第57話 夢のブナの木(リヒャルト・レアンダー作)

書かせていただきます。


【簡単な作品紹介】

ドイツの作家リヒャルト・レアンダーの童話。筆者の読んだ岩波少年文庫版では、20のお話が収録された童話集になっていて、「夢のブナの木」はその中の一作となっている。



【数行で読める、あらすじ】

とある村に、大きなブナの木があった。

ブナの木にはとある伝説があって、なんでもブナの木の下で眠ると、見た夢が本当になるらしい。

ただし、夢を叶えようと欲を出して眠った場合は、効果がないという。

ある日、通りかかった職人は、木の下で眠ってしまい夢を見る。

妻や子供とともに家族でテーブルを囲んでいるという夢だった。

職人は、初対面の宿屋の娘に夢のことを話す。実際は違ったものの、夢で見たのは彼女だったと嘘をついたところ、娘は、青年は自分の運命の人だと信じ込む。

 やがて娘と結婚した職人は、急死した義父のあとを継いで、宿屋の主人となり、安楽な地位を手に入れるが…。


【作品の特徴と見どころ】

夢が叶うというブナの木をめぐって展開される物語なのだが、伝説が本当かは実は不明。


つまり職人が伝説を利用して嘘をつき、結果的に夢のとおりの立場を手に入れる、という話になっている。


 興味深いのはその後の展開だ。


青年が嘘をついたことを宿屋の娘が知るのだが、その結果娘は「自分は本来決められていた運命の相手と引き裂かれてしまったのではないか」「自分は伝説に引き摺られていただけで、本当に夫を愛しているのだろうか?」という疑問を抱くという話になる。


その果てに行き着く結末は、なかなかに感慨深い。

読んでみて損はないと思うので、機会があれば、手に取ってみてくださいな。



【終わりに】

今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。


ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。


それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。



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