第23話 査察
採掘船が完成するまでは戦闘中心に稼ぐ話となり、エレーヌ星系の宙賊を駆逐した後は北へ隣接する星系であるマレーヌ星系の宙賊達を襲い続ける。ここら辺は大体スペース大麻を作っているから非常に美味しい。
というかスペース大麻を作っている=ネルサイド協定の下部組織というわけで……完全に喧嘩を売っている状態になるな。でも略奪は止められない。1回の略奪で数百万クレジットから多い時には1000万クレジット近い金額になるんだからやめられないし止まらない。
「ラドン連邦北東第四セクター担当の特務捜査官ミシェルです。簡潔に伝えると貴方に宇宙大麻の栽培疑惑があるため、宙賊狩りとやらに同行させていただきます」
「私はテラニドカンパニー捜査局員のアリアーナよ。最近宇宙大麻の輸送船の行方不明が多いので貴方に疑惑がかかっているわけだけど……まだ起業してから1ヵ月しか経ってない採掘業者よね?何でこんなに戦力あるの?」
なおラドン連邦とテラニドカンパニーの両方から疑惑がかかっている模様。栽培していると思われても仕方ないレベルで宇宙大麻を回収して売り捌いているから仕方ない。テラニドカンパニーの方は、宙賊が輸送船を襲って物資集積所に集めているのを自分達が回収しているわけだから間接的には自分達が盗っていることになるな。
今日は大破していたフタエの戦闘機の修理が終わって、戦闘機隊はフルメンバーだけど昨日ゴールディの乗っていた採掘船が囮作戦中にシールド剥げて船体にまで損傷があったので中型採掘船が1隻修理中。というわけでフィアが採掘サボって輸送船に乗り込んでいる。ついでに現在建造中の、新しい大型採掘船や中型採掘船に乗せるメンバー達も輸送船に乗っているので人口密度は高い。
ラドン連邦もテラニドカンパニーも美人の査察官が乗り込んで来たので輸送船の男女比率は1対15です。……これ、自分の力がどういうものなのかは理解されるだろうけどどこからその力を得たのかは分からないだろうから自重しなくても良いか。
「中型輸送船のコックピットが無駄に広くて助かったわ。
……えー、今日最初のポイントはココな。採掘隊は今日囮に使わないからこのエリアで採掘しといて。護衛は第三戦闘機隊で」
「僕の隊が護衛役ね。了解」
「第一戦闘機隊と第二戦闘機隊はこのポイントに宙賊の基地があるから潰して。第四戦闘機隊は輸送船の護衛しつつ第一、第二に加勢。後の細かい指示はシルフィに任せる」
「ラジャーです」
指示を出していると、何か通信機器にメモみたいな行為をする査察官2人。おーこわ。こんな適当に会社の真似事している採掘船団に構うとは相当暇なのかな。
目的の宙賊の基地に着くと、多少のドンパチはあったけどこちら側に被害がない完全勝利で終わったので輸送船に宙賊の基地から物資を回収して次の宙賊基地へ。
「え!?もう既に1個潰しましたよね!?」
「まだ輸送船の容量はだいぶ余裕あるから」
「何でそんなに宙賊の基地がピンポイントで分かるのよ……」
「勘」
そのまま今日は3つほど小規模な宙賊基地を潰し、最後に中規模な宙賊基地を襲ってこちらは相手の戦力だけ削って撤退する。中規模な宙賊基地だと最大で30隻ぐらいわらわらと出て来る時もあって、そうなると被害は免れないんだけど、手早く初動で敵を5、6隻潰して撤退するだけならこちら側に被害はない。
今日は何だかんだで宇宙大麻が200P近く略奪出来たので1200万クレジットを確保。ボーナスで戦闘機隊には全員10万クレジットずつ追加で出しておこう。現在の戦闘機隊所属は合計で24人だから240万クレジット。……これで満足されるの凄く怖いんだけど。
採掘隊も新人含めたら合計で24人なので、色々と計算はしやすい。しばらくしたら戦闘機隊はもっと一気に増やすけどね。マレーヌ星系の北の星系にはネルサイド協定所属になってる『大麻製造ステーション』があるんだけど凄く襲いたい。
帰りは採掘隊が射出して集めていたチタンを回収して交易ステーションに帰投。えー、チタンは中型輸送船に入った1万5千Pに加えて、中型採掘船7隻が確保していた3万5千P。合計で5万Pだから5回のオファー分を確保出来たか。次に働くのは大型採掘船が納品されてからで良いかな。
「……今日だけで幾ら稼ぎましたか?」
「宇宙大麻を始め、宙賊の物資が1500万クレジット。チタンが500万クレジットで、計2000万クレジットぐらいですね」
「この規模の採掘船団の1日の稼ぎじゃないわよ!?」
ミシェルさんとアリアーナさんは、とりあえずありのままを上に報告しておくとだけ告げて帰ったのでたぶんまた何か面倒事は起きそうだけど一先ず疑惑は晴れたっぽい。
「……いや本当、1日で動くお金の額が大きくなったよ。
やっぱり私の目に狂いはなかったね」
「自分の出来ることを考えたら指数関数的に稼ぐ額は増えて行かないといけないんだけどな。でもまあ、相手している勢力考えたら止まるわけにもいかないしもうしばらくは頑張り続けるよ」
正直言って、今ネルサイド協定が全力で潰しにかかって来ないのは幸運としか言えない。まあ全力でこっちに戦力割けない理由もあるんだろうけど……地道に戦力差は縮めていこう。
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