第18話 戦闘機隊

テラニドカンパニーの有力な提携企業になろうと決めてから1週間。チタンやプラチナなどの高額報酬が貰えるオファーを累計で8つクリアして無事に有力な提携企業になったので戦闘機を発注する。


採掘船だけじゃなくて戦闘機とか輸送船とか色々と割引が効くようになったし、纏め買いの時は更にお得になったから有力な提携企業になるメリット多いな。テラニドカンパニーって武装は貧弱だけど、シールドは強いから自分の思想にピッタリではある。


最悪武装は別の企業で換装しても大丈夫だしね。オファーを6件達成したことで貯蓄も800万……というか900万クレジット近くある。これで戦闘機を10隻購入する予定だ。


「12隻の戦闘機はもう一端の傭兵団を名乗れるよ」

「……それよりも名前はどうにかならなかったのか?いやまあ自分もネーミングセンスは無い方だけど」

「えー。考えるの面倒なんだもん。それに、一応ちょっとは考えたよ?」


戦闘機が増えたということは、当然人も増える。新しく来た孤児院の子供達は全員戦闘機乗り志望であり、シミュレーターでも結構良い成績の面子からフィアが抜擢した面子となる。


これで一応、自分の会社であるヒノマルサイクツの従業員は21人となった。


【ヒノマルサイクツ従業員一覧】

リーダー:アキラ

採掘隊リーダー:フィア

採掘隊員:イチカ、ニノ、サンディ、シーラ、ゴールディ、ロクリ、ナナ

第一戦闘機隊リーダー:シルフィ

第一戦闘機隊員:ハッチ、ナイン、トーカ、トイチ、サンシ

第二戦闘機隊リーダー:イザベラ

第二戦闘機隊員:トミ、トシ、サンゴ、シシ、トーナ


……何というか、フィアはこれでよく怒られないなと思えるような名付け方をしてると思うよ。特にサンシ、サンゴ、シシとかは掛け算で数字を表しているだけだし。


そしてこれだけの規模の艦隊になったのにも関わらず、従業員への給与は隊員だと1日5000クレジット、リーダーで1万クレジットなので合計11万5千クレジットで済んでしまう。


「えー、じゃあこの辺に宙賊の基地があるから採掘船団は前を通り過ぎるぞ。たぶん敵が出て来るから第一戦闘機隊はこれを撃破。空っぽかそれに近い状態になる宙賊の基地は第二戦闘機隊が襲ってくれ」

「……規模は分かる?」

「小規模だとは思うから多くても出て来る宙賊は10隻までかな」


今日はチタンのオファーがないため、戦闘機隊を活用してのお金稼ぎに入る。……マップ上には隣の星系であるエレーヌ星系に『宙賊の基地(小規模)』って書かれている小惑星があるんだよね。ついでにエレーヌ星系にもシリコンはある。さらに氷があるのでこちらも量を集めればそれなりの値段で売れる。というかシリコンと氷が大体同額である。


フィアに規模まで分かっていることを伝えたら怪訝そうな目で見て来るけど素直に言うこと聞いてくれるということはもう妄信されている。戦闘機隊の人達も早速実践だとやる気に満ち溢れているので士気は高い。


セクター間を移動するちょっとした手続きも行って、北東第四セクターのレントール星系から北西第四セクターのエレーヌ星系へと移動。……北東第四セクターとは違って、星系のあちこちに赤点があるし、この先の星系はもっと酷いことから北西第四セクターは治安が悪い事を察する。


目標の小惑星帯の近くまで来たら、氷とシリコンの採掘を開始。こっちは本命じゃないけど、宙賊達が出て来るまでの暇潰しだね。しばらく採掘をして、シリコンと氷がそれぞれ合計で2000Pぐらい掘れたかなと思ったところで宙賊の基地から宙賊達が飛び出して来る。


「積み荷と女を置いていけぇ!」

「やだ」


宙賊から通信も入るけど、シールドを展開して徹底抗戦の構え。相手は合計で8隻だし、こちらは中型輸送船1隻と中型採掘船8隻。互いにビームを撃ち合っていたらこちら側のシールドの損耗速度が早いのでやっぱり宙賊は強いな。


「突っ込むです!みんな続けです!」


なお戦闘機乗り達には蹴散らされる模様。お金かけた甲斐があったわと思うぐらいには宙賊のシールドが一瞬で禿げた。あとやっぱシルフィさんが強い。先頭で突っ込んで全弾回避して効率良く敵にガトリング砲みたいなレーザー弾をお見舞いするからあっという間に敵を撃破していく。


シルフィさんに気を取られた宙賊から、第一戦闘機隊員の面子に集中砲火を浴びて撃墜される宙賊達。第二戦闘機隊も、空っぽの宙賊の基地を難なく破壊してコンテナからお高い金属やら資源を回収していた。


「……わりと貯め込んでいたな?」

「輸送船があって良かったと思うぐらいには色々とあるね」


今日は完全に採掘よりも宙賊基地からの稼ぎの方が高かった。採掘の方では4万クレジットしか稼げていないけど、宙賊の基地では回収した資源や懸賞金で200万クレジット以上の利益となる。……戦闘機隊の人達にボーナスをばら撒いた上で200万クレジットは稼げるなあ。


「この程度なら1部隊での襲撃でも何とかなるです」

「あ、それは思った。船の基本的な性能が違うし獣人ってみんな戦闘機動上手いんだよな」

「軟弱な人間とは違うのです。というよりアキラはもうちょっと回避を練習するべきです」

「輸送船の重い挙動でどうやって回避するんだよ……」


10隻ぐらいの宙賊基地なら1部隊で襲っても余裕とのコメントを貰ったけど、これからは宙賊狩り1部隊、護衛1部隊と分けるのも手だな。あとは戦闘機隊員で、戦果が良い人には希望する戦闘機を買ってあげよう。……この世界、宙賊はまだ良いとして色々とヤベー勢力とかもあるから戦力は多ければ多いほど良いはず。


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