第73話 木のぼり男爵(イタロ・カルヴィーノ作)

書かせていただきます。


【簡単な作品紹介】

20世紀イタリアの国民的作家、イタロ・カルヴィーノの作品。

作者は奇抜な発想の作品が多いことで知られていて、本作も独特な文学作品に仕上がっている。


【数行で読める、あらすじ】

舞台は18世紀のイタリア。主人公のコジモは、男爵家の長子。

12歳のある日、親へのちょっとした反発心から木登りをし、以来、地上に降りることなく、木の上で暮らし始める。

 木の上で食事や恋など、人間としての暮らしを全て木の上で完結させるコジモ。

 ある日男爵家を継いだコジモの領する地方にも軍隊がやってきた。さあどうする?


という話。



【作品の特徴】

弟が兄の木登り男爵から聞いた話を書き記したという形式の作品。


古典小説でよく見られる技法を使うことで、寓話的な世界観なのにリアリティを出せている。


内面描写が少なくて、外面描写中心になって話が進むので、主人公の心情などはわかりにくい。この点は物足りないかもしれない。



【作品の見どころ】

木の上で暮らすというユニークな発想と、盗賊や海賊との冒険譚が見どころ。


男爵の恋が終わってからはストーリーが散発的になり、尻つぼみに話が終わるのが残念なところだろう。最後にもう一工夫ほしかった。


惜しいと思える時点で、いい作品なんだけどね。


【終わりに】

今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。


ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。


それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。

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