第5話 船の装備の種類は多い

※今回の話は『艦船について、とりあえず大体のパーツでコスパの良いものを買った』とだけ把握すれば読み飛ばしても特に問題はありません。


「まずはエンジンについてだけど……万能型、戦闘用、長距離航行用の3種類か」

「採掘船で戦闘はしないし長距離航行用一択ね」

「何が違うのかだけ教えて下さい……」


船体を選んだ後は、各種パーツの設定をしていくようだけどとにかく量が多い。でもまず最初に選ぶのは、エンジンだ。これの性能が良ければ速度が上がる以上、往復の時間が短縮できる。


タイプは3種類あるようだけど、戦闘用は短距離での移動やブースト移動の性能が良く、長距離航行用は長距離移動をする際のフライトモードの際の最高速度が速い。万能型はその中間で、小型戦闘機とかだと戦闘用が推奨されるけどそれ以外だと万能型か長距離移動用が基本っぽいかな。


で、ランクがⅠからⅤまであるんだけどⅤの性能が100だとした場合はⅠが50、Ⅱが80、Ⅲが90、Ⅳが95ってところ。価格はどのパーツもⅠが5千、Ⅱが1万、Ⅲが2万、Ⅳが5万、Ⅴが10万クレジットってところ。コスパ的にはⅡかⅢが良い感じか。


まあエンジン回りは良いの積みたいし長距離航行用のランクⅢのものにしておこう。テラニドカンパニーは長距離航行用の最高速度に優れているらしいし、逆に戦闘用はイマイチらしい。


船体の姿勢を制御する、船体を横方向へ移動させるスラスターについての選択もエンジンと同じく3種類に分かれているけど長距離航行用のランクはⅡにする。スラスターに関しては昨日使った中型採掘船のスラスターも長距離航行用のランクⅡだったらしいけど特に不便はなかったし、操作しやすかった。戦闘用はピッチやロールが早く出来るそうだけど変態機動なんて自分には出来ないし、そもそも採掘船でそういうスラスター積んでも焼け石に水。


次にシールドジェネレーターの選択に移るけど、その前にシールドについての説明も受ける。最初にシミュレーターを動かした時にも説明はあったけど、この世界の全ての艦船はシールドを積んでおり、船体にダメージが入るのはそのシールドが剥がれてからになる。


あとこのシールド分のエネルギーを使用してブースト移動が可能だけどシールド残量がHPみたいなものだからHP削って移動するってことで……正直ブースト移動はあまり使いたくない。戦闘時になったら使わざるを得ないんだけど。


シールドジェネレーターと武装には軍用クラスという枠組みもあり、種類によって軍用クラスⅠからⅤまで分類されていて、シールドだと軍用クラスⅡまでは一般販売されている。


このシールドの容量やリチャージ速度、リチャージ開始速度がシールドジェネレーターによって変わるそうだけどとりあえず容量の大きいものの軍用クラスⅡ、ランクⅢを選択。命に係わる項目だしケチりたくはないけど高いオプションを買う余裕もない悲しい現実。


武装は……メイン武器としては単純なレーザー光線の武器しか購入資格がないのでそれ一択。軍用クラスⅠはそれしか選択肢がなく……こういうSFでよくあるミサイルとか魚雷とかは大体どれも軍用クラスⅡ以上だから購入資格がない。威力が弱すぎてランクⅠもランクⅡも変わらないように見えるけど一応ランクはⅡにしておこう。


メイン武器の他に、サブ武器としてタレットという枠組みに自動迎撃装置も1個買えるけど同じように弱そうなビームを撃つ機構しか購入資格がないのでそれ1択。ランクは当然Ⅱです。Ⅰだとシールド削れないレベルじゃないかな。


軍用クラスⅠの武装の時点で弱いけど、ランクⅠからランクⅡに上げるだけで威力が1.6倍はあるから威力10が威力16になる。なおシールド容量は軍用クラスⅡの、容量が大きいものだと最大で1000ぐらいある模様。焼け石に水だしシールドは基本回復していくからたぶん敵の艦船を撃墜させることは出来ないだろう。ただ、機雷の爆破とかは出来るからないよりかはある方がマシ。


採掘ドローンはランクⅡを10機搭載。ドローンに関してはランクがⅠとⅡしかなく、10機で2万クレジット。小型採掘船だと4機しか詰めないけど、中型採掘船は10機積めるからここで大きく作業速度が変わる感じ。全部自動で動いてくれる凄いドローン君です。


後は航行アシスト機能や自動ドッキング機能などのソフト面のオプションも盛って……消耗品に1個1000クレジットの機雷とかも一応買って……修理用ドローンも1機買って……あとなんやかんやオプションを盛って……。


「合計金額は29万クレジットか……」

「今これだいぶケチった気はするし……シールドやエンジンはランクⅣを載せない?」

「それするぐらいなら武器のランクを上げるよ。見た感じ、一番弱い武装っぽいから無駄な気しかしないけど」


最終的な金額は29万クレジットと予定通りではあるんだけどかなりの金額。日本円にして290万円と考えると安いけど。いやでも未来だし自動車が290万円、と考えたら未来基準だと普通なのか。自動車感覚で宇宙船を買える時代、と認識しておこう。


とりあえずこれで、テラニドカンパニー製の中型採掘船『モール』の発注は終わった。完成は明日とのことなので滅茶苦茶早いと思ったけど、この支店にある在庫品を組み立てて納品できる状態だから早いだけで、部品やパーツが足りない場合は1週間ぐらい待たされるとか。


……いやでも1週間で新規の宇宙船が出来上がるって技術力凄いな。思っていたよりも早く自分の船で採掘出来そうで、個人的には楽しみだ。

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