降も普通に2人で食事に行ったり、一緒に遊びに行くんだから将来的にそういう関係になるのは自分としても望んでいることなんだけど。それでもこのままフィアの思惑通りに進むのは何か嫌だと思った。

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