第60話 パスクアル・ドゥアルテの家族(カミロ・ホセ・セラ作)
書かせていただきます。
【簡単な作品紹介】
スペインの小説家で、ノーベル賞作家のカミロ・ホセ・セラの処女作。
【数行で読める、あらすじ】
主人公のパスクアルは、ろくでもない両親に育てられ、妹が売春宿に行き、決闘で自分をからかった男を刺し殺し、妻が流産するなど、下層階級ならではの波乱万丈な人生を歩んでいた。最終的に死刑囚となり、自分の人生を手記の形で振り返る。
【作品の特徴】
手記の形で主人公の人生を振り返る形式。
貧しい村に生まれ育った主人公が 殺人を犯すに至る経緯を書いていて、その内容が、パスクアルの人間性をよく表現していて、読み応えがある。
時代背景の記述がないので、いつ頃の話なのかはわかりにくいけれど、内容から察するにスペイン内戦の頃だろうか。
主人公の悲劇的な人生がよく書かれているが、同情や共感を呼ぶものというよりも、圧倒的な熱量のある内容で、読者を魅了するような内容になっている。湿っぽい話ではないので、その手の物語が苦手な人でも楽しめると思うよ。
【作品の見どころ】
パスクアル・ドゥアルテの家族が魅力的。
登場人物たちの言動が予想を斜め上行くので、物語に躍動感を与えている。
酷い人間ばかりなので、人によってはまいってしまうかもしれないものの、酷い人間には酷い人間なりの魅力があるのだということがわかる。書き手の筆力と想像力が存分に発揮されていて、読んでみる価値があると思う。
【終わりに】
今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。
ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。
それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。
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