双鍵-Legend of key-

@asukanno1

第1話 未来への咆哮

-この世界は6つの世界線が存在する。

決して干渉できず、全て時空が異なる。

時間軸だけが同じで全く違う世界が確かにある-


『世界は一つしかない』となんの確証もないが信じている青年がいる。

彼の名前は『ブレイク』。

19歳、青髪で目つきが悪く誤解されやすい。

服装は戦闘服のようでもなくカジュアルな恰好で背中には剣をしょっている。

黒いバイクを乗り、颯爽と草原を走っている。

カワサキニンジャのようなバイクのスタイルがお気に入りだ。


職業は「歴史家」。考古学者や学者とは似て非になる。

いろいろな歴史に関わることを調査している。

土器・古墳・化石・墓・壁画・絵・音楽等細かいものまで、

一つの事柄や物事を調査し、「本当の歴史」を調べてる。


バイクで走りながら呟く。

「学校や噂、流行りなんて真実がどこにあるかわかんねぇもんな」

不特定多数や流された情報ほど真実や現実味が無い。

自分で証明してこそ「本物」だと自負している。


今回見つけたのは『拾った鍵』。

見たことのない形で興味が沸いた。

鍵には赤い宝石がついていて、たまに光を放つ。

なんの手がかりもないまま数か月が過ぎ、調べても調べても成果はなかった。

ただ「たまに光る宝石の光る方向」に違和感を感じていた。

進んでも進んでも、光る方法が同じであった。

逆の方向に走っても光が屈折したり曲がったりして一度上に光が差され、曲げてでも同じ方向に進む。

その光が差す方に何かヒントがあるはずだと信じ、進むことにした。


どれだけ進んだか。かなりバイクで走った気がする。走り続けて二週間。

たまにしか光らなくても確実に光が示している方向には進んでいる。


バイクを折り、ジュースを飲みながら

「この鍵、一体なんなんだよ。俺を振り回しやがって。」

首からペンダントのようにぶらさげているが自分の中で疑問しか浮かばない。

「まったく・・」

笑みを浮かべながらこの疑問に真正面から挑む自分が嫌いではなかった。

ブレイクからすればいつものことだった。


-ドォォォォン!!!!(衝撃音)-


「なんだ!?」


突然の衝撃音に驚くブレイク。


「行ってみるか」


近くでの衝撃音で何かが爆発したのか、事故か。

聞いたことのない音に緊張感が走る。



着いた先にはどでかい穴が空いていた。

周りは草原しかなく、広い大地にブレイク以外人はいなかった。


「どうなってんだ?」


衝撃で回りの草は全て吹き飛んで地面しか見えなったが風や塵が凄まじく

周りが見えなかった。


そこに影が見える。


「誰かいるのか?大丈夫か?」


心配そうに声をかけるブレイクだが反応がない。


「クソ、なんだこの風は。。」


なんとか近づいた時だった。


強い風圧の中で手を広げている姿が見える。


「・・・ Go away」


「何?」

突然の小さく微かに聞こえた声を聴いた瞬間。


ドォォォォン!!!!(衝撃音)


先程の衝撃音と共に爆風で吹き飛ばされるブレイク。


「チッ!!」


態勢を瞬時に変え、背中の剣を左手で取り出し、鞘から抜き、

風を切り裂いた。


ズババババッ!!!(炸裂斬撃音)


「あっぶねぇなぁ」


爆風ごと一閃し、景色が見える。


そこには黒髪の青年が佇んでいた。


ブレイクの爆風ごと吹き飛ばす斬撃以上にその青年の周りにあった大地の地形が変形するほどだった。


「大丈夫か?」

ブレイクが声をかける。


鋭い眼光で一瞬見ると


「Are you okay」


「言葉が通じないのか?」


黒髪の少年が話す言葉が解らない。

ブレイクが悩んでいると、

黒髪の少年が右腕の時計のようなものを操作し、声を充てる。


「convert words voice」


「すまない、言語が違っていたね。」


「あ、あぁ。(なんなんだ?)」


一瞬の出来事に困惑するも、質問をぶつけるブレイク。


「君は一体。?」


「あぁ、僕はリミット。時空の超越者(タイム・キーパー)だ。」


「タイム・キーパー?」


聞き覚えのない言葉にさらに疑問が増える。


「ここは、『第二の世界』(セカンド・ワールド)かい?」


リミットが逆に聞いてみる。


「あぁ、一応この世界は『第二の世界』と呼ばれているけど。

 君はどこから来たの?」


「今までは『第3の世界(サード・ワールド)』にいたよ。」


ブレイクはきょとんとした。


(さっきから何を言ってるのかわかんないぞ?どこだ、それ。タイム・キーパーって何なんだ?サード・ワールド?さっきの爆発音は?)


頭の中で整理するも皆目見当もつかない。


瞬間瞬間で情報量が多すぎる。


心の声を一旦殺して聞いてみる。


「第3の世界ってなんなんだ?」


一瞬で、空気が変わる。


黒髪で長髪、全身黒で覆われた漆黒の服にマント姿。


空気がひりつくくらいの鋭い眼光でブレイクを見つめる。


「それは、聞かないほうがいい」


「俺はブレイク。君が何者なのか知りたい」


「踏み込むと帰ってこれなくなる」


「そんな大げさな」


バッとブレイクの懐に入り、胸のホルダーから銃を取り出し首の下から突き付ける。


「本当に、死ぬよ?」


威嚇でもなく本気の言葉で冷静に現実をつきつけられるブレイク。


クッ・・。(一歩も歩けなかった・・。)


「わかったよ。もう何も聞かないよ」


銃を仕舞い、リミットが言う、


「それが賢明だ。」


立ち去ろうとする間際、ブレイクの首にかかった鍵が視界に入った。


「その鍵はどうしたの?」


「なんで教えないといけないんだよ。」


拒むブレイクだったが、リミットが視線を外さないのに根負けして


「わかったよ・・。

 祠の遺跡に落ちてあったんだよ」


「祠?」


「あぁ、国の一番東にある「祠の遺跡」を調べてたら」


「それは君には荷が重すぎる。僕に渡してくれないか?」


「なんでだよ。俺が調べてるんだ。嫌だよ」


「どうしてもか?」


「あぁ。嫌だね」


「わかった。なら奪うまでだ。世界の為に!!」


「どうゆうことだ?」


その台詞の刹那、銃が抜かれていた。


「世界の為に、死ぬ覚悟あるのか?」


リミットの姿からは間違いなく、殺意があった。


それを察したか、ブレイクも剣を抜き、構えを取る。


「なにがなんだかわかんねぇよ。でも、いきなり初対面に殺されるほどヤワじゃやねぇよ」


鞘から外し、更に呟く。


「死んでから、後悔はできねぇぞ?」


突如ブレイクの前に現れた謎の青年『リミット』。


「(何がなんでも聞き出してやる、知ってる情報を・・。)」


ブレイクはリミットから知っている情報を聞き出すために


戦闘を繰り広げるのであった・・。














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